日本のハイテクトイレ事情

2008年12月17日 カテゴリー: テクノロジー, プロダクト, 国内

日本のハイテクトイレ事情

TOTOのカタログより。まるでオブジェのように、部屋の片隅に置かれたトイレ…。未来のトイレ空間はこんなことになっているかもしれない…!!

トイレのドアを開けると、自動で開く便器のフタ。心地よい音楽が流れ始める中、暖かな便座にゆっくりと腰を下ろせば脱臭が始まり、用を足した後はボタンを押してお尻を洗浄…。さらにお好みであれば、別のボタンを押して湿ったお尻を温風で優しく乾かし、最後は何をしなくとも、勝手に水は流れ、ゆっくりと便器のフタも閉じられる…。国内に住む人ならすっかりお馴染みのこのトイレも日本を初めて訪れる人にとってみれば、カルチャーショックもいいところ!本日は、ウォシュレットで日本のトイレ文化に革命を起こし、先月のデザインウィークでも宇宙船のようなトイレ空間を演出したTOTOショールームを見学しながら、広報部の柴崎麻理子さんに、進化し続ける日本のトイレ事情についてお話を伺った。

作:アヤナ

まずはじめに、TOTOについて簡単に教えてください。

TOTOは、1917年に設立した水回りの商品を扱っているメーカーで、元々は海外で使われていた洋式の陶器のトイレを日本国内で流通させるところから始まっています。当時は汲み取り式の木製和式トイレが主流でしたので、衛生的な暮らしのために、耐久性に優れた陶器製の水洗トイレを普及させるという目的がありました。

最近はあまりない家庭用の和式トイレ(左)と、駅などで今もよく見るタイプの和式トイレ(右)。左のように、手を洗った水をトイレの洗浄に使うスタイルも、日本独得のもの。

では早速ですが、日本のトイレに革命を起こした温水洗浄便座「ウォシュレット」は、一体いつ、どのように発明されたのでしょう?

1964年に、アメリカで医療器具として使われていたものを輸入して販売したのがきっかけです。その後、研究を重ねて、1980年に国産品の温水洗浄便座を販売し始めました。最初は受け入れられにくい部分もありましたが、名称を「ウォシュレット」とし、インパクトのあるCMにすることで認知され、徐々に生活に浸透していったのだと思います。

TOTOのショールームでは、このようにいくつかのトイレ空間が見学できる。

従来の13リットルから、たった5.5リットルという少量の水で流すことが可能になった最新のトイレ!

では、日本ではすっかり当たり前になった「お尻の洗浄」ですが、本当に何かしらの利点があるのでしょうか?

洗浄水の出し方には、汚れが良く落ちる工夫があります。また、汚れが浮いたり、ふやける効果がありますので、紙で拭き取りやすくなります。紙よりも肌への刺激が少ないので、痔を患っている方などにはかなり支持していただいています。

前後に動くウォシュレット(左)とセンサーにより自動で上がるフタ(右)。

では、最新の機能にはどのようなものがありますか?

以前のウォシュレットは、洗浄の際に一定の水量を出していましたが、最近は吐水に強弱をつけ、水玉状にして出すことで、水の量を抑えながら、汚れを落としやすくしています。

最近開発された水玉連射方式の様子。その名も「ワンダーウェーブ」!大きな水の玉がお尻の表面にあたれば、汚れも落ちやすくなる。動画はコチラのページの左の青いボタンからどうぞ。

最近では、旅行先にまで携帯型ウォシュレットを持っていく方もいらっしゃるそうですが、国内でのウォシュレットの普及率はどのくらいなのでしょう?

内閣府の調査によると、平成20年3月現在で約7割の世帯で普及しているようです。

ウォシュレットの最新型リモコン。フタの開閉から洗浄タイプや洗浄位置、水圧の強弱まで調節できるようになっている。リモコンがタッチパネルになる日も、そう遠くはないかもしれない…。

それにしても、なぜ日本のトイレはこんなにもハイテクになっていったのでしょうか?

欧米ではビデを使う文化があったことに加え、お風呂とトイレが同じ部屋にあることが多く、水に濡れる可能性が高いというトイレ環境の違いもあると思います。しかし、日本の場合は、トイレはお風呂とは離れていますので、電気製品を使用しやすい環境にあったことが発達に繋がったのだと思います。

ケンウッドによる心地よい音楽とウォシュレットの音声ガイドが聞けるオートサウンドリモコン(左)。そして、香りのトレーを吹き出し口にセットすることによって、気になるトイレのニオイを解消するオートフレグランス機能(右)もオプションでいかが?

消費者のニーズはどのように調査されているのですか?

商品を使って頂いた方からのご愛用者カードやお電話でお話を伺ったり、設置して頂いた所へ訪問調査することもあります。技術的な部分の改良は、研究を重ねた技術者達の「こういうことを実現したい」という強い意志が働いていますね。

最新型便器にはスイッチ一つで水面を下げ、お尻への水のはね返りを防ぐ機能も!(左)また、デザインにも力を入れるTOTOは、東京デザイナーズウィークにも参加している。(右)

TOTOカタログより。マンション向け(左)と広いスペース用(右)。床をフローリングにすると、まるでトイレじゃないみたい…。

家庭用のトイレと公共空間のトイレでは、ニーズは変わってきますか?

公共施設の中でも、駅などのように不特定多数の方が使用する場合は、耐久性が重要になります。デパートのような所ですと、お化粧ができる場所を作るなど、女性配慮が重視されます。あとは、「触りたくない」という気持ちを配慮し、トイレの水が流れるのも、手を洗うのも自動という所が多いですね。

新宿のショールームでは、デザイン性を重視した商品が並ぶコーナーも見られる。

今後、日本のトイレはどうなっていくと思われますか?

昔のトイレは床がタイル貼りで、水が流せる場所であったの対し、今はフローリングにしたり、パイプやコードを隠すなど、お部屋の感覚に近づいてきたと思います。今までの「トイレっぽい」という空間から、今後どんどん変化していくのではないでしょうか。

TOTOのカタログより。お日様をたっぷり浴びたガラス張りのトイレはいかが?

…写真のようなトイレ空間が浸透する日が、まもなくやって来るのでしょうか?柴崎さん、本日はありがとうございました!

3 コメント

  1. ウォシュレットの無いトイレには入りたくない。
    もう戻れない脳になりました。

    Posted by: 山本 @ 12月18日2008年

  2. [...] 日本のハイテクトイレ事情 [...]

    Posted by: Bookmark::081219 « Kuu2’s Blog @ 12月19日2008年

  3. 実際ガラス張りのトイレってどうなんだろうか。
    見たくも見られたくもない光景じゃないか??
    たとえ人から絶対に見られないという保障があったとしても
    こっちから外が見えるんじゃぁ
    なんだか落ち着かなくて
    出るモンも出ない。

    Posted by: si♀ @ 12月19日2008年

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