ゆらぎの音、風鈴

2007年7月26日 カテゴリー: 国内, 民芸・工芸

ゆらぎの音、風鈴

群馬の森の中で作られている「榛名(はるな)ガラス風鈴」は、音色だけでなく見た目も涼しげ。

毎年7月、神奈川県の川崎大師では北海道から沖縄まで全国各地から珍しい風鈴が勢揃いする「川崎大師風鈴市」が催される。その数は800種類、およそ2500個にも及ぶ色とりどりの風鈴が境内で一斉に鳴り響き、浴衣姿の近所の人や、遠くから足を運んだ人達の楽しげな声も加わって大賑わい。もちろん、PingMagもこの機会を逃すまいと、早速、川崎大師を訪れた。今日は、川崎大師で見つけた美しい風鈴の数々をご紹介します!

作:リョウコ

蒸し暑い日本の夏に音で涼を感じさせてくれる風鈴は、家屋の軒に吊るされ、風が吹くたびに情緒溢れる美しい音色を奏でてくれる。全国各地からここ川崎大師に集められた風鈴には、名産品や伝統行事など、その土地の風土が象徴されている。

「川崎大師風鈴市」に集まる沢山の人々。

青森の「花笠風鈴」と「津軽ビードロ風鈴」

最初に紹介するのは青森の「花笠風鈴」。青森県で毎年夏に開催される「ねぶた祭り」では、人々は揃いの浴衣を身にまとい、カラフルな花笠を被り、跳ね回りながら街を練り歩く。そしてそんな花笠が付いたこの風鈴は、青森を象徴する民芸品として知られているそう。

青森の「花笠風鈴」。まるでお祭りの賑わいが聞こえてくるかのよう。

こちらは、同じく青森から「津軽ビードロ風鈴」。清涼感のあるブルーやグリーンが美しい。

富山の「真鍮風鈴」と山形の「山形風鈴」

富山からは金属の質感や輝きを最大限に生かし、伝統ある技術で作られた「高岡真鍮(しんちゅう)風鈴」。その隣は山形の鉄で出来た「山形風鈴」。モダンなデザインのこちらの二つは、若い人にも人気がある風鈴なのだとか。


富山の「真鍮風鈴」

ユニークな形の「山形風鈴」

秋田の「御殿まり風鈴」

風鈴の上に鞠がついた秋田の「御殿まり風鈴」

静岡の「かも風鈴」

「かも風鈴」が作られる西伊豆は、ガラスの原材料となる硅石(けいせき)の産出地。当然、ガラス工芸が盛んに行われ、この手作りガラス風鈴もその一つ。西伊豆の風鈴は強い西風でも割れないよう肉厚に作られているので、風鈴の音も一つ一つ違うそう。

静岡の「かも風鈴」

東京「江戸切子風鈴」&大阪「被(き)せガラス風鈴」

繊細なカットが美しい「江戸切り子風鈴」と対照的に、柔らかさを感じさせる大阪の「被せガラス風鈴」。透明のガラスに重ねられた色つきのガラスを彫って作られる「被せガラス風鈴」は、「夢とロマン」がテーマ。


東京の「江戸切り子風鈴」

大阪の「被せガラス風鈴」

奈良の「瑠璃風鈴」

ヨーロッパのガラス文化は、シルクロードを通って日本に伝わった。その当時のガラスの美しい瑠璃の輝きを色褪せさせないよう、古都奈良の地の新しい文化として根付かせたいという願いから生まれたのが、この「瑠璃風鈴」。

奈良の「瑠璃風鈴」。まるでキャンディーのようにポップな色。

風鈴の優しい音色は、風の強弱によってその響き方も異なり、連続的でありながら一定ではない。そして、その音を「揺らぎ」と呼び、川のせせらぎや虫の声なども意味するという。

京都の「竹風鈴」

竹で作ったひょうたんがモダンな印象を与える「竹風鈴」。

滋賀「信楽(しがらき)焼き風鈴」と、宮崎「山王焼風鈴」


滋賀県からは、ポッテリとした「信楽焼き風鈴」。

猫が顔を出しているのは、宮崎の「山王焼風鈴」。

山口「ふぐ風鈴」

フグが空にプカプカ浮かんでいるかのような、山口県の「ふぐ風鈴」。

鹿児島「風鈴」

こちらは、竹の生産が盛んな鹿児島県の卍風鈴。鉄の風鈴が竹の籠の囲まれていて、上から見るとその形が卍の形に見えることからこの名前が付いた。ちなみに、鹿児島県の竹の生産量は全国の40%を占めるそう。竹の持つ涼しげな雰囲気と、凛とする鐘の音色は心を静めてくれる。

鹿児島「卍風鈴」。

福岡「上野焼(あがのやき)風鈴」

静かで美しい色の「上野焼き風鈴」。

佐賀「伊万里焼(いまりやき)風鈴」

こちらは佐賀県の伊万里で作られている「伊万里焼き風鈴」。佐賀は有田焼で有名だが、伊万里焼きもそれに劣らず美しい。ここで紹介するものは割と落ち着いた感じだが、実際は金や赤などの色がふんだんに使われていることが多い。

佐賀の「伊万里焼風鈴」には蛍が描かれている。澄んだ水の場所にしか生息しない蛍は、この絵のように夜に温かな光を発する。

風鈴というよりも、陶器という印象。

静寂が漂う美しい山並みの風景。

沖縄「琉球ガラス風鈴(別名:ビロード風鈴)」

こちらは、南国独特の色使いが目を引く沖縄の「琉球ガラス風鈴」。琉球ガラスには100年の歴史があり、風鈴の他にもランプのほやや器などが作られている。以前は空き瓶を原料にして作られていた琉球ガラス製品だが、今では沖縄原産のソーダガラスのみを使って作っているのだとか。

沖縄の「琉球ガラス風鈴」。鮮やかな原色、技と心が伝わって来る。

…という訳で、お気に入りの風鈴は見つかりましたか?風鈴の涼しい音色と一緒に、日本の暑い夏を楽しみましょう。それでは、川崎大師オリジナル「だるま風鈴」でお別れです!サヨナラ!

川崎大師オリジナル「だるま風鈴」。

2 コメント

  1. [...] PingMag – 東京発 「デザイン&ものづくり」 マガジン » Archive »…毎年7月、神奈川県の川崎大師では北海道から沖縄まで全国各地から珍しい風鈴が勢揃いする「川崎大師風鈴市」が催される。その数は800種類、およそ2500個にも及ぶ色とりどりの風鈴が境内で一斉に鳴り響き、浴衣姿の近所の人や、遠くから足を運んだ人達の楽しげな声も加わっ…はてなブックマークより [...]

    Posted by: 川崎大師についての調査結果 | アフィリエイトで稼いで長者番付名簿登載 @ 1月4日2012年

  2. ゆらぎの音、風鈴 good post1198

    Posted by: air multiplier @ 4月21日2012年

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