
先日、我々は日本のギフト包装の美しさについて紹介した。しかし、親愛なる読者の皆様から、どれだけ多くのゴミが生まれるかに関して沢山のコメントを頂き(…それは全くその通り!)今回PingMagはちょっと違ったアプローチを思いついた。…よし、今年のグッドデザイン賞を受賞した作品の中から、機能的でかつ環境に優しいという点が評価されたもの、しかもデザインが素敵で面白い物たちを紹介してみたらどうだろう!!と。では早速…。
作:ビアンカ・ボイテル
訳:ジュンコ
グッド・デザイン賞とは
グッド・デザイン賞、別名Gマークは、日本で最も国際的かつ有名なデザイン賞だ。今年、あらゆるカテゴリから2,945アイテムもの応募があり、少々驚くのは、事実その3分の1に当る1,043のアイテムが受賞したということ!しかし、ここではその数よりも、むしろ応募自体に焦点を合わせることにしよう。それら全てが国内からのものであるということは、現代の日本のパッケージデザインにおける局面と傾向に関して、多くの洞察を得られるかもしれないということなのだから。
グッド・デザインは元々、プロダクトデザインだけに関連したもので、パッケージデザインを含んだ「コミュニケーションデザイン」というカテゴリは、2001年に追加されたもの。そしてグッド・デザイン賞そのものは、デザインが果たす新しい役割について、広く社会を啓蒙する事を目的として1957年に始められた。ところで、今年のG-マークイベントのグラフィックは、何を隠そう、CANという我々PingMagの小さな広告ネットワークのデザインをして下さっている青木克憲氏がデザインをしているのだ。
現代日本文明のシンボルのひとつ

デザインは、機能性の面においても、本当にすばらしい役割を果たすことが可能だ。例えば、1993年にGマーク賞を獲得したキッコーマンの醤油差しのような目立ったアイデアがあるのは決して驚くことじゃない。この小さくて上品なボトルが、日本の現代文明において不可欠な物となったのと同様に、つい最近になって日本のデザイン史に残る品の一つだと考えられるようになったのは、むしろかなり遅いと言える。
この特別なディスペンサーは、経済成長の波に乗って、多くの若年層が田舎から都市に移動して仕事をするようになった1961年に市場に送りこまれた。そして、それまでは1リットル瓶でのみ売られていてテーブルで使用するのに陶磁器の壺の中へ注がなければならなかったのが、増加する単身世帯にとってこの新しいディスペンサーの方がはるかに便利だった。その150mlという小さなボトルの中身は最後まで無駄なく使われ、しかもそれはテーブルの上に置くととても可愛らしく見えた。

今年のコミュニケーションデザイン部門の審査員は、アートディレクターの永井一史氏、佐藤可士和<氏(CD/アートディレクター)、およびグラフィックデザイナー佐藤卓氏で構成され、彼らは、審査基準を次の3つの点に絞ったという。
1.それは良いデザインか?
2.それは優れたデザインか?
3.それは未来に新分野を開くようなデザインか?
といっても、今はこれらの質問のより深い意味に関して思索するのはやめておこう…。
完全なるデザインコンセプト

内側と外側で、デザインは何世紀もの歴史を繋ぐ。…外側はシンプルな幾何学形と大胆な色によって構成された箱であるが、内側には、小さなお香たちが、その形と飾りによって、とても古風で神話的な印象を与える。Issimbowの性質は、その名前の由来でもある1000年前の日本の医学書の知恵に基づいたもの。

お香の異なる3つのタイプによって、形、色、箱のサイズ、バッグ、およびポスターにもそれぞれ違いが。Issimbowのブランディング・デザインがGマークを獲得したのには心から納得!
デリケートなラベル

残念ながら受賞は逃したものの、PingMagはこのパッケージアプローチを凄く気に入っている。茶色、緑、白、青の4色のボトルに入れられた酒「伝心」は、ラベルの文字部分が抜かれており、そこからそれぞれの瓶の色が現れる仕組み。ブランド名の文字は、筆遣いを表して和紙を切り抜いたものだが、レーザーカット技術がこのように日本の美意識に適用される方法は、シンプルさを保ちつつ、且つ同時に現代感覚を備えてもいる。
オートクチュール・ボトル

次に、パッケージデザインにおける究極の挑戦、香水の小瓶について。オートクチュールデザイナーの創造のように、香水、パッケージ、そして完璧なコミュニケーションデザインは、香り自体と同じくらい、何かびっくりするようなものを考えつかなければならない。
香水とは、その香りで人を魅了する贅沢品であるがゆえ、このように芸術に関連づけられる。「ケンゾー・アムール」の小瓶とそれらのカーブしたシルエットは、まるで彫刻のように見る角度によって変化し、また、「フラワー・バイ・ケンゾー」のテーマである都会のアスファルトに咲くケシの花は、まるで詩のように、そのデリケートなタフさを比喩している。そして今回その両方がG-マークの幸運な勝者となっている。
「商品をして全てを語らしめよ」
過去長い間、熱心な出品者である資生堂は、今年再度受賞を果たした。実際、彼らの物作りにおいては、デザインへの認識の長い伝統が見うけられる。資生堂の初代社長である福原信三(1883-1948)は、1920年代にはデザイン部門を設立し、彼の格言「商品をして全てを語らしめよ」は会社のスローガンとなったが、それは共に当時としてはとても進歩的なことで、現代でも尚、資生堂の哲学に不可欠なものとなっている。

資生堂ヘアケアライン製品の「チカラ」は、ボトルデザインが、家族全員が使える最高に優しいシャンプーという製品コンセプトを反映する、ということを実現している。優しい水の雫か、柔らかい雲を連想させるような暖かくて明るくて軽快な色とそのディテールに、小さな子供の手でさえ簡単に開けられるグリップキャップ、そして最後の1滴まで使えるよう逆さまにしっかり立つボトル。これぞユニバーサル・デザイン!
チューインガムのグラフィック

グラフィックデザイナーの手によって作られるチューインガムのパッケージは、今正に注目に値する。ヘルベチカでタイプされた製品名ACUOのOは、その製品がどこに効果があるのかを示している…勿論、それは口とのどを表現!緑と銀は、ガムの持つ、フレッシュで清潔、そしてスーッとするクオリティを表す。スタイリッシュなおやつはポケットの必需品。
驚きの焼酎

地方のスパイスが加わった、「八起」焼酎は、有田磁器で作られた贅沢なボトル入り。酒と有田焼といった、九州を象徴する製品が、この最高にスタイリッシュなコラボレーションを実現。シンプルな幾何学形と線で形成されるボトルと文字は、現代的、かつノスタルジックな印象を与える。この現代主義に基づいた形は、1920~30年代のデザインを彷彿させ、製品名の「八起」は、古い日本のことわざの「七転び八起き」に由来する。そしてこの製品に込められたメッセージは決してあきらめるな!であろう。
あらゆる状況で、機能的

「エコ非常米」は、最近実際に地震被害を受けた地域である新潟県のメーカーによる出品。
この製品は、重要な二つの機能を持つ袋に入れられ、被災地の厳しい状態に適合するよう考えられている。中の食べ物を保護すること以外に、皿として使用可能なのだ。食べるときは、ただお湯もしくは水を加えれば良く、後はそのままプレートとして使える。Gマークは受賞しなかったものの、デザインの持つ重要性を証明している製品だ。
環境への配慮

4面体のフィルムで作られている、このベビーリーフサラダのパッケージは、多くの仕事を同時にこなしている。まず、内容を保護しつつ、かつしっかり見せてもいること。それから開けるのが簡単。そして何よりこのデザインだと、パッケージの使用量を減少させることが出来るのである!しかも、その軽さは輸送と収納を楽にして、結果的に、省エネと資源の節約を可能に!…その他、利点は挙げればキリがないほど…。

更にこの製品のユニークなポイントは、パッケージを開けた後も、可愛いボート形のお皿になって、そのまま中身を食べられること。素晴らしいポテンシャルを秘めた驚くべきアイデアだ。グッドデザイン賞を受賞したこのコンセプトは、「中小企業」を対象とした特別賞も受賞している。
リフィルでひと勝負

普段シャンプーがなくなったら、多くの人は詰め替え用を買うだろう。…しかし、B!Roadヘアケア製品は、なんと詰め替え用のパッケージしか販売していない!ボトルに内容物を詰め替える代わりに、直接この袋(しっかり立てられ、ディスペンサーが付いている)を使用することができるのだ。賢い!
詰め替え袋の持つ、経済的かつ環境に対する利点(軽くてコンパクト、材料費を抑えられる)を更にアップグレードさせたそのコンセプトは、審査員をいたく感心させた。
詰め替え式ヌードル?

こと食物のこととなると、再利用やリフィルの問題は、衛生に関連してくるのでデリケートな問題である。この分野において、どうやって、エコロジーの活動をより魅力的にしていけるのか?…という中で登場したエコスタイル・カップヌードルは、お金と楽しみを合体させたもの。1.リフィルは普通のカップヌードルより安い。2.再利用可能なカップは、色々なジャケットが用意されており、素敵な「マイ・ヌードルカップ」としてカスタマイズ可能! これを利用しない手はない!

もちろんこのリフィルカップヌードルも受賞作品!ゴミとなるポリスチレンの消費量を減少させるためなら、どんな努力も大歓迎だ!
「カワイイ」デザイン

日本では、製品を販売する上でチャーミングなマスコットや可愛らしいキャラクタが鍵となるのは間違いない。酪農メーカーのチチヤスは、その可愛いキャラクタ、チチボウの可能性を認識していた。そして、ブランド再構築の一部として、そのキャラクタをより重要だと位置づけ力を入れた結果、それは会社のシンボルにまでなった!そのコンセプトの正しさは、今回のGマーク受賞により一層裏付けられたのだが、カワイイキャラの世界が日本に存在するのは周知の事実で、コンビニに足を一歩踏み入れれば、そこではカワイイキャラ達がスナック菓子やクラッカー、およびチップスを買うよう待ち受けている…。
ゴミ袋を楽しく!

今回、「コミュニケーションデザイン」カテゴリにこの素敵な「ガーベッジ・バッグ・アート」は応募されなかったのだが、この種のパッケージ’は、パッケージデザインを語る上で非常に関係がある。

コンセプトは、ゴミの日になると街のあちこちにゴミ袋の醜い山が出来るという、大概の人が見慣れてしまっている状況を変えたいということ。これからは、このキュートな袋たちが状況を少しは明るくしてくれるはず!?次のゴミの日には是非、近所の人とこのゴミ袋で山を作って、プチアート活動はいかがだろう…?
最後に、今回受賞された全ての作品に、おめでとうございます!コミュニケーションデザイン部門の全ての受賞作品はこちら。
…パッケージにおける良いデザインとは、「良いデザイン」を手頃な値段で、しかもコンビニでも手に入れられる便利さで与えるものではないだろうか…。
ギャツビー・ヘアワックス、サントリーウーロン茶、ペプシNex、伊右衛門茶、Acuoガム、キシリトールガムに関する審査員のコメントも、それぞれ興味深い。
更に興味のある方は、デザイン・ジャパン:50クリエィティブ・イヤーズ・ウィズ・ザ・グッド・デザインもお薦め。こちらには、日本の最も素晴らしいプロダクトデザインが紹介されている。
おっと、すっかり忘れていたが、ペットボトル!!日常のデザインにおけるこの分野は、このシリーズの次の素晴らしいテーマになるであろう。お楽しみに…!
6 コメント
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焼酎ボトル、かっこええー
Posted by: Hiro @ 2月22日2008年
sarada ga iine!
demo gomi fukuroha nandaka…
Posted by: cococoaki @ 4月10日2008年
甘イカ太郎は、おいしいですよねぇ
Posted by: 山本 @ 3月22日2011年
焼酎ボトル、かっこええー
Posted by: ウィーク @ 3月22日2011年
ucretsız dıe buna derım
Posted by: goruntulu sohbet @ 7月22日2011年
日本のパッケージ・デザイン#4:頑張れエコ! good post1240
Posted by: air multiplier @ 4月21日2012年