
先週に引き続き、今週も6月中旬から下旬にかけてロンドンで行われたアートスクールの卒業展示を大特集!展示の様子を沢山の写真でご紹介していきます。留学を検討している皆さんは、ぜひ参考にしてみて下さいね。本日は、キャンバーウェル・カレッジ、ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート、そしてニュー・ブラッドの様子をご紹介します!
作:チエミ
キャンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツ
ロンドンの中心街から少し離れた場所にあるキャンバーウェル・カレッジは、先週ご紹介したセント・マーチンや、チェルシー・カレッジ同様に、6つのカレッジからなるロンドン芸術大学のひとつ。生徒の多くは、この辺りにアパートを借りて生活しているそうで、学校が地元と密着した存在であることが伺える。

会場となったペッカム・ロード校舎の前。

人でいっぱいのイラストレーション科の展示。
一般公開前のプライベートビューだったこの日は、卒業生と来場客で大賑わい!その中でも特に印象的だったのは、現在最も注目を集めているというイラストレーション科。以下の写真を見てもらえれば、学生達がいかに楽しんで、そして遊び心を持って制作しているかが分かるはず!

シンプルなイラストを沢山集めて展示した、ジェニー・ホブソンの作品は見ているだけで楽しくなってくる!

日本人学生、タケトミ・ナオコのちょっとエッチな立体作品。

イラストは紙の上だけじゃない!シャツに刺繍された作品。

会場内の雰囲気を明るくしていた巨大な人形。


遊び心たっぷりの、カミラ・キャサリン・イーストンの作品。

顔がないことで想像を掻き立てる作品は、アリス・マリー・ノウルデンによるもの。

仮装して校内を徘徊する上機嫌の生徒達をキャッチ。卒業おめでとう!

プライベートビューの後、一軒のパブに集まる来場者や学生達。まるでライブ会場のよう!
ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション
「エレファント&キャッスル」(象とお城)という奇妙な名前の駅近くに位置するロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション。キャンバーウェル同様、こちらもロンドン芸術大学のひとつ。以前は、ロンドン・カレッジ・オブ・プリンティング(LCP)という名前だったので、この新しい名前に馴染みのない人も多いかも。こちらの学校は、その名の通り、コミュニケーションについての考え方や、イメージの伝達方法についてなどを、一線で活躍するクリエイターを含めた講師達が、丁寧に指導してくれることでも知られている。

校舎の前。写真では小さく見えるが、学生数は約9000人!

ガラス窓に描かれた展示のタイトル。展示期間は約3週間。
今回立ち寄ったグラフィック&メディアデザイン科の展示が行われたのは、こちらの本校舎。駅を降りると地下道で熱心に撮影する学生の姿などが見られ微笑ましい。しかし、会場に入るといきなり天井から男物のパンツがぶら下がっていたりと、キャンバーウェル・カレッジと負けず劣らずの遊び心溢れる作品が勢揃い!

奥の方では男物のパンツがぶら下がっている。天井が驚くほど高い!

手作りのカラフルな勲章を作品にしたのは、アレキサンダー・スミス。

完成度の高い人形は、エマ・スウィンホウによるもの。このすぐ下には絵本も展示されていた。

独得な世界をイラストと立体作品で描き出したエミリー・ウッダードの作品。

日本のキャラクターの匂いがする、セイフ・アルハサニの作品。

ちょっと違うアプローチでひと目を引いたのは、ジョン・ステイスの光を使った作品。


マトリョーシカのようなオブジェは、フレイア・ハリソンの作品。描かれたモンスターが可愛い!

グッド・アイデア!紙を折って綴られたテキストは、残念ながら作者不明。

色の組み合わせも形も美しい、ルイーズ・マテルによるポスター。

シンプル・イズ・ベスト!リネア・マーレンは、キャンバスから垂れたアイスがベンチにも。
ロイヤル・カレッジ・オブ・アート
以前、PingMagでもご紹介したデザイニング・プロダクト科プラットフォーム11が所属するロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)。美大の頂点とも呼ばれるRCAの卒業生達のサマー・ショーは、一体どんなものなのか…。

プライベートビューのチケットはなかなか手に入れられないそうで、まるでライブ会場のように招待状を譲ってくれる人を探す若者の姿もチラホラ‥。そんな中、なんとか潜り込んだ私達の目に飛び込んで来たのは、ハリウッド映画のプレミア上映かと思わせるようなきらびやかな雰囲気!そして、目も眩むような素晴らしい作品の数々!以前のインタビューで講師のノアム・トラン氏も述べていたように、すでに違う大学を卒業している生徒や、社会での実経験を持って入学する生徒が殆どなので、作品の完成度はプロと同等、またはそれ以上。しかし、残念ながら会場内に展示された作品は撮影禁止(盗作防止という噂も…)。今回は一部の生徒の皆さんのご好意で撮影させてもらった数点でその様子を察して頂きたい。

満員の会場は、生徒達やその家族、クリエイティブ業界人でいっぱい!

作品を実際に触る来場客。プライベートビューは生徒達とのコミュニケーションも楽しみのひとつ。作品は、ギリシャ人のプライドを測定出来る、デメトリオス・カルゴティスの「ドクター・ゾルバス」。

ダッシュ・マクドナルド「イマジン・ビーイング・ア・ワールド・リーダー」は、子供達が世界の指導者となって演説したらどうなるかを映像化した作品。

バーチャル世界のアバターのように実空間の自分自身を眺めることが出来るマーク・オーウェンズの「アバター・マシン」。

会場で飛ぶように売れていたRCAの本。卒業生の作品、作品の解説、連絡先、ウェブサイトのURLなどが掲載されている。
番外編:学生とプロの交流の場「ニューブラッド」
今年度は150校以上が参加したD&AD主催の「ニューブラッド」。各学校が小さなブースを持ち、作品を展示するというスタイルのこちらは、単なる学生展ではなく、学生達と業界のプロ達がコミュニケーションできるチャンスを提供する2日間のイベント。

会場となったロンドンの南西部にある、アールズ・コート。© Christine Donnier-Valentin

混雑する会場。© Christine Donnier-Valentin

今年、イラストレーション科が大好評だった、キングストン大学のブース。

誇らしげに貼られた「ベスト・ニュー・ブラッド」のマーク。
この期間、学生達は普段あまり接する機会のない一線で活躍する業界のプロ達に作品を見てもらい、貴重な意見や感想をダイレクトに聞くことができる。もちろん、自分に合った企業を探り、アプローチすることも可能。逆に業界関係者は、丹念にブースめぐりをし、彼らと交流を図ることで、いち早く才能あふれる次世代クリエイターを探し出すことができる、という両者にとって非常に有益なイベント。

真剣に学生達の作品を見る業界のプロ。© Christine Donnier-Valentin

お互いに貴重な機会であることは間違いない!© Christine Donnier-Valentin
ちなみに、今年はキングストン大学のイラストレーション科、レイベンズボーン・カレッジ・オブ・デザイン・アンド・コミュニケーションのムービング・イメージ科、バッキンガムシャー・ニュー・ユニバーシティの全科などが好評だったよう。ニューブラッドは毎年行われる予定なので、ぜひイギリスの美大に通う皆さんは来年足を運んでみて欲しい。

「100% グラフィックデザイン・ソリューション」と書かれた展示物。真ん中に置かれているのは缶バッチ。

光を使ったサインをブース前に置いて目立っていた、University College for the Creative Arts at Epson。


書かれた文字が読める?ラサールのオイゲン・プアの作品。
皆さんが通った美大の卒展は、ロンドンの卒展のように楽しい雰囲気に包まれていたでしょうか?卒業生の皆さん、本当におめでとうございました!読者の皆さんもぜひ、ご近所の美大の卒展を覗いてみて下さいね。
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