デザイナーから見たサローネ・サテリテ2008

2008年5月26日 カテゴリー: イベント/展示会, インターナショナル, プロダクト

デザイナーから見たサローネ・サテリテ2008

4月16日から21日までイタリアのミラノで行われた「サローネ・サテリテ」の会場、新フィエラ・ミラノ。

「サテリテ」の愛称で知られているサローネ・サテリテは、毎年イタリアのミラノ市で開催される国際家具見本市(ミラノサローネ)の中で、若手デザイナーの登竜門として機能している。今年の4月で11年目を迎えたこの展示は、世界中のメディア、家具や照明メーカーの責任者、有名デザイナーが立ち寄ることでも有名で、ここから製品化したものは数知れない。よってヨーロッパだけでなく、世界中から若いデザイナーがこの展示のために集まってくる。日本からの参加者は年々増加傾向で、今年は159ブース中19ブース。私はそのうちの1人として初めて参加した。今日は、出品者という立場から見た「サテリテ」を、皆さんにレポートしたいと思う。

作:芦沢啓治

出品料は2300ユーロ、日本円で約37万円。その他に、プロトタイプ代、ホテル代、輸送費…と出品者の負担は大きい。この投資をとりもどすべく、6日間、朝9時から夕方6時半まで会場に張り付くのは、なかなかの苦行だ。しかし、そうした緊張感がサテリテの良さでもある。来場者、メーカーにとっては、デザイナー本人がブースに立っているから、作品のコンセプトを直接聞くことができるし、実際にその場で交渉も行われる。


サローネ国際家具見本市の入口。

ブースが並ぶ会場内。

洗練された会場の一角。

初日と二日目は、デザイン・リポート賞が決定する最も重要な日。これは、全出展者の中で、どのブース、あるいはデザインが面白いかを審査するもの。私の正面にブースを構えていたスイスのデザイナーズ・グループ、ポストフォッシルが最優秀賞を獲得。隣のブースのドイツのディング3000、フィンランドのカンパニー、日本からは フーニオデザインが優秀賞を受賞した。

デザイン・リポート賞の最優秀賞を獲得したポストフォッシルのブース。

ポストフォッシルの「ファースト・ライト」。

分銅の重りによって、約数分照明が点灯するポストフォッシルの「スポーツファニチャー」は、ぶら下がって体を鍛えることもできる。

優秀賞を受賞したディング3000の「アニマル・テイルズ」!会場構成も、プロダクトも非常にユニークだった。(Photo: Philipp Nemenz)

日本のフーニオデザインも、優秀賞を受賞。© 淺川敏

この賞を逃した多くの出品者は落胆しつつも、次なる目標(=メーカーとの契約)へと邁進する。そして、誰がメーカーに声をかけられたとか、何とかという家具メーカーの社長が歩いていたとかいう噂も流れ始めるのが、開催の3日目頃。


マルコ・デッシー・インダストリアル・デザインの「ウドン」と名付けられたこの椅子は、メーカーから声をかけらていた。

小林幹也デザイン事務所の「ブリオ」。こちらもいくつかのメーカーから声をかけられた椅子。

PingMagでも紹介されたことのあるVintaには、ソファーを商品化しないかと相談が来た。その場でビジネスに繋がっていくことが、サテリテの大きな魅力のひとつ。

日本のGIBAの前回の出品作は、すでに商品化済み。

終盤戦ともなると、皆疲れからか逆にリラックス・ムード。ここまでの苦労を共有しているためか、デザイナー同士が交流を図るようになってくる。他のブースを見学するのもこのタイミングだ。5ブース合同の夕食会では、各国のデザイン、ビジネス事情、作品についてのコンセプトを交換しながら、それぞれの収穫について聞いてみた。1人のデザイナーは「来年へのいいステップになった」と答えた。サテリテは3回出品が可能なため、賞を逃したり、メーカーからのコンタクトが無くても、デザイナー達は来年を見据えて行動する。


今年が3回目、つまり最後の参加となる美船デザインスタジオの「HONOKA」。美船さんは、ちょっと残念そう。

VOWの「カンバニュラ」。ユニークで、機能的なデザイン。

マリオベリーニら、デザイナー達のトークショーも開催された。

和やかなムードの夕食会。当然、ピザとスパゲッティー!

展示会後は、メーカーやメディアとのやり取りが始まる重要な期間だ。日本のデザイナーは、顔を合わせられるうちに、出来る限りの交渉をしておきたいところ。私の場合、なんとか約束を取り付け、出国前日にメーカーとの再交渉の場を設けてもらうことが出来た。これがなければ、進展はなかったかもしれない。

新見デザイン事務所による、ジッパーで組み上がるソファーと照明器具。

キャンディホイッスルの「スティックス・シェルビング」。繊細な材料を上手に使った組み立て式の棚。

オンサイト・スタジオの工業的なチューブによる構築物。

B.dnbデザイン・スタジオの「ウッデンレッグス」はスツールの裏側がライトになっている。

日本のShigeichiro Studioは、デザイン・リポート賞にノミネート。

同じく日本のリーフデザインパークは、子供用の家具にフォーカスを当てたプロトタイプを出品した。

イン・デザインも、デザイン・リポート賞にノミネート。

芦沢啓治こと、私の出品作。0.5mmの鉄板の自重と、電球の重さによって作られた形態による照明。(Photo: Takumi Ota)

陽の光をたっぷり浴びた屋外のスペース。

サローネ・サテリテは、参加することによって、デザイナーに必要な様々なことを学べる場所。チャンスがあれば、ぜひ皆さんにも一度出品することをオススメしたい。

1 コメント

  1. süper site buyrun sızde

    Posted by: goruntulu sohbet @ 7月22日2011年

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