
皆さんもご存知のように、ポルノグラフィーとアートの微妙な違いに関する果てしない議論は、これまで常に平行線を辿ってきた。そして今、年に一度発行される「グラファック」の第3弾が、またしてもこの紙一重の境界に迫る。それというのもこの書籍では、性器、性交、フェチズムをいかに多様に、インスピレーションを促しつつ、軽いノリで表現できるかについてを探っている。そこで、カリフォルニアを拠点とするピーター・バタナサムとフィール・バルディスは、世界中から集められた60人以上ものイラストレーター、写真家やグラフィック・デザイナーに、彼らの最も官能的な思考のヴィジュアルを分かち合ってもらった。そしてPingMagも、先週の土曜日にLAのニュークリアス・ギャラリーで行われたグラファック展のオープニングにお邪魔して、ピーターとフィールの愛の賜物についての濃密なお話を伺ってきた。
作:ビセンテ・モンテロンゴ&デヴィッド・チャールズ
訳:山根夏実

まず、これだけのエロティシズムを一体どこから見つけてこられたのでしょうか?
私たちのところには、300人以上ものアーティストから応募がありました。中には複数の作品をくださった方もいます。選定の基準は至ってシンプルで、決まった方式のようなものはなく、ただ単純に私たちを笑わせた作品、その美しさに驚かされた作品、そしてウィットをもって挑んでくる作品を選びました。

そもそもこの作品集のアイディアは、どこからきたのでしょうか?
グラファックは、セクシーさやエロティシズムを取り巻くタブーに対する私たちの好奇心、そして私たちが遭遇するインスピレーションに溢れた素晴らしい作品への情熱から来ています。いわばこの二つのチャンネルが交差するポイントですね。最初に、もしアーティストがこの類の作品をまったく検閲されずに出せるとしたら、特に普段こういった題材を取り上げない人々にとってどうなるだろうという疑問があって…。

…それで?これまでの2冊と比べて、特に変わった点はありますか?性に関する新しい考えなどはどうでしょうか?
私たちは、毎年エロティシズムに対する真に個性的な見方にびっくりさせられています。世界中の様々な人が何を性的に魅力的と感じるかは本当に興味深いものです!そこにユーモアと知性のどちらか、もしくは両方を盛り込めば、それだけで夢中にさせられてしまいます。

ビセンテ・モンテロンゴの髪から覗く繊細な乳房、「グラファック3」展より。
作品を見て、投稿者の文化的な背景を意識するようなことはありますか?例えば、アジア人アーティストとラテン系の芸術家では、視点にどれだけの違いがあるのでしょうか?
私たちが意識する文化的背景といえば、ヨーロッパからの寄稿が多くてアジアからは少ないというくらいです。これには様々な要因があるとは思いますが、それでも私たちにとっては興味深い事実ですね。この本に収録された文化には、何れも共通のテーマや視点が見られると思います。そういった意味では、どれか一つの文化が突出しているとは思いません。
では作品を一つずつ見ていくことで、文化的なタブーに対するあなた方の考えが変わったということはありますか?
私たちの好奇心が深められたとは思います。特に、ある文化において何がタブーで何がそうではないのかということの関係性への好奇心です。
あまりにも行き過ぎていて、それこそ出版できなかったというような応募もあったのでしょうか…?
そこまで行き過ぎたようなものは来ていませんね……今のところは。

どうやっても容認できないものを作る人が、今後出て来そうですね!もう一つ、作品の中にまったく言葉というものが出てこないのも不思議だったのですが、それはルール違反ということなのでしょうか?
イメージは一つの独立した言語なのです。それもとてもやりがいのある。私たちはイメージが大、大、大好きなんですよ!

アーティストのリストを見ると、男性と女性が均等に取り上げられていることにも気付いたのですが、男性と女性のアーティストではアイディアやテーマに総体的な違いがあるのでしょうか?
ご指摘の通りですが、私たちは寄稿者一人一人の性別にはあまり注意を払っていません。大変興味深いことに、女性の体に焦点を当てた作品は男性アーティストと女性アーティストのどちらからも寄せられています。

今年の素晴らしい綴じ込みポスターは、誰の作品なのでしょうか?
今年の綴じ込みは、ロサンゼルスを拠点とするオードリー・カワサキの作品です。私たちが一目で彼女の作品に魅了されたのはもう何年も前、ジャイアント・ロボット・ストアの本店の隣にあった小さな洋服店でのことでした。彼女の作品の美しさは、とても言葉では言い表せません。

それではもっと一般的な質問ですが、グラファックはどこに置かれるのが相応しい本なのでしょうか。本棚か、コーヒーテーブルかそれともバスルームとか?
そうですね…。
あるいは、グラファックは創作意欲を掻き立てるものなのでしょうか、それともセックスの意欲?
セックスとアートは同じものでもあるのでは?
グラファックはニュークリアス・ギャラリーで作品展にもなりましたが、今後一つのブランドとして拡大していく予定などはあるのでしょうか?例えば、セックスショップの商品や衣類とか…?
これをお話ししてしまったら、口を封じないわけにはいきません。
えーと、わかりました。ではもっと実用的な質問で、「グラファック3」は成人向けの内容になっていますが、どこで入手できるのでしょうか?
ナイトスタンドで。子供の見えない場所。オンラインとオフラインのどちらでも。ウェブサイトの方に、取扱店のリストを掲載しています。
最後に、また毎年恒例のイベントの時期となりましたが、あなたの理想のクリスマスプレゼントは?
もちろん「グラファック3」を1冊ということで。ずっと与え続けてくれる贈り物です。

グラファックのロゴ。ステキ!
なるほど(笑)。ピーターさん、フィールさん、「グラファック3」の素晴らしいお話をありがとうございました!皆さんも本だけでなく、12月30日まで開催されている展示会の方もお見逃しなく!
【お知らせ】
「グラファック3展」
会場:ニュークリアス・ギャラリー
住所:30 West Main Street, Alhambra, Ca, USA. 地図はこちら
会期:2007年12月30日(日)まで
時間:月~木(12:00pm~9:00pm)、金~日(11:00am~10:00pm)
2 コメント
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スズカ・クサヤナギの絵に、強く惹かれました。
Posted by: Yoshiaki @ 12月12日2007年
Good!!
Posted by: cococoaki @ 1月29日2008年