
竿に張られた鮮やかな朱色の「のぼり」。街を歩けば、神社やお店などあらゆる所で、風に揺れるその姿を目にする。日本に古くから伝わるのぼりは、私達にとって馴染みあるもの。今でもお店の宣伝や場所の道しるべなどに用いられ、鮮やかな色で街に活気を与えている。そこで今日は、そんな、街に立つ様々なのぼりを紹介します。
作:リョウコ
のぼりを求めて訪れたのは、情緒溢れるお馴染みの浅草。おそば屋さんの定番ののぼりはもちろん、明るいピンクに染められたものや和風の書体が施されたものなど、「のぼりの街」と呼んでも過言ではないほど、浅草には様々なデザインののぼりが立っている。

神社に立てられた鮮やかな緑ののぼり。

おそば屋さんと言えば、この紺色が定番!

銭湯には温泉マークが入っている。

派手なピンクに黒文字は、人目を引くのに効果的。
喫茶店にはコーヒーカップ、魚料理屋さんには波しぶきなど、文字だけではなく絵が施されたのぼりも多くある。また、落語や演劇などが盛んな街でもある浅草では、歌舞伎で使われる定式幕をモチーにしたのぼりが道案内として立てられている。

粋な波しぶきが描かれている!

「天国」という面白い名前の喫茶店。

歌舞伎の定式幕がモチーフになっている。

タバコ屋さんののぼりも発見!
運送会社の「ヤマト運輸」やコンビニエンス・ストアの「ファミリーマート」といったチェーン店ののぼりは、そのロゴやブランド・カラーを基調としたデザインだ。これらののぼりは宣伝目的として使用されているが、中には「たばこのポイ捨て禁止」のような、人々に安全を呼びかける公共ののぼりも目にする。

ユニークなイラストの「ポイ捨て禁止」。
戦国時代、敵と味方を見分けるために旗に文字を入れたことが起源と言われるのぼりは、時間の流れと共に、様々な場所で使用されるようになった。ここ浅草の「鎮護大使者」の前には、神社名が大きく書かれ、太い重そうな竹の竿に張られた立派なのぼりが立っている。空高くそびえ立つその姿は、荘厳で凛とした空気を放っている。

美しい紅葉に包まれた護大使者の門に立つのぼり。

空に翳された大きなのぼり。

「七五三」など行事を告知するのぼり。

緑に映える鮮やかな朱色。
神社には、その場のシンボルとして、また神様の奉納の想いが込められたのぼりが、門前や境内などに飾られている。白や朱、紫や濃紺の高貴な色のものが多く、生地には綿や榊(さかき)、また帆布などしっかりした素材が使われているものが多い。

この時期の神社では「秋祭り」が盛んに行われ、中にはのぼりを使ったお祭りも存在する。例えば、都内なら浅間神社の重さ1トンにもなるのぼりを立ち上げる「幟祭り」が有名。長野県・別所温泉の「岳の幟」という一風変わったお祭りでは、人々が青竹に通された大きなのぼりを担いで山へ登り、山頂でその年の豊富を祈ってから、山を下りるそう。その祭りの間、人々がのぼりを持ち練り歩く姿は、何とも言えないくらい不思議な光景なのだとか。

「さいとう」で販売されているのぼり。

種類も豊富。
浅草の街にはのぼりや暖簾などを販売するお店が沢山ある。そこで今回は「さいとう」というお店の店員さんに、店舗などで使われているのぼりの特徴についてお話を伺った。
「飲食店等で使用されているのぼりは、ポリエステルのものが多いんですよ。コンピューターの普及で、パソコンで自由自在にデザインが出来るようになったので、今はインクジェット・プリンターで簡単に素早く、そして大量に印刷できます。それに、費用も昔に比べて安くすむようになりました。」

沢山の色が印刷できるポリエステルの生地。

こだわりのあるお店には昔から使われている綿素材が人気。
「昔は手染めが主流でしたから、生地も綿や帆布のものが殆どでした。綿などの生地に色を入れるのは、現在でも結構手間がかかるんです。色が混ざるのを防ぐ為に、文字や使う色毎に白の縁取りをしなければならないんですよ。また、綿のものは、ポリエステルのように派手な色も出なければ、何色も使えませんし、費用もかかります。けれど、店の雰囲気を重視する方には綿素材のほうが好まれているようです。」

なるほど、のぼりのデザインも時代と共に変化してきたようだ。「さいとう」の皆さん、お話を聞かせて下さいありがとうございました。街の一つの色となるのぼりのデザインいかがでしたか?皆さんも街のぼりに注目してみて下さいね!
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