
先週の東京は刺激的な現代アートに満たされた4日間に沸き立った!秋葉原にある廃校の体育館を会場に開催された第一回目の101Tokyoコンテンポラリーアートフェアは、14の日本のギャラリーと14の海外のギャラリーがそれぞれのアーティスト陣を紹介するというユニークなイベント。おかげでPingMagオールスターも新しい発見を前にして忙しく飛び回ることに…!それに加えて、ブルームバーグのレクチャー、アートトーク、数々のパフォーマンスや夜毎のパーティも目白押し。本日のPingMagでは、惜しくも参加できなかった方々のためのちょっとしたビジュアル的なまとめをお送りします。ベスト・オブ・101Tokyoコンテンポラリー・アートフェア2008を、お楽しみください!
作:PingMagオールスター
満員の会場を湧かせた「食」のパフォーマンス
まずは、開催日の前日、4月2日(水)に行われたオープニング・パーティの様子から!昨年1月、PingMagでも紹介したFood Creationは、単に味わうだけでなく、視覚的にも食を楽しませてくれるフード・アーティスト。今回、そんなFood Creationが提供してくれたのは、ヒゲをつけた女性や妊娠した男性が繰り広げる、なんとも妖しげなパフォーマンス「とまどいのメニュー」。目だけでなく、舌でもその食感を楽しもうというコンセプトで準備されたフードは、あっという間に人々の口の中へと消えていった…。


配られたフードは、もちろん…

…全部食べられる!
アートとユーモアの融合
山口県出身の渡辺おさむは、製菓教室講師だった母の影響で、様々なものにケーキのデコレーションを施してきた。今回、@GALLERY TAGBOATから出展されたのは、誰もが知る名作をモチーフにした「ヴィーナス誕生」「円盤投」など。ユーモア溢れる作風には今後も注目したい!

渡辺おさむ「ヴィーナス誕生」。

来場中の他のアーティストからも好評だった渡辺おさむ「円盤投」。
色鮮やかな作品になった人々の思い出
江東区清澄にあるギャラリー「Zenshi」から出展された岸本雅樹の「無題(2008)」。人目を引く色鮮やかなこの作品、よく見てみると、どこかの街の名産品や東京ではあまり見ない物の組み合わせで出来ている。実はこれは、この作家が知人や友人から貰ったお土産、つまり「思い出の断片」を集めて祭ったのだそう。

イモ電池ならぬ、果物電池
イギリス、ニューキャッスルのワークプレイス・ギャラリーから出展された、ジョー・クーペによる「イナフ・ロープ」は、お芋から電気を生み出せるという事実からアイディアを得た作品。目にするとその仕組みを聞かずにはいられなくなるこの作品を作ったジョー・クーペは、101TOKYOに出展したアーティストから1人を選んで授与されるBacon賞ブロンズ像にも選ばれた!
形而上学的空間
不思議な緑の光を湛えたライトボックスで雨続きの東京を啓発してくれたのは、ガレリエ・アレクサンドラサーヘップが紹介するベルリン在住のアーティスト、ハイコ・ブランケンシュタイン。バイエルンのアルプス気分を楽しみたい方にはピッタリな彼の作品は、雪に覆われた山々や跳ね回る鹿たち、そして(むしろ緑の)青空を戴く壮大な景色が細心の注意を払って彫り込まれている。ただし、この感傷的ともいえる映画のようなセッティングは、より都会的な、ロックバンドがアンプに向かってヘッドバンギングするシチュエーションが描かれた立体空間に転写されているのだ。

奇跡の海
東京のフォイル・ギャラリーが紹介するのは、密教学科を卒業し、真言宗の僧侶でもあるという写真家、梶井照陰(かじい・しょういん)の作品。佐渡島の波模様をデジカメで捉え続ける梶井さんが2004年に出した写真集「Nami」は、見る者に潮の香りを感じさせるほどに鮮明な光景を届けてくれる。


極細の線が織り成すアニメ絵
ガッチャマン、ヴァンパイア・ハンターD、それにファイナル・ファンタジー…。これらの作品に関わった天野喜孝(あまの・よしたか)の名前を耳にした人はきっと少なくないはず。このアニメの大御所については今後詳しくお伝えする予定なので、今日はこれくらいで…。香港のアートステイトメンツ・ギャラリーから出展された作品。

101に出展された天野の作品。懐かしのガッチャマン!(資料提供:アートステイトメンツ・ギャラリー、香港)

白鳥(しらとり)のジュン。(資料提供:アートステイトメンツ・ギャラリー、香港)
重ねる幾何学
メルボルンのネオンパーク・ギャラリーから出展したオーストラリア人アーティスト、ヴィヴ・ミラーは、「un Magazine」に抽象的な要素と自然のシナリオを組み合わせる理由と、そこに象徴的な意味合いがあるのか否かについて取材を受けた際にこう答えている。「これはただのモチーフなので象徴的なものではないし、象徴的な意味を持っているように見えるのは、単に偽の手がかりのようなものです。」そんな彼女の作品は、幾層にも重なった幾何学的な模様と物体がかもし出す、心地良い空間的な広がりに彩られていた。

オーストラリア人、ヴィヴ・ミラーの幾層にも重なったオブジェの数々が…。メルボルンのネオンパーク・ギャラリーの展示より。

…空間的な広がり感じさせてくれる。メルボルンのネオンパーク・ギャラリーより。
色鮮やかな立体の世界
スペイン・バルセロナのイグアポップ・ギャラリーから出展されたティム・ビスカップの作品は、女性の身体や顔が、幾何学的な立体で描かれ、その色彩によって生命力を与えられている。南カリフォルニア出身のティム・ビスカップは、アニメーション製作など様々な活動を経て、現在ではファインアート作家として活動中。

色鮮やかなティム・ビスカップの作品。

同じくティム・ビスカップの作品。バルセロナのイグアポップ・ギャラリーより。
今注目すべき、インドアート!
ムンバイとニューヨークにあるザ・ギルドアート・ギャラリーからダイナミックな作品「STV-152」を出展したのは、インド・ケーララ州出身のT.V.サントス。奨学金を受けながら大学で絵画を学んだ彼は、現在、ムンバイを拠点に活動を続けている注目のアーティスト。

見る人を切なくさせる立体作品
広島県出身の大畑伸太郎(おおはた・しんたろう)は、現在埼玉に住み創作活動をしている。今回、YUKARI ART CONTEMPORARYから出展されたのは作品「ひこうき雲」。発泡スチロールや紙で作られた立体作品は、人で溢れかえる会場の一角で独特な空間を作り出していた。

大畑伸太郎「ひこうき雲」。

大畑伸太郎「ひこうき雲」。
ダークな晩餐
1981年イギリス生まれのマヤ・ヒュイットは、現在もロンドンを拠点に精力的に活動を行っている。今回、都内豊島区のMISAKO&ROSENから出展された作品では、人間なら誰しもが持つ、ダークな部分をユニークに描いたヒュイット独特の世界を見ることができる。


同じくマヤ・ヒュイットの作品。

マヤ・ヒュイットの作品。
幻想的に描かれた自然
ニューヨークのATMギャラリーから出展されたのは、アーティスト高木正勝のパートナーとしても知られる高木紗恵子(たかぎ・さえこ)の「untitled 2008」。吸い込まれてしまいそうなほど、透明感ある色彩には思わず目を奪われてしまう。高木氏は、これまでにシェル石油現代美術の準グランプリなど、数々の賞も受賞している。

カプセルトイの工場
旧練成中学校の2階のスペースで行われていたのは、御茶の水美術専門学校と御茶の水美術学院による101Tokyoとの共同プロジェクト「おちゃび展」。今年、御茶の水美術専門学校のデザイン・アート科を卒業したばかりの分野大介(わけの・だいすけ)は、大好きなカプセルトイを使って、夢のあるオモチャ工場を作り上げた。手前に並んだスイッチを入れると、工場の様々な機械がリズミカルに動き出すこの作品は、子供だけでなく、大人までも夢中にさせていた。
会場の雰囲気
最後は、オープニング・パーティーで行われた浜崎健のお茶会パフォーマンスと、最終日に代官山のDe’ Longhi’sで行われたBacon賞授賞式の様子。

独特の茶道のパフォーマンスによる、101Tokyoコンテンポラリー・アートフェアの素晴らしいオープニングと…

…最終日に第一回目となるBacon賞の寄付金を募るジョニー・ウォーカー。
今年が第一回目となる101Tokyoコンテンポラリー・アートフェアの様子、いかがでしたか?今回は見逃してしまった皆さんも、来年はぜひ足を運んでみて下さいね。本日ご紹介した以外の101Tokyoの写真は、いつものようにPingMagのFlickrでご覧頂けます!
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