
イギリス、マレーシア、アイルランドでは上品な学生服が採用されているが、日本では学生服が別の視点で見られているように感じる。なぜ、学生達が水兵やマーチングバンドのリーダーみたいな格好をしているんだろう…?のどかな福島県と東京の中心の公立学校での英語教師の経験から、生徒達がいかに校則を破らず制服をカスタマイズしているかはもちろん、様々な種類の制服があることには驚かされてきた。今回PingMagでご紹介するのは、セーラー服と学ランに焦点を当てたトラディショナルな学生服の流行と日本の学生服がその枠を超えて社会的にポップカルチャーの一部となった事実についてである。
作:マイケル・マホニー
訳:坂井由紀

学生服の歴史
学生服が日本に取り入れられたのは100年以上も前の明治時代。株式会社トンボのユニフォームミュージアムによると、初期の制服としては、正装である着物、その下にシャツそして袴といった組み合わせが文部省(現在の文部科学省)により選定され、学生の認知度を上昇させた。しかし、明治時代後期には日本が西洋のものを受け入れるようになってきたため、初期の袴セットは、黒や濃紺色の「学ラン」と呼ばれる上着とズボンへと入れ替わることになった。

明治時代、作家や学者の家に住み込み勉学に励んだ書生と呼ばれる若者が着用していた制服。(写真:株式会社トンボ ユニフォームミュージアム収蔵品)

完全に過去へタイムスリップ!1872年に学生服として文部省(現在の文部科学省)によって推奨された、袴、シャツ、着物の一式(写真:株式会社トンボ ユニフォームミュージアム収蔵品)
学ランと呼ばれる学生服の上着は明らかにアメリカ軍のユニフォームを真似たものだった。しかしまた、このアメリカ軍のユニフォームも「プロイセン軍士官候補生」のユニフォームを真似たものだったのだ。襟が高く、硬い素材で、真鍮のボタンが襟元までついているデザインはまるで、「マーチングバンドのリーダー・ミーツ・メン・イン・ブラック」と言った感じ…。ダークカラーのズボン、ベルト、靴そして時には平たくて丸い、頭頂部も平らな黒の帽子が揃えば、このアンサンブルの完成形だ。

見慣れた水兵のユニフォーム…(写真提供:スクールショップCONOMi)
福岡県のとある女子校でセーラー服が着用されるようになったのは、1920年のこと。三角形のスカーフとローカットのスカートを一緒に着用するこの制服は、イギリスの海軍ユニフォームを真似て作れられたものだった。どうやら、その当時の校長、エリザベス・リーがイギリスに留学中に海軍ユニフォームを着用していたことに由来するらしい。しかも、その当時のイギリス海軍の力が強固であったことで、このデザインに人気が集まったのは明らかだ。
長年にわたる制服の変化にかかわらず、日本のいたる中学、高校で、制服は基本デザインのままである。しかし、第二次世界大戦後、多くの小学校では制服を着用しなくなった。

制服の役割
生徒達にとって、もちろん制服は学校と自分達を結びつける役割を果たすものであり、日本社会における「学生」という集団アイデンティティーを再度主張するものである。

アクセサリーをつけよう!平凡な洋服もきらきらしたブローチで輝かせることができるのでは?(写真提供:スクールショップ・CONOMi)
フランスの社会学者、ピエール・ブルデューが言ったように、ファッションは「一種の社会的方向感覚(自分の社会的位置を感じる感覚)」を全ての人に与える上で重要だ。さらに学校の制服はそれぞれ異なるため(例えば、スカーフの使い方であったり、黒のズボンをはく、といったような)生徒達は一目で他校の生徒を見分けることができる。
また、サウスイースタン・ルイジアナ大学の研究発表によると、学校内に限られることだが、制服は服装に現れる社会的、そして経済的ステイタスを取り除く役目を果たしているということである。
ここで、制服は生徒から自己表現を取り上げることになるのでは、という議論が持ち上がるかもしれない。しかし、面白いことに、生徒達は制服を通して自分達の態度や習慣行動を表現する方法を見つけ出している。私の働いていた学校を例に挙げると、反抗的で「クール」と言われる男子生徒達はハイネックカラーの上のボタンをはずしていたり、全身真っ黒にならないためにカラフルなベルトをつけていたりした。最新のDJポップアーティストに似せて髪を伸ばしている生徒もいた。

ヘアクリップ。大量オーダーメイド!(写真提供:スクールショップ・CONOMi)
最近の米テレビチャンネルPBSのレポートでも同様に、日本の女子生徒はたびたびカラフルな靴ひもやキラキラしたヘアアクセサリーを使ったり、ファスナーにはキャラクターもののキーホルダーやストラップ、お守りなどをつけていたりしている、と書かれている。特定グループの人達と一体感を持つため、反抗的に膨らんだハイソックスを履いたり、スカートを衝撃的な高さまでたくし上げたりする女子生徒もいる。
別の記述によると、制服は学生にとって「初恋の告白」の象徴的役割を果たしている。中学や高校を卒業する時、女子生徒は好きになった男子生徒のところへ「第2ボタン」をもらいに行く。もしその男子生徒が同じような恋愛感情を持っていた場合、この第2ボタン(自分の心臓に一番近いボタン)を外し、その女子生徒に渡すのだ。

ユニフォーム・ファッショニスタ

上品で優雅な金色の刺繍、KURI-ORIブランドより。(写真提供:スクールショップ・CONOMi)
さらに、ある日本人生徒が話してくれたところによると、家の財産やセンスのよさの象徴とまではいわないが、ファッションに敏感な親や子供にとって制服はファッション表現のひとつとして利用されることが多い。ハナエモリのような国内ブランドが、過去に学生服のラインを立ち上げている一方で、最近ではベネトンのような国際的なブランドも日本市場向けに特化した制服の制作を発表している。
株式会社ハナエモリ・アソシエイツのツクダ・タケシ氏は、自社製品の伝統的で昔ながらのデザインが保護者や学校に気に入られている理由だろうと話している。「ハナエモリのデザインが品のあるもので、流行を走りすぎていないと信じていただいています。これが親御さんへ与える安心感なのです。」と同氏は語る。学校にとっては高品質な制服を採用することで新たに入学する学生を惹きつける手段のひとつともなることもツクダ氏は指摘する。
学生服の枠を超えて
海外から日本を訪れた人なら、その学生服の多さに目を奪われるだろう。漫画、看板、テレビ番組…。安い制服のコピー商品を売る店まで!なぜこんなに人気があるのだろうか?

ひとつの理由としては、長い時間をかけて制服が楽しい学生時代を思い出す「なつかしさの象徴」のひとつになったことが考えられる。仕事に疲れたサラリーマン達は、昔自分が着ていた制服とまったく同じ制服を着ている学生を見かけて、宿題やスポーツの練習に時間を費やしていた楽しくてシンプルだった時を思い出す。
制服が学校の象徴となっているため、有名になった漫画「美少女戦士セーラームーン」、 ゲーム「ペーパーマン」、映画「ウォーターボーイズ」、女子生徒の日常を描いたドラマ「ライフ」ではそれがテーマとして使われている。

竹下通りにある100円ショップで見つけた偽セーラー襟…。
漫画本のキャラクターがユニフォームを身に着けて登場した結果、以前にも紹介したコスプレ愛好家達の多くがお気に入りのキャラクターになるために制服をリメイクしている。この市場に応えるべく、アニメスタイルの制服コスチュームの販売やチャットルームサービス、例えば自分自身のユニフォームの作り方について話し合うことが出来るショップも存在する。
美の象徴
教師として気づくことのひとつとして、生徒、特に女生徒達は「いつも」制服を着ている。週末で学校もないから制服を着る必要がない時にもだ。なぜだろう?

ニューヨークタイムズのある記事では、日本の10代の若者は「ブランド志向社会において、自分達が若いという理由から、人気のあるブランドのひとつであると敏感に感じている」と書かれていた。学生が自分達の若さをひけらかすために制服を着ていることが多いということを暗示しているかのように。
この理論を検証するため、周囲の人たちに少し質問してみることにした。福島県で英語教師をしているモリー・エルジンさんは、福島市内の高校では制服を着ることが義務付けられていないにもかかわらず、市内の女子生徒達が制服を着ていることに気が付いたという。

若さの象徴である制服。(写真提供:スクールショップ・CONOMi)
なぜ制服を着るのかと生徒に訊ねたところ、だって着ているほうが「カワイイ」と思われるから、という答えが返ってきたそうだ。「私達の予想では、制服を着た女生徒のイメージはとても広く行き渡っていて、美の頂点として強調されている。だから、少女達はその理想化された美の標準に適合するよう制服を身に着けたいのではないでしょうか」とエルジンさんは予測する。
その一方で、エルジンさんが働く中学校の生徒達は学校以外でもよく制服を着ていることにも注目している。「でも彼女達にとっては、制服を着たほうが楽、という単なる怠惰な理由だったんです。」と彼女は話した。
原宿のPingMagオフィスのすぐ側にあるユニフォームショップへ出かけた。スクールショップCONOMiの店員、ハタさんの話によると、学生達が週末に制服を着ているのは、課外活動などで学校へ行かなければならないことが多く、その時は適切な格好していなければならないから、だと言う。
今後…
学校が合併され、生徒数が減っていることから、制服販売会社の市場としてはそれほど素晴らしいものには見えない。また株式会社ハナエモリ・アソシエイツのツクダ氏に話は戻るが、「親が育てる子供の数が以前より少なくなったので、親達は子供の制服に喜んでお金を使うようになり、ユニフォームメーカーにとって興味深い販売機会を与えている」と同氏は話している。

親を惹きつけるために、ユニフォームメーカーは制服に面白くて斬新な仕掛けをつけ出している。ツクダ氏はあるユニフォーム販売展示会へ行き、目にした沢山の目新しい装置を思い起こし話してくれた。丈の短いスカートから自動で丈を伸ばしてより控えめな長さにすることができる伸縮性のある留め具が付いた制服のスカートや、金属製の留め具を付けて、低すぎる位置ではかないようにすることができる制服のズボン、シャツの裾やボタンホール付近に学校名の刺繍があるため、シャツの裾を出したり、ボタンを留めないと学校の名前が表に出てきて、生徒達に恥ずかしい思いをさせることができるものなど。少し前には、ある会社が子供の居場所を探るためのGPSを内臓した制服の上着まで作り始めた!

若さの象徴、学生のアイデンティティの印として、制服は日本の学校文化とポップカルチャーに色褪せず残っていくことは間違いなく、確実に社会の変化を乗り越えていくだろう。
スクールショップCONOMiさん、取材にご協力いただき本当にありがとうございました!
3 コメント
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むか〜し、ライブエイドっていうチャリティライブイベントで、U2のボノが詰め襟の学生服でステージに出てきたのを見て「地球の裏側の大イベントで、俺と同じ学ラン着てる?」というデジャブのような違和感があったのを思い出しました。
Posted by: fuku @ 4月2日2008年
親愛なる、
私達は製造業者であり、サッカーのユニフォーム、バスケットボールのユニフォーム、ラグビーの衣類、トラックスーツ、雨スーツの輸出業者は、フード付きの ジャケット、Tシャツ、ポロシャツ、ゴルフワイシャツ、循環の衣類、コオロギを身に着けている&を羊を刈る; 付属品、サッカーボールの& 付属品およびいろいろな種類の手袋。 私は前方私達刺繍または印刷のための設計、サイズ、色、量およびロゴのあなたの条件こと要求する。 私達は印象的見つけることをことを私達が確かめる引用を提供して幸せである。 私達はwww.gamezgear.comで私達の最も最近のオンライン製品カタログを進水させる。 私達はあなたの顧客が私達の高品質プロダクトと非常に幸せであること保証する。 すべての項目はあなたの指定ごとに命令するために作り出される。 私達はあなたのビジネスに成功のあなたと組むことを楽しみにしている。 よろしく、
M. Asghar
CHARRの企業
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Skype: charrind MSN: only.bold@hotmail.com
Posted by: M. Asghar @ 1月14日2009年
色々な情報があり勉強になりました。
ありがとうございました。
Posted by: にし(学生服を縫製しています。) @ 3月26日2009年