生まれ変わった韓国のゴム靴

2007年6月20日 カテゴリー: イベント/展示会, インターナショナル, ファッション, 民芸・工芸

生まれ変わった韓国のゴム靴

伝統的な韓国の農民靴が生まれ変わる!ベルリンで開催されたDMYの韓国ゴム靴展より。「ドイツ人デザイナー、ヤン・フィリップ・ウィトリンヌ、別名ポグによって長靴風に生まれ変わった「ゴム靴下」付きのゴム靴。ルイ14世調の靴下で、実用的な靴もお洒落なファッション・アイテムに大変身。

靴先が上を向いた、カヌーの如きこの靴は何なのだろうと思われるかもしれない。答えは韓国ゴム靴!デザインの分野における国際的な姉妹都市化の一環として、韓国とドイツのデザイナーが、昔から農作業などの屋外の仕事に使われていた伝統的な韓国ゴム靴を一新させた。また、昨年のソウル・デザイン・フェスティバルでの韓国側の展覧会を経て、ドイツ側の可愛らしい作品もベルリンで開催されたDMYの韓国ゴム靴展で公開された。そこで、PingMagもこの展覧会のドイツ側の責任者であるDMYのクリエイティブディレクター、ヤーク・ジユマンさんにお話を伺ってきた。

作:ベレーナ
訳:山根夏実

ウィブケ・イルザベルクとイリネ・ハディヤネガーラの「セイム・セイム・バット・ディファレント」ハイヒール、韓国ゴム靴展より。

ヤークさん、この韓国ゴム靴プロジェクトは、いつから始まったのでしょうか?

この企画は、元々、去年のソウル・デザイン・フェスティバルによって依頼されたプロジェクトでした。向こう側とは2005年以来密接に連動してきましたから、今年のデザインマイでショーを開くのはこちらとしても良い機会だと思いました。2006年の時は私たちがドイツ側の主宰をやったのですが、韓国側がこちらに靴を持ってきたんです。あの時は商業的なクライアントによる依頼ではなかったせいでデザイナーも自由に作業ができて、本当に楽しかったです。あと、韓国側の皮肉なアプローチを甚く気に入ったのもありました。


癒し効果のある泥を入れたジベレ・ケスラオのゴム靴。永続的なフット・マッサージ!?

こちらもジベレ・ケスラオの作品。サンドペーパー付きのゴム靴。

コンクリート?ご名答!ベルリンを拠点に活動するメトロファームの繊細な造形と武骨な素材の融合。

でも、なぜゴム靴ということになったのでしょうか?私が調べたところ、韓国のゴム靴は昔から農民が履いていたもので、元々は皮製だったそうですね。あと、その起源は日本にあるかもしれないとも聞きましたが…。

ええ。その他にも、韓国の伝統的な結婚式で履く靴も同じ形をしているようですが、素材は違う場合が多いみたいです。おそらく雨の多い季節のためのものではないでしょうか。ここベルリンでも一体誰がこんなものを履くのかと首をかしげましたけどね。お察しとは思いますが、あまり履き心地の良いものではないので…。

ジェイボ(別名モンク)作「ヒー・アンド・ハー」。男と女は別ち難い存在であり、生命の振り子における創造を象徴するもの。その構成要素の簡素さが異なるようでいて同一のものだというのが彼の意見。この靴は、実際に履くためにではなく、新しい繋がりを創ることへの責務を振り返るためのもの、人は皆平等。

ジェイペックの作品「スーパーマン」。

作品の中には形が違うものもあるようですが、男女兼用ではないのでしょうか?

ええ、男性用と女性用の2種類の形があります。女性用のゴム靴はどちらかといえば細くて、前後のサイド部分がより深く作られています。それに対して、男性用のものは普通の靴に近い、幅のある平らな作りになっています。

ピット・ルージュの食肉植物靴。

フォークト+ヴァイツェネッガーのドアの取っ手をモチーフにした靴。「ドアの取っ手は、東西南北の繋がりを目に見える形で表現したもの」これもラピッドプロトタイピングによる作品!

なるほど。では主催側としては、どのような基準でデザイナーを選定したのでしょうか?

デザイナーは、素材においてもコンセプトにおいても、これまでとは完全に異なるアプローチで制作に当たってくれそうな方々を探しました。それがプロダクト・デザイナー、ファニチャー・デザイナーやファッション・デザイナーなどの多様な背景を選んだ理由です。例えば、プロダクト・デザイナーのフォークト+ヴァイツェネッガーは概念的に取り組んだ結果、ドアノブをモチーフにした靴を作りました。もしくは、フロリンダ・シュニッツェルのアプローチを見てみてください。彼女はファッションの背景を活かして、同じ素材だけを使うことによって、ゴムの継ぎで靴の表面を浮き立たせるようにしています。

韓国人デザイナーのキム・チーホは、お洒落な飾りびょうでゴム靴にディスコ系の装飾を施している。ソウル・デザイン・フェスティバル2006委嘱作品。

ゴロ・シュミーのスパンコール付きの豪華作品はどうですか?

グラフィック・デザイナーのゴロ・シュミーは、異なる接着の技法を用いて作業に当たったそうです… 。

…あと、ヤン・フィリップ・ウィトリンヌの一年を通して使えそうな、優雅なゴムブーツはどうでしょう…?

彼の作品は、男性用には黄色の靴下、女性用にはピンクのものでしたね。

ティヌ・ベンツの眩いばかりの美しい作品。

私はジェイボのウニを連想させるトゲトゲの靴がとても気に入りましたね。ちなみに、彼のニックネームは誰が付けたものなのですか?

ジェイボ、別名モンクは、スタイル・マグとファッション・レーベルのアイリデイリーのアート・ディレクターです。この靴では、我々の性別への認識を刺激しようとしていたようです。


リー・スクウーの最後に残るもの…。ソウル・デザイン・フェスティバルで開催された韓国側の展示より。

ゴロ・シュミーのゴムのスパンコール靴。

部族的な刺青?どんなものでもこの靴には合ってしまうみたい!ベノア・デヌフボアのデザイン。

同じく興味深いのが、ベルリンを拠点に活動するメトロファームのコンクリートの靴なのですが、どう考えても実用できるものではないですから、これはもう芸術的オブジェとの境界線上にありますよね。

彼らは靴という概念自体を完全に放棄していますね。

まあ、メトロファームの作品を拝見する限り、コンクリートは元々彼らの得意とする素材のようですが…。

ええ、とは言え、大半のデザイナーが自分たちの得意とする分野の中で作業をしています。例えば、フォークト+ヴァイツェネッガーシンター・チェアなどでも見られるように、これまでにも多くのラピッドプロトタイピングの作品を残していますから、当然それが靴にも適用されています。あと、ヤン・フィリップ・ウィトリンヌ、もしくはポグも。彼はDIYショップで買ってきたものを使ってものを作るファニチャー・デザイナーで、今回使われていたゴムの靴下も量販店で売られているごく普通のものでした。


ソウル・デザイン・フェスティバル2006に出展されたリー・サン・ジンの作品。

ソウル・デザイン・フェスティバル2006に出展されたオー・セー・ホワンの作品。

ソウル・デザイン・フェスティバル2006に出展されたオー・セー・ホワンの作品。

ソウル・デザイン・フェスティバル2006に出展されたパーク・ジンウーの作品。

ドイツの韓国大使館で開催された韓国ゴム靴展。

ドイツの韓国大使館で開催された韓国ゴム靴展。

本当に綺麗!来年のDMYでのコラボレーションも楽しみにさせていただきます。ヤーク・ジュマンさん、今日はありがとうございました!

7 コメント

  1. 靴の種類にもこのようなジャンルがあったとは、ちょっぴり驚きです!
    韓国の文化も感じさせていいですね^^

    Posted by: allen @ 6月20日2007年

  2. これは素敵ですね。
    是非履いてみたい。

    Posted by: cococoaki @ 1月29日2008年

  3. 爽やかな色使いと面白いデザイン発想!!
    もっと多くの人々に見てもらいたいですね!!

    Posted by: kokoro @ 6月11日2008年

  4. 素敵!この展示、実際の目で見てみたいです。ゴム靴を長くしてかわいいレインブーツがあったらいいなぁ~!と思いました。
    私も韓国へ行った際、先がチョコッとツンとしている形がかわいいと思い、白ゴム靴や伝統靴を何足か購入しました。履いてみましたが履き心地は・・・、靴を履くのに必須な韓国の伝統的な靴下が必要でした。余談でしたね。

    Posted by: Kris @ 2月3日2009年

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