
MP3時代が到来しつつある昨今、ようやくCDの小さなジャケットで満足することを覚えた昔ながらの大きなレコードジャケット愛好家たちは今、更なるジャケットの縮小に苦悶の悲鳴をあげている。そこで、本日は古き良きレコード盤に敬意を表して、ジャケットを使ってのちょっとしたお遊びはいかが?ウェールズ出身のグループ、スリーブフェイスが発案したオンライン・キャンペーンとは、自分のお気に入りのレコードジャケットを選んで、そこに写っているディテールのストーリーや設定を想像しながら写真を撮るというもの!そしてその結果の集大成が、このたび「スリーブフェイス ―ビー・ザ・バイナル」という作品集の形で集約された。本日のPingMagでは、このグループの3人の創始者のうちの1人、カール・モリスさんにお話をうかがった。
作:イアン・ニューカム
訳:山根夏実
レコードジャケットを使って遊ぶというのは、決して目新しいことではありませんが、インターネット時代になってからこのような活動を大々的に行われるのは皆さんが初めてと言ってもいいですよね。いつ、そしてどうやってスリーブフェイスの活動を始められたのでしょうか?
スリーブフェイスは、私がウェールズの都市、カーディフのバーでDJをやっていた時に始めました。私が顔の前でポール・マッカートニーのレコードジャケットを掲げて、皆で写真を撮ったのがきっかけです。それから私とDJの友人たちで、自分のコレクションから他にもジャケットを見つけてきて、もっと同じようなものを作るために、それぞれが持っているレコードを持ち寄るようになったんです。その後、ネット上にある地元の音楽関係のフォーラムにマッカートニーとテッド・ニュージェントの写真を投稿したりもしました。それから写真が10枚かそこらになった時にこの活動に名前が必要だと感じて、2007年5月にsleeveface.comのサイトを立ち上げて、後にそれをブログに移行させたんです。その他にも、スリーブフェイスの創始者の一人であるジョン・ロストロンがFacebookグループを開設して、もう一人の創始者のユアン・ジョーンズ・モリスがBBCのラジオ・プレゼンターのヒュー・スティーブンスの声とトラッカーズ・オブ・ハスクのマスロック(=実験的なロックミュージックの一種)を使って、ハウ・トゥー・スリーブフェイスいう動画を作っています(上のクリップ参照)。

先日、ジョン・ロストロンさんが、スリーブフェイスとはMP3形式の楽曲からレコードやCDを救出することだとFacebook上で仰っていましたが、それについてはどう思われますか?
スリーブフェイスはMP3時代に生まれたものです。これまでにもアルバムのジャケットと一緒にポーズを取ることはよくありましたが、今はソーシャル・ネットワークが盛んで、人々が簡単に色々なことを分かち合える世の中でもあります。また認識余剰もあって、その結果、人々は純粋に受動的なメディアよりも、相互作用的なものにより惹きつけられる傾向にあります。彼らは自分たちも参加して、独自の楽しみを作り出す時間と労力を持っているのです。そして今は歴史が平坦になってきた時代でもあります。これは要するに、人々が古い音楽をまるで新しいものであるかのように発見して、すべてが再評価、再充当、そしてリミックスの対象になっているということです。

名言ですね。スリーブフェイスの精神とはどういったものなのでしょうか?
スリーブフェイスの精神は、最高のレコード、最高の音楽、それに最高のジャケットです!あとは友人と楽しく時間を過ごすこと。これまでにアメリカ、イギリス、カナダ…たくさんの国々からメッセージやスリーブフェイス写真が寄せられています。それからブラジルとチリなどの南米では特に盛んなようです!

スリーブフェイスが世界各地でこんなにも成功した理由は何だと思われますか?
スリーブフェイスは視覚的で、面白くて、名前も覚えやすく、スペリングも覚えやすいからでしょうか。また色々なソーシャル・ネットワークでも大きな存在となりつつあります。誰でも参加できるし、良いスリーブフェイスを作れば24時間以内に何千人もの人が見ることになるのも原因の一つだと思います。
もっとも頻繁にスリーブフェイスに登場するアーティストは誰でしょうか?
バリー・マニロウ、バーブラ・ストライサンド、それにデヴィッド・ボウイ。あとはフィル・コリンズといったところでしょうか。

では良いスリーブフェイスの条件とは?
それはジャケットとピッタリマッチすることですね!あとは今までに試されていないジャケットを選ぶこと。よく探してみてください!とはいえ、それでも珍しい小道具やロケーションを使えば、これまでに何枚も見てきたマニロウやストライサンド、ボウイでも優れた作品を作ることができると思います。写真の技術もあれば役に立ちます。時間をかけることも大事ですね。ジャケットの顔が小さければ、知人に少し離れた位置で持ってもらうのもいいでしょう。ハウ・トゥー・スリーブフェイスの動画を見ればわかるはずです!

これは一体何事…?察するにマーヴィンが庭のブドウの成長を見に来た、ということだろうか。スリーブフェイスのサイトより。
カールさんの個人的なお気に入りはどれですか?
私のお気に入りは、コンセプトを採り上げて、それをさらに膨らませたものですね。たとえば、投稿者がレコードの山を写したジャケットを上手に使ったレコードを探す手とか。(タイトル画像参照)
アンチ・カバー的なアートについてはどう思われますか?たとえばハード・ファイの「NO COVER ART」のジャケットとか…。
良いコンセプトだと思いますが、XTCの「Go 2」やビートルズの「ホワイトアルバム」、もしくはフリッパーの「アルバム・ジェネリック・フリッパー」なんかも見てみるといいと思います。
そして皆さんは、スリーブフェイシングの大ヒットを受けて、傑作の投稿カバーをまとめたスリーブフェイス―ビー・ザ・バイナルを作られのですよね。この本を出版しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
この本を実現することができたのは、50セントの文芸エージェントからの電話のおかげです!彼はインターネットでスリーブフェイスを見て、この本の出版にかなり乗り気だったニューヨークのアーティザン・ブックスという個人経営の出版者と引き合わせてくれたんです。完成品は本当に素晴らしい出来ですよ!私ももう何度もこの本の写真を見ていますが、ページをめくるたびに今でも新しい発見が耐えないんです。

50セントのエージェントですか!聞けば聞くほどすごい話ですね!でもアートワークを作ったアーティストやデザイナーから苦情を寄せられることはないのですか?
たくさんの感謝はあれど、苦情を言ってきた人はいませんね。表紙にも、デヴィッド・ボウイのかなり好意的な引用が掲載されていますが、それだけで生涯の目標が叶ったような気分です。問題は、私がレコードスリーブを顔の前に掲げて、ボウイに賛同されたいという目標を持ったことはないだけで。彼は何でもありの人間ですから、もちろんスリーブフェイスの完璧な支持者です。背表紙にはニュー・オーダーのスティーブン・モリスの言葉が引用されています。他にもイレイジャーのアンディ・ベル、プロデューサーのアーサー・ベーカー、KLFのビル・ドラモンド、それにアダム・アントからもメッセージをいただいています。
このソーシャル・ネットワーク的なムーブメントは、今ではもうかなり広がっているようですね。スリーブフェイス・パーティーではどういったことをされているのですか?
集団スリーブフェイシングはやったことがありますよ!でも大抵の場合は、激しいファンクやレゲエを大音量でかけて踊りまくる間に写真家の友達が写真を撮るという、おなじみのことをやっているだけです。スリーブの後ろに隠れている顔と直に会えるのも良いことですね。
最後に、スリーブフェイスの今後のご予定は?
それは皆さん次第ですよ。レコード棚にどんなものがあるのか。新しい発想の余地は、それこそ山のようにありますからね!
カールさん、どうもありがとうございました。読者の皆さんもユーモアを発揮して、スリーブフェイスに挑戦してみてください!それから本日お伝えした最高の新刊とスリーブフェイスのウェブサイト、そして彼らのFlickrグループも是非見てみてくださいね!
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Funny!!
Posted by: coco @ 11月25日2008年