視覚で伝えるピクトグラム

2007年10月4日 カテゴリー: 国内, 環境・福祉デザイン

視覚で伝えるピクトグラム

道端で見かけた「二輪車侵入禁止」のピクトグラム。

皆さんは「ピクトグラム」という言葉を知っているだろうか?ピクトグラムとは、言葉を使わずに何らかの情報や注意を促すシンプルなサインのこと。実は、私達の日常は数えきれないほど沢山のピクトグラムで埋め尽くされている。本日のPingMagでは、昨年のDesign Tideでピクトグラムの作品を発表したグラフィック・デザイナー、Donny Grafiksこと山本和久さんにコメントを頂きながら、ピクトグラムが何であるかについて簡単に紹介していきたい。

作:リョウコ&チエミ

私達が最も多くのピクトグラムを目にする場所、それはおそらく駅をはじめとする公共の施設。日頃は気にも留めずにいるが、少し意識して辺りを見渡してみると、切符売り場やホーム、また改札機の周りやみどりの窓口など至る所にピクトグラムが存在していることが分かる。


お馴染みの地下鉄のサイン。

困ったときはこちらへ。インフォメーションのサイン。

警告を意味する赤が使用されている「防犯ボタン」。駅係員のサインも特徴を捉えている。

「駆け込み禁止」は、確かに駆け込む様子が感じられる。

何かの場所を知らせるサインや、警告を促すサイン…。気にし始めると、東京の街は公共の施設だけでなく、ありとあらゆる場所に沢山のピクトグラムがあることに気づく。では、一体なぜこれほど多くのピクトグラムが存在しているのだろう?

「国際空港のように、異なる言語を持つ人々が利用する施設での必要性は高いと思います。例えば、そのような場所で“右”という文字の案内表示しかないとすれば、どんなに大きく目立つように表示していても、日本語が読めなければ理解することはできません。その代わりに矢印の記号を使えば、漢字を知らなくても、直感的に矢印が指す方向へと意識が向きます。」(山本さん)

「切符売り場は左!」のピクトグラム。

エレベーターは左。

切符売り場も駅事務室もみんな左。

「…また、工事現場など危険を伴う状況下での視覚伝達の表現には、意識的よりも反射的に反応させることが求められるので、文字よりもカタチや色の方が効果的です。あらゆる場面でより簡潔に、反射的、直感的なコミュニケーションを実現することを可能にするのがピクトグラムです。」(山本さん)

道路に立ててある工事中のサイン。黄色と赤という色の組み合わせも、反射的に何か危険なものがあることを知らせている。

沢山の車が行き交う道路に設置された「横断禁止」の看板。

「トラックは通行禁止」のピクトグラム。

舗道での「歩行喫煙禁止」を示すピクトグラム。「禁止」には大抵の場合、赤が使われる。

こちらは荷台と自転車の通行禁止。

共通の言語を話さない人が多く集まる場所には、より多くのピクトグラムが存在する。…そう考えてみると、国際都市である東京の街に、なぜこれほどまで多くのピクトグラムが溢れているのか、また、なぜそれほど必要なのかを理解できたような気がする。

病院の方向を示すピクトグラムは、日本語を話さない人にとってはかなり重要な役割りを果たしている。

こちらは代々木公園のもの。

同じく代々木公園で。ウォーキング用とサイクリング用コースが表示されている。

「防犯カメラ設置」は、ガードマンのサインで。

車内に車椅子利用者がいることを示すサイン。

では、これだけ様々なピクトグラムがあれば、当然「良くデザインされたピクトグラム」と「そうでないピクトグラム」もあるに違いない。良いピクトグラムを作るための要素とは一体何なのだろうか?

「基本的には、一見しただけでより多くの人に伝達すべき情報を正しく理解させられることです。できる限り、余計な要素の無いアノニマスな表現ができていること。博物館や美術館、公共施設などのサイン計画においては、その施設のイメージを内包しつつも伝達すべき意味が弱まっていないことも重要です。また、造形としての美しさを保つことも忘れてはなりません。」(山本さん)


東京ミッドタウンは建物全体の雰囲気と合わせた洗練されたデザインになっている。

こちらは女性用お手洗いのサイン。

IID(世田谷ものづくり学校)のサインは、本日のゲスト・山本和久さんによる作品。サインの意味については、もちろん説明無用!

では最後に、山本さんにピクトグラムの魅力について伺ってみた。

「ピクトグラムの魅力は、国籍、人種、年齢などに関係なくコミュニケーションできること。世界共通言語、国際語(地球語)になり得る可能性を秘めているところです。」(山本さん)

山本和久さんの作品。左より、昨年のDesign Tideの「Treasured Trash」プロジェクトで発表された「ペットボトルの分別図解(キャップ・ラベル・本体)」、「資源の循環図」、「自分自身=地球(地球のことについて考える)」。これら全ては、万国共通のメッセージ!

なるほど!山本さん、とても興味深いお話を聞かせて頂きありがとうございました。PingMagでは今後も様々なピクトグラムを紹介していきたいと思っています。お楽しみに!

2 コメント

  1. 面白い!世界の国際空港の中にあるピクトグラムの比較なんて面白そうですね

    Posted by: Yako @ 10月4日2007年

  2. omomsiroikamo

    Posted by: makoto @ 1月11日2008年

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