ロンドン卒展2008パート1:明日のトップ・クリエイターは誰だ?

2008年7月16日 カテゴリー: イベント/展示会, インターナショナル, グラフィック

ロンドン卒展2008パート1:明日のトップ・クリエイターは誰だ?

日本から遠く離れたイギリスで出会った素敵なオリエンタル柄のテキスタイル!東ロンドンで行われた欧州最大の学生展「フリー・レンジ」で展示されたラフバラー大学、テキスタイル科のジェマ・ライアンの作品。

9月から新学期が始まるイギリスでは、6月は卒業シーズン。この時期は、多くの美大が卒業生達による展示を行い、ロンドン市内も学生展ラッシュ!才能溢れるデザイナーやアーティストをいち早く見つけようと、週末にもなるとこれらの展示には多くの業界関係者がこぞって足を運ぶ。そこで、私達PingMagは、日本とはまた違う卒展の様子を調査しに早速ロンドンまでひとっ飛び!今回は、6月中旬から下旬にかけて行われたアートスクールの学生展を、2週に渡って皆さんと一緒に駆け足で巡ってみたい。

作:チエミ

イギリス中のアートスクールが集合!「フリー・レンジ」

ファッショナブルな若者が集まることでも知られる東ロンドン、ブリック・レーンのザ・オールド・トルーマン・ブルーワリーでは、5月末から7月末までの8週間に渡って、イギリス全土から45校、3000人以上が参加する欧州最大の学生展「フリー・レンジ」が行われている。ちなみにフリー・レンジの意味は「放し飼い」。自由な発想から生まれた素晴らしい作品と出会えることに期待せずにはいられない!


会場となったトルーマン・ブルーワリー。煙突が灰色の空にそびえる。

ブリック・レーン界隈に貼られていたフリー・レンジのポスター。

毎週、展示内容が変わるフリー・レンジでは、6月の2、3週目はフォトグラフィー、4週目にはファインアートとテキスタイルの展示が開催された。各週、7〜9校が参加している為、たった一週でも展示されている作品数はかなりのもの。


40万平方フィートにも及ぶ広大な展示会場のごく一部。こちらはフォトグラフィーの週。

窓際に置かれた学生達の名刺。来場者は気に入った学生の連絡先を持ち帰る。

バース・スパ大学、ファインアート科を今年卒業したソフィー・ルイスの作品「タンポンの入れ方」。

オックスフォード・ブルックス大学、ルイ・マディマンの「イナフ」。

あまりの作品数の多さに、小1時間も見ていると何がなんだか分からなくなってくるが、そんな中でも今回最も印象に残ったのは、5週目に行われた、イギリス中部のレスター州、ラフバラー大学のテキスタル科の展示。会場内は残念ながら撮影禁止だったが、そこは一歩足を踏み入れるとまるで美しい花が咲き乱れる庭園のようだった…!


画像提供に協力してくれた、ラフバラー大学、テキスタイル科のジェマ・ライアンの作品。

オリエンタルな素材をモチーフにしているのに、仕上がりはヨーロッパ風。

フリーレンジの最終週は、今月18日(金)から20日(日)まで開催。展示内容もグラフィック、アート、プロダクトなど様々になる予定なので、まだ足を運んでいない方はお早めに!

セントラル・セント・マーチン

6つのカレッジからなるロンドン芸術大学のひとつでもあるセント・マーチン。ファッション科やグラフィック科などに定評のあるこの学校は、これまでに国際的に活躍する個性的なデザイナーを数多く輩出してきた名門校だ。今回は、OXOタワーで行われたグラフィック科の展示にお邪魔してみた。


グラフィック科の展示会場、OXOタワー前。

山積みにされ卒業生の作品集。

今年卒業したグラフィック科の学生達。出身国は様々。

展示を覗いてまず気づいたのは、その内容の幅広さ。展示物は「グラフィック」という言葉に囚われることなく、平面から立体、印刷物から映像、イラストレーションからファッション…と、実に様々だ。


最も記憶に残った作品のひとつ。今年の卒業生、ダニエル・ギルのアニメーション作品。

作品に使用された人形は、プロ並みの出来映え…。

窓辺に飾られたフワフワとしたタイポグラフィーのオブジェ。可愛い!

名刺代わりのカードにも様々な工夫が。

メンメンによる繊細なタイポグラフィーの作品。

ローズ・クラークによる遊び心溢れる作品、その名も「プレイ・スーツ」。雲はフェルトで出来ている。

賑わう会場。

どの人も熱心に作品を見ている。

印象としては、とにかく「自由」の一言!一部、作品の完成度に大きな差があったものの、数多くの個性的な作品に出会えたことは間違いない。

チェルシー・カレッジ・オブ・アート&デザイン

セント・マーティン同様、ロンドン芸術大学のひとつであるチェルシー・カレッジは、2005年にテート・ギャラリーのすぐ隣という、学生達には最高の立地に移転。そして、2008年の学生展は、まるでハリーポッターのワンシーンかと思うような、この趣きのある校内で行われた。


まずはこの素敵な校内から…。

階段の手すりひとつにも風格が。

一番最初に訪れたインテリア&空間デザイン科の展示は、その校舎と反対に非常に近未来的。もちろん、完成度も驚く程高く、展示室に置かれた模型は、まるでザハ・ハディードかオスカー・ニーマイヤーのものかと思わせるほど。


展示室の様子。

美しくまとめられたプロジェクトの過程がまた素晴らしい!

グラフィックデザイン&コミュニケーション科の展示タイトルは「レス・オーディナリー」。

グラフィックデザイン&コミュニケーション科、ジェット・シン・ランドハワの作品。

チェルシーと言えば、やはり注目はファイン・アート科。これまでに、ターナー賞受賞者のクリス・オフィリ、ジリアン・ウェアリングなど、超一流のアーティスト達がこの巣から飛び立っている。近い将来、この卒業生達の中からターナー賞受賞者が出ても全く不思議ではないのだ。


展示会場の前のカード。BAは、Bachelor of Arts(文学士号)の略。

暗闇で光る矢印のオブジェは、マックス・フィールデンの作品。

黒いインクの上に白い石膏の固まりがのった、ベラ・シシュコフスカの作品。

インパクト大の作品、イスラミヤ・スカー「アイ・ネバー・ラーン・マイ・レッスン」はモーターで回るようになっている。

見ていると吸い込まれそうになってくる、ダミアン・カールスのペインティング。

日本人学生も奮闘中!モリタ・ユウコの作品。

全作品を見られなかった展示だったが、生徒達が非常に真剣に、そして情熱を持って制作に取り組んでいる様子がうかがえた。紹介しきれなかったチャルシー・カレッジの生徒達の作品はコチラで!

今年卒業した皆さん、おめでとうございました!第二弾は、来週水曜日にお届けする予定です!

1 コメント

  1. [...] – ロンドン卒展2008パート1:明日のトップ・クリエイターは誰だ? [Link] Bartlett Summer Show 2008 (yousakana no makimono) [Link] Royal Academy Home – Royal Academy [...]

    Posted by: 魯祐の巻物 | yousakana no makimono - Summer Show 2008 at London – ロンドン 卒業制作展 2008 @ 3月4日2010年

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