ザ・ゲットー:新大久保のスケーター・カルチャー

2008年1月21日 カテゴリー: ストリート・アート, 国内

ザ・ゲットー:新大久保のスケーター・カルチャー

新大久保の住宅街に佇むグラフィティで覆われたこの建物は、以前はラブホテルとして使用されていた「ザ・ゲットー」!

私が初めて新大久保でザ・ゲットーを見つけた時、その建物は目も眩むような鮮やかな色で覆われていた(Flickr group)。東京のこの地域には、数えきれない程のラブホテルとアジアン・レストラン、そして韓国の星のマークがついた商店がひしめき合っている。とは言え、まさかラブホテルがグラフィティで覆われるスケーター達の溜まり場になるなんて誰も考えつかなかっただろう。詳細にまでこだわったリフォームの後、この場所は1年程前にオープンした。PingMagは、以前ここでラブホテルを所有していた女性の孫にあたるスケーターの大橋“AKO”章彦さんに話を聞きに出かけた。

作:ベレーナ

魚眼レンズを通して見た全体図は、14-2-1によるもの。(画像提供:14-2-1

まずはご自分のことに関して、少し話して頂けますか?

16歳の頃よく友達とSK8して遊んでいました。バンドもその頃から続けてます。昔はハードロック・ヘヴィメタルでしたが、今は「テキサス・アンド・チェインソー」というバンドでギターを弾いてます。興味あることは、ザ・ゲットーで出会えた色々なカルチャーで生きてきた人々の人生観です。

屋外の壁に描かれたZYSによるグラフィティ。

そして、その隣に描かれたSevenによるグラフィティ。

「ザ・ゲットー」はどのようにして始められたのですか?

両親の会社が新大久保のホテルを閉店すると聞き、以前から考えていたザ・ゲットーのアイデアを実現しようと思い、賃貸の契約をしました。祖母ではなく、両親が経営する会社から賃貸契約の上で借りています。


柵も十分にキャンバスになり得る…。ザ・ゲットーの裏庭。こちらはQPによるもの。

入口のそばに並べられたスケートボード。忙しい土曜の夜を待ちわびているよう。

この場所のコンセプトは何でしょうか?

昔の映画などで見られるような、不良がパーティーなどをする会場を意識しました。グラフティーとSK8、ヒップホップやロックをベースにした感じです。

以前のロビーにあったランプを14-2-1が魚眼レンズで写した写真。(画像提供:14-2-1

…スケート・ランプがあって、西海岸のスピリットを持ったお店もあるグラフィティ・ライターのための場所というと今はどこでしょう?

ザ・ゲットーに関わる多くのアーティストが、様々なカルチャーをバックボーンに持っていると思います。中には西に影響されていたり、「MADE IN TOKYO」や「TOKYO IS THE BEST」を強く感じていたり、以前より様々な未来への発信と考えています。


ロビーの中で、スケート・ランプで滑る仲間を見つめる。

ジャンプ!(資料提供:AKO)

ザ・ゲットーという名前はどこから来たのですか?

友人であるMOTOYANに頼みました。彼は「ノー・フューチャー・クルー」という東京のハードコアなバイクチームのリーダでもあります。彼に言わせると、新宿の裏にある多くの韓国料理屋がならぶ新大久保の中で、孤立するようなこの場所をゲットーにする以外思いつかなかったようです。その中でも、さらに特別な場所を意味する「ザ・ゲットー」になりました。後日、来日中のローリング・ストーンズの家族と知り合う機会があり、キース・リチャードがロゴを書いてくれたんですよ。

蛍光色のステンシルはEXTINCTによるもの。ランプの周辺は、最高のストリート・アートで埋め尽くされている。

キース・リチャード!?本当ですか!?このロゴはあちこちに描かれていますよね!では、この建物のリフォームを手伝ってくれたのは一体誰ですか?

家族&友人、そしてゲットーに入るお店の人とその仲間達です。新しい試みに賛同してくれたグラフティ・アーティスト、仲間の職人&大工さんも協力してくれました。

では、あなたとあなたの友人達が今はここに自分達のお店を持っていると…。

友人から始まり、その友人に伝わったり、MIXIの告知に集まってきたりと….。8割は知らない人同士で始まりました。

2階にあるショップ「Scatter Brain」の飾り。

昔のステッカーの自動販売機!

krnpxによって描かれたキャッチーなネオンは、2階の「100ギャラリー」で展示されている。

あなたにとって、このプロジェクトで一番大切なことは何ですか?

何かを始めたり続けていく上で心がけているのは、表現の軸を常に自分にすることです。誰かのマネでなく、自分が経験してきたことを素直に表現すること。何かに片寄ったり、心に曇りが出来れば人生の軸がずれ、自然とこの場所は人の興味から離れてゆくでしょう。ですので、自分の表現への想いが尽きないように生きることがこの場所を持続するために不可欠なことの一つだと思っています。

まだ使用されていた時のラブホテル…(画像提供:AKO)

建物の壁の作品は、どのストリート・アーティストに依頼したのですか?

QP、EKYS(写真はコチラ)、TOM、ZYS(ほかの写真はコチラ)、SEVEN、MASKが最初に来てくれた人ですね。その後に、USUGROW、HAN、ISHIBASIも参加してくれました。


AKOとその友人。(画像提供:AKO)

…木製のスケート・ランプが建築され始めた時の様子。(画像提供:AKO)

ご近所の人達は、この建物のことをどう思っているのでしょう?

住民の方の思いは様々です。ここへ遊びに来る子供達もいれば、静かに暮したいと思い、迷惑を感じてる人もいると思います。

スケート・ランプをデザインしたのはどなたですか?

足立工務店です。たまたま違う店の内装を見積もりに来た大工さんが元プロスケーターで、設計から全て作ってくれました。


オーナーの大橋“AKO”章彦さん。彼のショップ「Uncloak」は2階に。

祭壇が飾られている「Scatter Brain」というショップを持つ、シンスケ・ゴトウ。

小さな「100ギャラリー」を持つSIGとその友人。

あなた自身もここで滑ることはありますか?

朝、たまに練習します。

東京のグラフィティ・シーンについてはどうでしょう?

分からないです。それは街が入れるタトゥーであり、生きている街が決めるかもことかもしれませんね。

何か最近気づいた変化や、見かけた新しいスタイルなどはありませんか?

新しいかどうかは、解りませんがQPの作る作品にはいつも何か新鮮なアイデアを感じます。

これはストリート・アートのための合法的な場所ですか?

そうです。ですので、彼らが大きな絵を書いたり、誰かの作品の上に書くときは僕に確認が必要です。ザ・ゲットーは練習の場所ではなく、作品のレベルの高さを見せる場所であるとも言えます。


入口にはさらに作品が。上半分はEshimasaによるもの、下半分はTomokuniによるもの。

スケート・ランプに描かれたこの個性的な作品はUSUGROWのもの。

ところで、あなたのお婆さんはこの建物を気に入っているみたいですか?

彼女が見たら、たぶんビックリして腰を抜かします(笑)。

そうでしょうね!AKOさん、今日はありがとうございました!
もっと写真が見たい方はこちらへ!Flickrでは、東京のグラフィティ日本のストリート・アートがご覧頂けます!

ザ・ゲットー
住所:東京都新宿区百人町1-1-10(新大久保/大久保駅から徒歩6分)
地図はコチラ
電話:03-5287-6213

2 コメント

  1. 見に行こうっと。

    Posted by: cococoaki @ 1月29日2008年

  2. [...] Read the original Japanese version at PingMag» « “Sessue Hayakawa: Silent Cinema and Transnational Stardom” Book Review “Wonderful Matchbox Art!” Translation » [...]

    Posted by: Kevin Mcgue | “The Ghetto in Shin-Okubo: A Love For Skate Culture” Translation @ 4月17日2010年

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