マギボン:YouTube発のネットアイドル

2008年12月26日 カテゴリー: インターネット, 国内, 特集

マギボン:YouTube発のネットアイドル

東京のスカイラインを背景にたたずむYouTubeのネットアイドル、マギボン。

今日はYouTubeでお馴染みの、あるネットアイドルをご紹介したい。あの人気動画共有サイトの常連であれば、一度はカメラに向けられたつぶらな瞳と小顔が印象的なマギボンの動画を見たことがあるのではないだろうか。アメリカ・ペンシルバニア州の片田舎に住む彼女が流暢な日本語を喋るプライベートビデオの大半は、日本からの数百万アクセスを誇る。本日のPingMagでは、折しも日本に滞在していたマギボンにYouTubeで人気を得るための秘訣を教えてもらった。

作:ジャン・スノー
訳:山根夏実

いつから動画を作ってYouTubeに投稿し始めたのでしょうか?

たぶん1年半か2年ほど前だと思います。

ウェブカメラに向かって様々な顔や表情を見せるマギボンさん。

始められたきっかけは?

当時はまだYouTubeが新鮮だったので色々と遊んでいて、日本のPVをたくさん見ていました。それで自分も何かを投稿できるんだということに気がついて、ウェブカメラをつないでちょっと手を振ってみて、それをただ自分で見るためだけにYouTubeに投稿したんです。その時は、自分や友人以外の人間が見ることはないだろうと思っていました。

では予想とは正反対のことが起こってしまったんですね!色々な人がその動画をチェックしていることに気づいたのはいつ頃だったのでしょうか?

1週間かそこらで視聴回数が数千回になっていて、どうやら2ちゃんねるにリンクが貼られたらしいことに気づきました。私は日本のことが大好きだったので、本当に舞い上がってしまって!これまでずっと日本人の文通相手を探していたのに、突然何千人もの日本人が私の顔を見に来てくれたんですから!

このマギボンの動画は、YouTubeで400万回以上再生された。

マギボンさんは動画の中で日本語を話されますが、いつから日本語を使い始めたのですか?

動画をいくつか作ったあとに、2ちゃんねるの人々にお礼を言いたいと思った時からです。その時は本当に片言の、自動翻訳の日本語を使って、「あれは私です」と「ありがとう」と入れようとしたと思います。その時から動画の情報やコメントをできるだけ日本語で書きこむようになりました。

では動画の最後に「ありがとう」のグラフィックを入れるようになったのはいつからだったのでしょうか?あと、そのアニメーションはどうやって作ったのですか?

いつ頃始めたのかは、はっきりとは覚えていません。昔はその動画を作っている時の気分に合わせて、毎回ちょっとずつ違うものを使っていたと思います。今ではいつも「ありがとう」にしていますが、前のウィンドウズのコンピュータを使っていた時は、ムービーメーカーを使って作っていました。今は新しいMacのノートパソコンでiMovieを使って作っています。

マギボンの動画の締めくくりには、常にみんなへのお礼の言葉が入っている。

マギボンさんは日本語のブログもやっていらっしゃいますが、日本語で書くのは結構難しいのでは?まず英語で書いて、それを日本語に訳しているのですか?それともいきなり日本語で書かれているとか?

どちらもあります。ブログに書き込む時は、私の日本語でも十分にわかるように、本当に簡単な内容に留めないといけないのが難しいです。ですから日本語の文章でどう書けばいいのかを考えるか、もしくは時間がない時は本当に簡単な英語を自動翻訳にかけて、それを改めて手直ししたりもします。

英語のブログを持とうとは思わないのですか?

別に英語のブログが嫌だとか、そういうわけではないのですが、それでも今私がやっていることにはそぐわないと思うんです。私の目標は日本に住んで、日本で働くことなので。

マギボンの日本語のブログに掲載されている写真の数々。

では今は日本でどんなことをされたい思っていますか?

歌手になりたいと思っています。

その夢を叶えるのに、投稿動画を活用されないのですか?ほとんどのマギボンさんの動画には音声がないようですが…。

自分の進みたい方向性を決めたのはつい最近なんです。これまでずっと自分に何かの才能があるのか、自分に一体何ができるのかを考え続けてきたので、何をしたらいいのか、何をすべきなのかがわかりませんでした。でも最近になって、歌の道がいいのではないかと決意しました。

現在はYouTubeでの活動で生活されていらっしゃるのでしょうか?

私はYouTubeのパートナープログラムに参加しているので、運営側が私の動画の隣に自分で好きに選んだ広告を掲載してくれて、あちらとその収益を分かち合っているんです。大した金額ではありませんが、私はまだ実家で生活しているので、今はこの活動に専念することができます。

マギボンの初めての動画。

新しい動画はどれくらいの頻度で作っていらっしゃるのですか?

それはその時々です。1週間に2、3本も作るほどのめりこんでいる時もあれば、インスピレーションやアイディアがわかなくて、1カ月に2、3本しか作らない時期もあります。つい最近は、まる1カ月、1本も動画を作らなかったこともありました。そこらは昔から気分が乗るかどうかに任せています。

記録する内容は、熟考を重ねて決めていらっしゃるのでしょうか?それとも毎回が試行錯誤の結果とか?

ウェブカメラを設置して電源を入れて、その時に何かを話したい気分であればそうしますし、そうでなければ言葉のない動画を作ります。

動画はあらかじめかなりの量を記録して、そこから面白いと思ったものだけを保存しているのですか?

そういう時もあります。私の動画の中には、カットして一つのクリップから別のクリップへとカットでつながっているものもあるのですが、そういう動画は1時間以上カメラの前に座っていたのに、最終的には1分の動画になってしまったような時だと思います。

1時間以上もカメラの前に座っていることがあるのですか?

ええ、例えば何か食べるものを調達して、それを持ってコンピュータの前に行ってウェブカメラの電源を入れるでしょう。そこに座って食べながら、何をしようか考えて、何か言いたいことがあればそれを言って、飽きればいろいろな顔を作ったり、一口かじってみせたり、単に食事中だということを見せたりします。

ピザ・トーストを食べるマギボン。

動画を編集してYouTube用にまとめるには、どれくらいの時間がかかるのでしょうか?

それはそのクリップによりますね。相当長くかかることもあれば、本当に簡単な時もあります。以前は動画に音楽も付けていて、そういう場合は画像と音楽を合わせて、再生時間やら何やらを曲に合わせないといけなかったので、本当に手間がかかっていました。でもそれももうだいぶ前の話で、運営側が著作権を有する素材に関して厳重に取り締まるようになったので、私も自分の動画に音楽を入れるのをやめるべきではないかと考えるようになりました。

ところで、先程、目標は日本に住んで、日本で働くことだとおっしゃっていましたが、マギボンさんは日本のどんなところがお好きなのですか?

どうでしょう、ただ何かがピンときたというか。自分の文化よりもよその文化に親近感を抱く人は少なくないと思います。私が日本に感じたのも正しくそれでした。ドラマやJポップも好きですし、日本の言葉も大好きです…。

アニメや漫画はどうです?

そういうものも好きですが、あまり手を出さないようにしています。というのも、私はかなりのめりこむタイプなので、そういうものにはまってしまうと生活がそれ一色になってしまいそうで。私の動画を見ている人で、私がアニメオタクか何かで、「日本について何も知らないのにアニメの国だから行きたがっているんだろう」なんて言う人も結構いるみたいですが。

でも、少なくとも何度か来日できたので良かったですね!マギボンさんが今回来日されたのはYouTubeのイベントに出演するためだったそうですが、そこではどんなことをされたのでしょう?

イベントで何をするかについては、数日前になっても全然知らされていなかったのですが、現地に着いてから、私にいくつか日本語で質問をして、私もそれに日本語で答えるという内容に決まりました。あと「マギボンソング」を作ってくれた ファットブルーマンというバンドも参加していたので、彼らのパフォーマンス中にももう一度ステージに上がりました。

東京で行われたYouTubeのライブイベントで「マギボンソング」を披露するバンド、ファットブルーマン。

マギボンさんに捧げられた歌や動画のオマージュについてはどう思われますか?

良いものは本当に感動的で、それなしでは日本に行って、自分の夢を追う強さがあったかどうかわかりません。それについては本当に感謝しています。あと、私の母もそういう動画を見るのが好きで、よく見ています。

Youtubeで有名になったことで、マギボンさんをからかうような、否定的な動画も少なからずアップされるようになったことについてはどう思われますか?

そういうものは無視しています。ネガティブっぽいと思ったら無視しているので、ほとんど見ていないのですが、そういう動画は私がこの活動を始めた時からありました。最初は本当にしんどかったです。誰かに自分を侮辱することを言われると、自分の言い分を言い返したいというのが自然な反応ですから、私もそうしたかったのですが、心のどこかでそれをしてはいけないと、そういうものを認めてはいけないという声があったので思いとどまりました。多くの人々が私の動画を見ていて、その中には私のすることからインスピレーションを得ている人もたくさんいるので、私は彼らの考え方や気持ちに影響を与えないように、自分のどんな面を見せるのかに気をつけなければなりません。私は動画を見てくれる人々には、忍耐と楽しさだけを見せたいんです。

より多くの人に見られるようになってから、動画の傾向や作り方を変えたりすることはありましたか?

変わったとも言えるし、ある意味変わっていないとも言えます。というのも、言葉を入れない動画は今でも本当に人気が高いので、それは変わらず作り続けています。そういう動画に心底感動してくれる方もたくさんいるので。

マギボンの無声動画の一つ。

感動される方というのは、どういった部分に感動しているのでしょうか?

それは私の動画が白紙の状態で、見る人の望んだものになれるからではないでしょうか。YouTubeには口論や後ろ向きな内容を捉えた動画が無数にあって、その中にはもっとも閲覧回数の多いクリップもあります。その一方で、私の動画にはただの沈黙と、さりげない笑顔か、時には手の一振りがあるだけです。一部の人々にとっては、ほんの1分間、誰かが手を止めて笑いかけてくれるだけでも、本当に意味のあることなんです。

ですが、それだけでは誰も彼もを満足させるのは難しいでしょう。私の動画が人気になり始めたころ、人々の提案を聞いて、彼らの望むことをしようとしていた時期があります。動画をもっと長くすべきだという人もいれば、その直後に長すぎだからもっと短くするべきだというメッセージをもらうこともありました。英語を使うか日本語を使うかについても同じです。ですから、要はそういった努力はまったくの無駄で、私が感じるがままのことをすれば、結局はそれが一番しっくりくるのだろうと思います。

では、日本に来てみていかがでしたか?

1回目は、週刊プレイボーイGyaoが合同で招待してくれたもので、この旅は楽しくて素晴らしかったものの、一気にテレビカメラやラジオの前にさらされたことで、精神的にとても疲れました。私はそれまでこういったことを一切やったことがなかったので、そういうものの中にいきなり放り込まれたような気がしたんです。おそらく人気も知名度もあるから、誰もが私をプロかエンタテイナーだと思っていたのかもしれませんが、実際のペンシルバニアでの私の生活は実にのんびりとしたものなんです。インターネットやYouTube以外は一切していませんし。2度目の来日では、もう少し時間にゆとりを持つことができました。

インターネットテレビ、Gyaoの訪問を受けて、それをYouTubeに投稿するマギボン。

2度目の来日は何のためだったのでしょうか?

東京国際映画祭です。ブルーシンフォニーという映画で、フランス人の少年の声を一行だけ担当させてもらったのですが、それが映画祭に出品されたんです。

その映画にはどういう経緯で出演されたのですか?

映画を制作していた人の一人が私のYouTubeの動画を知っていたようで、私の声がその役に合うのではないかと考えてくださったようです。それで以前から私と仕事をしていた週刊プレイボーイの編集者に手紙を書いたことで、私も本物のオファーだと知ることができました。声は自宅の台所で、自分のノートパソコンに内蔵されているマイクを使って録音しました。家族が寝静まるのを待って、台所の時計も秒針の音が入らないように移動させておきました。それから台詞を録音して、制作者にメールで送りました。

その制作者は、なぜマギボンさんがフランス人の少年の声にぴったりだと思われたのですか?動画でフランス語を使ったことでもあったのですか?

以前に一度だけ、フランス語の詩を朗読する動画を作ったことがあるんです。それは即座に消去したか非公開にしたと思うのですが、私が動画をアップすると、どうやってか自分のコンピュータに保存する人がいて、それがどこからかまた出回ってしまうんです。コンピュータを立ち上げていた時に、気まぐれに何かをしたくなって作ったものだったので、あまり良い出来ではないんですが、たぶん今もどこかにあるんじゃないでしょうか…。

最近の来日中に制作した動画の中のマギボン。

ウェブから完璧に動画や写真を消すことは、殆ど不可能ですからね!では今後のご予定は?

最近歌の道に進もうと決意したので、それが今後の目標です。ですが、私が心底愛しているのはテレビで、日本のテレビは大好きです。

日本の芸能人は、歌ったりドラマに出演したり、いろいろと幅広い活動をしているので、マギボンさんもそういった方向でやっていけるのでは?

私も同じことを考えました。現時点では、私にこれから伸ばせる音楽の才能があるとしたら、それが私をエンターテインメントの世界に導いてくれる方法だと思っています。それで歌で何らかの成功を納められたら、いつか日本語がもう少し上手になった時に、演技にも挑戦してみたいと思っています。

マギボン。インタビューが行われた渋谷の某事務所で。

YouTubeの動画制作は今後も続けていかれるのでしょうか?

YouTubeのほうも本当に続けていきたいと思っていますが、先ほどもお話ししたように、私はいつも自分のフィーリングに従って作っているので、将来的なことは全くわかりません。ですが現時点ではYouTubeの活動をやめる予定はありませんし、今後も続けていきたいと思っています。

次の来日予定はもう決まっているのですか?

今はできるだけ長く日本にいられるように、一生懸命頑張っているところです!(笑)

マギボンさん、今日はありがとうございました!日本への進出が成功することをお祈りしています!

7 コメント

  1. 「ほんの1分間、誰かが手を止めて笑いかけてくれるだけでも、本当に意味のあることなんです。
    」って殆どアートですね。
    youtubeはうちで見ようとするとすぐフリーズするので、ガーリーがムービーするのはよくわからないですが、動画を見てペンシルバニアまで会いに行く人もいるんでしょうね、時間旅行できる友達と
    (分かるかなこのネタ)

    Posted by: 斉藤 @ 12月26日2008年

  2. 知らないだけで世界中には魅力的な人々が
    大勢いらっしゃるんでしょうね。
    今は自ら簡単に発信しやすくなって膨大なデータから逆に発見するのが大変にもなりました。
    リア・ディゾンさんは成功例ですかね。
    でも下手な商業ベースに乗ると魅力が半減しそうな危うさもありますね。

    Posted by: 山本 @ 12月27日2008年

  3. [...] マギボン:YouTube発のネットアイドル [...]

    Posted by: Bookmark::090104 « Kuu2’s Blog @ 1月4日2009年

  4. 素晴らしいインタビューをありがとうございます。
    今まで彼女について知りたかった多くのことが、見事に語られていると思います。感動致しました!
    彼女はもちろんそうでしょうが、ファンである私自身も、新たな気持ちで彼女の応援を続けていけそうです。
    頑張ってね、マギちゃん! 夢を追い続けてね!
    ずっと応援しています!

    Posted by: ファンその1 @ 1月9日2009年

  5. 脑瘫

    Posted by: icnpunk @ 1月27日2009年

  6. hola vivo en mexico, solo quiero que sepas que eres una persona muy bonita . . . tus ojos son hermosos y tu mirada envuelve a cualquiera . . . saludos desde la ciudad del kaos.

    xoxo . . . -

    Posted by: marco @ 6月19日2009年

  7. 小柄で、目が印象的なマギボンちゃんは、私の友達にそっくりです。友達は日本人です。
    今度来日したら、会って見たいですね。^U^

    Posted by: ユリボン @ 10月26日2009年

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