妊婦さんへの思いやり、マタニティマーク

2007年7月11日 カテゴリー: 国内, 環境・福祉デザイン

妊婦さんへの思いやり、マタニティマーク

マタニティマークのキーリングを付けたバックを持っている女性を見たら、席を譲ってあげてくださいね!

白いキーリングに描かれた、微笑む親子のイラスト。−「おなかに赤ちゃんがいます」。皆さんは「マタニティマーク」をバッグに付けた女性を見たことがあるだろうか?昨年から首都圏の各駅や自治体などで配布されているマタニティマークは、妊婦さんへの思いやりのデザイン。今日のPingMagでは、いつもとはちょっと違う「マタニティマーク」についてのお話を紹介しよう。

作:チエミ
写真:ワタナベアヤナ

あるアンケート調査によれば、妊娠中や小さな子供のいる女性が「外出先で周りの人に助けてもらいたいこと」の上位に、「階段の上り下りの手助け」や「バスや電車で席を譲って欲しい」という要望がある。そして、「外出先で助けられて嬉しかったこと」の上位もやはり、「バスや電車で席を譲ってくれたこと」や「ベビーカーを運んでくれた」「声をかけてもらった」ことなのだとか。

厚生労働省によるリーフレットの一部より。
(資料:(財)こども未来財団「子育て中の外出時等に関するアンケート調査結果」)

「妊婦さんを気遣うのは当たり前だし、妊婦さんを見ると必ず声をかけている!」と思っている人は多いかもしれない。しかし、以前PingMagで紹介した「東西対決:ママのためのデザイン」でも分かるように、海外の妊婦さん達に比べてお腹の目立たないマタニティ・ファッションが主流な日本では、全ての妊婦さんに気づくことは難しく、妊娠初期の女性であればマタニティ雑誌でも手にしていない限り外見上分かるはずもない。また、声をかける側からも「外見から妊婦の方だと思っても、勘違いかも…という恐れから席を譲ることができない」という意見もあるようだ。

電車の優先席マーク。ここまで大きなお腹の女性なら、すぐに妊婦さんだと分かるけれど…。

妊娠期間中でも特に妊娠初期は、ひどいつわり、下痢、便秘などに悩まされ、また頻繁にお手洗いに行きたくなるという症状も表れる。しかし、そんな状態にも関わらず、まだ目立たないお腹を気遣いながら、移動するのは本当に辛いのだとか。

「電車も乗れないほどつわりのひどい妊娠初期の夏の暑い日に、一人で検診に行かなければならないことがありました。歩道でタクシーを待っていると、タクシーを捕まえる前に気分が悪くなり、立っていられない程になってしまったのです。しかし、声すらも出ないような状態だったので、這うように近くの建物に助けを求めに行った、という経験があります。妊娠中は一人で出かけるのが不安な時も多く、知らない人でも助けてもらいたいと思うことがあります。そんな時の周囲の人の心遣いには、本当に感謝の気持ちでいっぱいになるんです。」(東京都の女性)


まだお腹の目立たない妊婦さん。妊婦だからと席を譲ってもらったことはないのだとか…。

こちらもまだ3ヶ月目の妊婦さん。見た目には、全く妊婦さんだと分からない。

そこで、そんな妊婦さん達に少しでも過ごしやすい環境を提供するために、母子保健国民運動計画「健やか親子21」推進検討会が、公募でマタニティマークのデザインを募集し始めたのは2005年末のこと。厚生労働省のホームページなどで呼びかけが行われ、たった1ヶ月半の間に1,661作品が集まった。


こちらは公募の中から優秀作品に選ばれた瀬沼晃さんの作品。

同じく優秀作品に選ばれた青木一浩さんの作品。

その結果、最優秀賞に選ばれたのは、恩賜財団母子愛育会埼玉県支部によるお母さんと赤ちゃんが目を閉じて並んでいる作品。この作品は、2006年3月に厚生労働省より正式な「マタニティマーク」として発表された。


正式に決定したマタニティマークを紹介するポスター。こちらのデータは、現在でも厚生労働省のホームページでダウンロードすることが出来る。

昨年8月より首都圏の駅の駅事務室などで配布されているマタニティマークのキーリング。市町村によってはすでに母子手帳と一緒に配布されているところもあるそう。

その後、同年8月には東京メトロをはじめとする首都圏の鉄道事業者16社が、約6万5,000個のマタニティマークのキーリングを希望者に無料で配布したり(現在も配布中)、独自のマタニティマークを使用していた市町村でも「統一されたマークの方が認識されやすい」という理由からこの新しいデザインを使って缶バッジやワッペンなどを制作するようになった。また、マタニティマークは厚生労働省のウェブサイトからダウンロードが可能な為、現在でも自由に使用することができる。

元気な子供達で賑わう青山の「こどもの城」。

マタニティマークは、電車の中での優先席の確保だけでなく、公共の場における喫煙者の心遣いや、段差の激しい場所でのちょっとした手助けをお願いする、妊婦さんからの小さなサイン。もし皆さんが街の中や電車の中でこのマークを付けた女性を見かけた時には、「この席にどうぞ」または「お手伝いしましょうか」と優しく声をかけてあげて欲しい。

今回ご協力して下さった厚生労働省の皆さん、有難うございました!

3 コメント

  1. キーリング、もう少し大きくても良いのではと思います。私は大きいのを作りました。声をかけてくれる方が増えましたよ!!それにしても妊娠を経験していない若い女性は皆ではないけれど席を譲らない。むしろ若い男性の方が気付いて席を譲られるケースが多いと思います。女性の社会進出、大いに結構、自分磨きも結構ですが、他人への優しい気持ちも忘れないでもらいたいですね。

    Posted by: mo @ 7月12日2007年

  2. 先日、職場の女性がこのキーリングをバッグにつけていて、知りました。帰りの電車ではこのキーリングをつけている女性に迷うことなく席を譲りました。このキーリングの存在を知らない人がおおいので、もっと告知活動があるべきだと思いました。

    Posted by: まき @ 4月29日2009年

  3. 妊婦さんへの思いやり、マタニティマーク good post1191

    Posted by: air multiplier @ 4月21日2012年

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