
通りに立つ床屋のサイン、「サインポール」。子供の頃、螺旋を描きながらクルクルと回り続ける赤・白・青のストライプの様子が不思議で仕方なかった。しかしこのサインポール、一体いつから存在するのだろう…?今日は、国内の様々なサインポールを見ながら、その種類や歴史について触れてみたい。
作:リョウコ
PingMagが訪れたのは、東京・代々木にある全国理連理容史料館。全国理容生活衛生同業組合連合会(略称:全理連)により開設されたこの史料館には、昔の床屋で使用されていたハサミや椅子など、理容業に関する貴重な資料が所蔵されている。

館内に展示してある昔のサインポール。カワイイ!

史料館では展示していないサインポールも特別に見せて頂いた。
資料によると、サインポールの始まりは、中世のヨーロッパ7、8世紀まで遡る。今では理容師と医師は全く異なる職業だが、当時は散髪と怪我の手当の両方を手掛ける「理髪外科医」と呼ばれる人々がいた。しかし、医学がさほど進歩していなかった当時の治療法は、目を覆いたくなるようなものばかりだった…。

当時、頻繁に行われていた「冩血(しゃけつ)」と呼ばれる治療法では、悪い部分には悪い血が溜まるという考えから、その部分に直接メスが入れられ、切り口から流れ出る血を木の棒を使って受け皿に溜めて出していた。しかし乾いた血が付着した棒は決して見栄えの良いものではなかったため、血が目立たないように棒を赤く塗り、「バーバーサージェン・ポール」という名が付けられた。その時、乾かされていた白い包帯が風になびいてこの赤い棒に巻き付く様子から、紅白のサインポールが徐々に世の中に普及し始めた。

バーバ−サージェン・ポールをモチーフにして作られたサインポール。

1902年のアメリカ・コーケン社のカタログには、ユニークなサインポールが掲載されている。
ところが、当時は理髪外科医以外に専門外科医も存在していた為、双方で同じ紅白のサインポールを用いると見分けがつかなくなる、という問題が生まれた。そこで、かつてヨーロッパで権力のあったイギリス政府は、1745年に外科医はこの棒に赤と白のみ、理容師は赤と白に「青」を加えると法律で定めたのだそう。
しかし今日では、その青についても様々な諸説が存在している。アメリカの星条旗がモデルだという説もあれば、フランスの国旗が由来しているとの説もあるらしい。
昔のサインポール

今でも時々、レトロなサインポールを街で見かけることがあるが、サインポールが日本に伝わって来たのは文明開化の明治。その時にはもう既に機能やデザインは完成されていたそうだ。

スタンドもレトロなサインポール。

昔の形を活かした新しいサインポール。
古いサインポールの特徴は、頭のところに付いている「球」。昔、フランスではヒルで冩血を行うこともあり(!)、そこには常にヒルを入れる為のツボが用意されていたそう。この球は、その時のヒル用のツボを表したものなのだとか…。

どこに置かれていても、人の目を惹く存在。

平らな照明が付いたサインポール。

…こちらは尖ったもの。

クロス模様のサインポール。
現在のサインポール
サインポールの基本のアイディアでは現在でもほとんど同じ。しかし、一般的に知られているスタンドタイプや、壁に取り付けるブラケット、カラフルな光を放つもの、看板と一緒になったものなど、その種類の多さには驚くばかり。

スタンドタイプのサインポール。

ダンスフロアにもどうぞ。


現代的なサインポールは、汐留で発見。

看板に取り付けられたタイプ。


古い床屋さんの店頭に新たに置かれたサインポール。

黒いフレームのサインポール。

おまけ
理容店の窓ガラスや看板などでよく見かけるこのマーク。これは、全国理容生活衛生同業組合の加盟店であることを示すもので、「理容店キャラクターマーク・コンテスト」に寄せられた16,250点の中から、漫画家・松本零士氏とアートディレクターの浅葉克己氏により選定されたそう。その後行われたネーミングの公募では、沢山の応募の中から「チョキちゃん」という名前が選ばれた。

チョキちゃんマークは加盟店の印。

看板にもチョキちゃんのイラスト!
サインポールのデザインも、実はお店によって微妙に異なり、時にはそのお店の歴史の長さをも語っています。皆さんも、ぜひこの機会に見慣れたサインポールをじっくりと観察してみて下さい。そこには、何か新たな発見があるかもしれません!
4 コメント
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昨年の5月に北京で行われたアートフェスティバルに
インスタレーションとして展示しました!
http://www.youtube.com/watch?v=kR2ToA8hBjE
Posted by: yoko @ 3月25日2008年
勉強になりました^^
Posted by: 大阪 京橋 ポールダンス @ 3月31日2008年
[...] Read the original Japanese version at PingMag» « “Midori by Moonlight” Book Review “Vintage Japanese Pillbox Designs” Translation » [...]
Posted by: Kevin Mcgue | “An Animated Ad Pillar In Red And Blue: The Barber’s Pole” Translation @ 4月17日2010年
サインポール:クルクル回る不思議な看板 good post1308
Posted by: air multiplier @ 4月21日2012年