
「サテリテ」の愛称で知られているサローネ・サテリテは、毎年イタリアのミラノ市で開催される国際家具見本市(ミラノサローネ)の中で、若手デザイナーの登竜門として機能している。今年の4月で11年目を迎えたこの展示は、世界中のメディア、家具や照明メーカーの責任者、有名デザイナーが立ち寄ることでも有名で、ここから製品化したものは数知れない。よってヨーロッパだけでなく、世界中から若いデザイナーがこの展示のために集まってくる。日本からの参加者は年々増加傾向で、今年は159ブース中19ブース。私はそのうちの1人として初めて参加した。今日は、出品者という立場から見た「サテリテ」を、皆さんにレポートしたいと思う。
作:芦沢啓治
出品料は2300ユーロ、日本円で約37万円。その他に、プロトタイプ代、ホテル代、輸送費…と出品者の負担は大きい。この投資をとりもどすべく、6日間、朝9時から夕方6時半まで会場に張り付くのは、なかなかの苦行だ。しかし、そうした緊張感がサテリテの良さでもある。来場者、メーカーにとっては、デザイナー本人がブースに立っているから、作品のコンセプトを直接聞くことができるし、実際にその場で交渉も行われる。

サローネ国際家具見本市の入口。

ブースが並ぶ会場内。

初日と二日目は、デザイン・リポート賞が決定する最も重要な日。これは、全出展者の中で、どのブース、あるいはデザインが面白いかを審査するもの。私の正面にブースを構えていたスイスのデザイナーズ・グループ、ポストフォッシルが最優秀賞を獲得。隣のブースのドイツのディング3000、フィンランドのカンパニー、日本からは フーニオデザインが優秀賞を受賞した。


ポストフォッシルの「ファースト・ライト」。

分銅の重りによって、約数分照明が点灯するポストフォッシルの「スポーツファニチャー」は、ぶら下がって体を鍛えることもできる。


この賞を逃した多くの出品者は落胆しつつも、次なる目標(=メーカーとの契約)へと邁進する。そして、誰がメーカーに声をかけられたとか、何とかという家具メーカーの社長が歩いていたとかいう噂も流れ始めるのが、開催の3日目頃。


終盤戦ともなると、皆疲れからか逆にリラックス・ムード。ここまでの苦労を共有しているためか、デザイナー同士が交流を図るようになってくる。他のブースを見学するのもこのタイミングだ。5ブース合同の夕食会では、各国のデザイン、ビジネス事情、作品についてのコンセプトを交換しながら、それぞれの収穫について聞いてみた。1人のデザイナーは「来年へのいいステップになった」と答えた。サテリテは3回出品が可能なため、賞を逃したり、メーカーからのコンタクトが無くても、デザイナー達は来年を見据えて行動する。


展示会後は、メーカーやメディアとのやり取りが始まる重要な期間だ。日本のデザイナーは、顔を合わせられるうちに、出来る限りの交渉をしておきたいところ。私の場合、なんとか約束を取り付け、出国前日にメーカーとの再交渉の場を設けてもらうことが出来た。これがなければ、進展はなかったかもしれない。





サローネ・サテリテは、参加することによって、デザイナーに必要な様々なことを学べる場所。チャンスがあれば、ぜひ皆さんにも一度出品することをオススメしたい。
1 コメント
ウェブマガジン「PingMag」及び、姉妹サイト「PingMag MAKE」は、2008年12月31日をもって休刊いたしました。これまで応援して下さった世界中の皆様、またご協力頂いた皆様に、心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。
PingMagの姉妹版、日本のモノづくり情報を世界に発信中!
PingMagから大切なお知らせ
2008年12月31日
板谷龍一郎:色鮮やかでユーモア溢れる世界
2008年12月29日
マギボン:YouTube発のネットアイドル
2008年12月26日
ベネデッタ・ボッロメティ:たくさんの元気をくれる不思議な絵
2008年12月24日
中銀カプセルタワービル:未来の建築
2008年12月22日
花村えい子:キュートでポップな60年代の少女マンガ
2008年12月19日
日本のハイテクトイレ事情
2008年12月17日
アミューズメント:アートやファッションと融合するゲーム文化
2008年12月15日
HIROCOLEDGE:現代に溶け込む新たな伝統
2008年12月12日
瀬戸正人:ビンラン売りの甘い誘惑
2008年12月10日


















süper site buyrun sızde
Posted by: goruntulu sohbet @ 7月22日2011年