
100円玉を入れてガチャガチャとレバーを回すと、小さなカプセルがコロリと落ちて来る。カプセルトイを手にする時のあの独特なワクワク感は、大人になった今でも変わらない。そして、最近ではその種類もアニメ・キャラクターだけでなく、昆虫の模型やデッサン用のミニ石膏像など、子供から大人までが楽しめるものが勢揃い!今日のPingMagでは、世界37ヶ国で何百種類ものカプセルトイを販売する株式会社Yujin(ユージン)の商品企画部より、小野尾勝彦さん、有賀美紗代さん、石﨑千広さんの3人にお話を伺った。
作:リョウコ
まず、Yujinについて簡単にご紹介して頂けますか?
有賀さん:Yujinは1988年に、玩具会社のタカラトミーの子会社として設立されました。当時はガチャガチャの他に、お菓子とオモチャが一緒になっている玩菓(がんか)や、UFOキャッチャーの景品、プリクラなど、色々なものを手掛けてきました。しかし、カプセルトイはその中でも異常なほど人気がありましたので、もっと力を入れようということになり、カプセルトイを専門に製造販売するようになったのです。

毎月、25、6種類もの新しいカプセルトイを発売されていると伺いましたが、商品のデザインはどのようにして決まるのでしょうか?
小野尾さん:1商品を商品化するまで、少なくとも4、5ヶ月くらいは掛かります。まず月に一度、商品企画部のスタッフ達が各自でまとめたアイデアを4、5案ずつほど提案し、その中から商品化にふさわしい案を選びます。その後、デザイン会社にそれら案のデザインを委託し、上がってきたデザインを私達でディレクションして、製作の段階へと進みます。翌月、翌々月分の商品案も同時進行していますので、かなりの数を回し続けているんですよ。


商品化までには色々とご苦労もあるかと思いますが、いかがでしょう?
有賀さん:アニメキャラクターなどではなく、スタッフが独自で考えた案は、商品化させるのが凄く大変なんです。例えばこちらの「石膏デッサン入門」は、東京芸術大学の生徒さんに原型を彫ってもらうなどの協力を得て、1年かけて出来たものです。このような案は、形として成り立つということを証明できなければなりません。社内的なステップを終えたとしても、製作段階で形が歪んでいたり、質感が上手く出ていなかったりなど、色々とつまづいたりすることが多いんですよ。

カプセルトイを商品化するにおいて、重要な要素とは何でしょうか?
小野尾さん:デザインはもちろんですが、自分達が楽しくないと商品にも魂が宿らないので、人には伝わりにくいような気がします。実際に、単にプロダクトアウトした商品はあまり長続きしないんです。しかし、スタッフが考えて生まれた商品は、最初は批判されたりしながらも、最終的には生き残っているんですよね。

うちのおくすりシリーズ「浅田飴」は、携帯ストラップに。実はおみくじにもなっている!

びっくりおやさいストラップ「おいもっこり」。時々世の中を賑わしている奇妙な野菜もカプセルトイに…。

こちらは「タベタラキケン!やっぱり毒キノコ」。このユニークなネーミングも企画を担当したスタッフが考え出すそうだ。
もう一つは、作り手が商品化するものの世界観を熟知していること。テレビアニメのキャラクターしかり、昆虫、ゲームなど、その分野において興味のある人が作ったほうが、全てに於いてより深いものに仕上ると思うんです。原色図鑑シリーズの「原色日本昆虫図鑑」を担当したスタッフは、標本を参考にしていたのですが、蜂の標本を手に入れるため、わざわざ沖縄から取り寄せたり、実際に網とカゴを持って、昆虫採集に行っていましたよ(笑)。

宇宙、植物、動物などの自然分野をテーマにしている原色図鑑シリーズの「原色日本昆虫図鑑」。

同じく「原色観賞魚図鑑」シリーズより。立体化された魚は、色々な角度から見ることができて面白い!


人体解剖図鑑から「歯列発育順序模型」。この模型はもちろん…

歯茎の部分が取り外し可能!歯医者さんは、この模型を使って治療内容などを患者さんに説明するらしい。マニア向け。
最近のトイカプセルは子供だけでなく大人もターゲットにもしていますが、子供だけを意識する場合、子供心を掴む“秘訣”のようなものはあるのでしょうか…?
小野尾さん:ガチャガチャの歴史はかなり長く続いていますが、子供が好む商品というのは、いつの時代もそれほど変わらないんですよ。子供が好むオモチャには、例えば飛ぶ、光る、音が出るなど、何らか反応を示すものや、触り心地の良いものといった特徴があります。その中でも、虫やうんち、おならなど、大人が嫌うものに、特にグッとくるみたいですね(笑)。ひとつ明らかに分かったことは、この世に存在するものを小さくすると子供達は喜びます。例えばトロフィーや日曜大工の工具など、普段では自分で手に入れられないものです。たぶん、大人への憧れや、自分だけの世界が持てる、というところに喜びを見出しているのではないかなと思います。大人になると、そういう気持ちって忘れてしまいがちですよね。

柔らかな感触が心地よい「うんちスクイーズ」。
石﨑さんは「うんちスクイーズ」の企画を担当されたそうですが、発売後はたちまち子供達を虜にしたそうですね。うんちを握るという面白いアイデアは、どのようなことから生まれたのでしょうか?
石﨑さん:最初は単純に、子供頃のことを思い出したんです。自分が子供だった時、なぜか「うんち」や「おなら」を言葉にするのが、凄く楽しかったなと思って…。
子供達は、何が出てくるのか分からないのに、お金を入れてガチャガチャを買いますよね。何がそうさせているのかということを考えてみると、そこに想像力が働くからではないかと思うんです。例えば先程の「おなら爆弾」の場合、「おなら」という言葉から、子供達は自分がおならをすることをワクワクしながら想像する。そのワクワクが、ガチャガチャに魅力を感じることの一つに繋がっていると思うんです。また、子供達の知識は大人に比べると遥かに浅いですが、子供達はその少ない情報だけで、大きな世界を描くことが出来るんですよ。そういうことを踏まえて、この商品は出来ました。


では、今まで一番人気のあったカプセルトイを見せて頂けますか?
有賀さん:こちらは、1989年に大ヒットした「こむしちゃんの缶詰」という缶詰の中に虫が入ったオモチャです。以来、毎年7月に新しいシリーズを発売していて、今年は消しゴムのカブトムシとクワガタムシになる予定です。サプライズとして金・銀メッキのタイプもありますが、それらは数が少ないので当たった人はラッキーなんですよ。
なぜこの商品がヒットしたと思われますか?
有賀さん:やはり子供にとって虫というのはかなり神秘的な生き物なんですよね。大人でも、子供の頃を思い出して、懐かしくなって買われる方も多いんですよ。

最近では、「タイムカプセル・アート・カプセルトイ・プロジェクト」という活動もされていますが、それは一体どのようなものなのでしょうか?
「タイムカプセル・アート・カプセルトイ・プロジェクト」は、カプセルトイを単にオモチャとして見るのではなく、アートとして捉えるという試みから始まったプロジェクトです。国内外のアーティストとのコラボレーションによる作品を、皆さんに楽しんで頂くと同時に、これまでのカプセルトイのイメージを覆していけたらと考えています。

それでは最後に、これから挑戦していきたいことを教えていただけますか?
小野尾さん:ひと昔前は駄菓子屋さんが沢山ありましたよね。子供達はそこでお店のお婆ちゃんと話したり、叱られたりしていました。学校以外のところで大人と接するそのような場所は、子供達の成長にとても大切だと思うんです。しかし残念なことに、今ではそのような場所が減りつつあります。ですので、今後はカプセルトイを通して、大人と子供が一緒に参加出来るイベントを開くなどして、子供達が大人と接する場所をもっと作っていきたいなと思っています。今では世界各国にカプセルトイが普及しているので、日本だけでなく世界中の子供達にももっと楽しい事をどんどん紹介していきたいですね。

Yujinの皆さん、お話を聞かせて頂いてありがとうございました。これからも沢山の人々を楽しませ下さいね!
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シリーズものは収集したくなりますね。
中身を取り出した後のカプセルが、どうなるのか
とても気になる。
大きなガチャポンTVで見たことある。
Posted by: 山本 @ 5月10日2008年