カレードスコープ:神秘に包まれた光の世界

2007年6月14日 カテゴリー: プロダクト

カレードスコープ:神秘に包まれた光の世界

光によって映し出された美しいイメージ

光に照らされた力溢れるグリーンやブルー。瞬時に変わるイメージが果てしなく繰りかえされる光の世界、万華鏡。万華鏡と言えば、日本人の私達なら千代紙で覆われたた簡単なものを思い浮かべるだろう。しかし、そのイメージを覆される驚きの万華鏡が世界中には多数存在する。今回、その神秘の世界に魅了されたPingMagは、日本で唯一、世界中の様々な万華鏡を取り扱っているお店「カレードスコープ昔館」を訪れ、スタッフの石原さんに万華鏡の制作方法や魅力についてお話を伺った。

作:リョウコ

何気にパソコンの横に置かれている万華鏡。実はとても高価な物。

上の万華鏡を覗いた時に見える、立体的な不思議なイメージ。

万華鏡の歴史は、およそ200年前まで遡る。偏光の実験をしていたスコットランドの偉大な物理学者、ディヴィッド・ブリュースターが、鏡の反射を利用して果てしなく続く美しいイメージを発明したのは1816年。そのイメージを筒に収めて、「Kaleidoscope(カレードスコープ)」(ギリシャ語の「kalos:美しい」「eidos:形」「skopeo:見る」に由来する)という名前で発表された万華鏡は、「哲学的な玩具」として忽ち世界中に広まった。


万華鏡を覗いた時に見える神秘的なイメージ

こちらも同じく万華鏡の中のイメージ

万華鏡を実際に手にした時に、多くの人が不思議に思うのはその仕組みではないだろうか。皆さんもご存知のように、万華鏡の中には美しいイメージを作り出す元になる物が入っている。一般的に知られているのはビーズやガラスだが、カレードスコープ昔館の石原さんはこう語る。

ここで使うオブジェクト(材料)は様々です。ビーズやガラスだけではなく、羽、貝殻、プラスチック、石など何でもOK。こうじゃないといけないという決まりはないので、アーティストが何を表現したいのかというところで、色や形、大きさなどを考慮しながらオブジェクトを選んでいきます。その後に、どのミラーシステムにするかを決定するのです。」(石原さん)

ミラーシステムとは、万華鏡の中にある三角形や四角形などに組み立てられた鏡の構造のこと。様々なミラーシステムがある中で「2ミラーシステム」と「3ミラーシステム」が、万華鏡の基本的なものなのだとか。

「2ミラーシステム」の説明。左から、万華鏡の中にある鏡の展開図、万華鏡の側面図(中央)、そして「アイホール」と呼ばれる覗き口の小さな穴から見えるイメージ(右)。
©2007 KALEIDOSCOPE MUKASHI-KAN

同じく「3ミラーシステム」の説明。©2007 KALEIDOSCOPE MUKASHI-KAN

2ミラーシステムで作られた万華鏡のイメージ。2ミラーシステムは、必ず一つの円形イメージを映し出す。

3ミラーシステムで作られた万華鏡「不思議のアリス」のイメージ。いくつもの同じパターンが広がる。

「2ミラーシステム」では、反射面を内側にした鏡をV字型に組み立てる。そこへ光を通すと、二面の鏡は互いに反射を繰り返し、一つの円形状のイメージを映し出す。また、V字の角度を小さくしたり大きくしたりする事で、円の線の見え方も変わってくる。一方、「3ミラーシステム」では、反射面を内側にした鏡が三角形に組まれ、それによりいくつもの同じパターンのイメージが生まれ広がっていく。

こちらは、実際の万華鏡の中に組み込まれた二等辺三角形の鏡(3ミラーシステム)。角度や形によって、映し出されるイメージも様々。

鳥の羽を使い、2ミラーシステムで作られた万華鏡「フェザー&レザー」。

万華鏡の中のイメージは、確かに綺麗に見えた方が良いのですが、重要なのは色よりも光です。光がないと色は出ない。光があって初めて反映するんです。そして、光の中でも最も美しい色を映し出すのが、太陽光なんです。」(石原さん)

貝殻をオブジェクトに、2ミラーシステムで作られた万華鏡。まるで「ナショナル・ジオグラフィック」の1ページのよう!

オブジェクト、ミラーシステム、光の三要素を上手く組み合わせて作られた万華鏡の美しいイメージは、見る者を魅了する。しかし、その本当の魅力とは何なのだろう?

万華鏡はただ見て奇麗というだけではなく、見る人それぞれのイマジネーションを掻き立てくれる物です。また、一歩踏み込むと違う世界へと導いてくれて、自分だけの世界に浸っていられる一つのツールでもあるんです。」(石原さん)

アイホールが2つある万華鏡「パラソル」。

「パラソル」を覗いた時に見えるイメージ。その名の通り、傘のように見える。一般的には万華鏡のイメージはシンメトリーになるものだが、この万華鏡を作ったアーティストは、アンシンメトリーな作品しか作らないそう。

万華鏡アーチスト、マーク・ティクルによる万華鏡「アイ・オブ・ザ・ソウル」。

「アイ・オブ・ザ・ソウル」を覗くと、そこには力強い瞳のイメージが映し出されている。

思わず惹き付けられてしまう立体的なイメージ。

「セブン・シー」

「不思議の国のアリス」

孔雀が羽を広げた時のようなイメージ。

フランク・カシヤー二によるダチョウの卵を使った作品「Egg’s Uberant」。

ルービックキューブがオブジェクトに使用されたイメージは、ディスコ調に!

また、宝石のようにも輝やく。

景色をオブジェクトとして使う万華鏡。ガラスやセラミック製品で知られる「香蘭社」の作品。

上の万華鏡を覗いて見えるイメージ。

こちらは、アクセサリーとして使えるとても小さな万華鏡。

携帯出来るこの万華鏡は、太陽の下で見てみたい!

それでは最後にもう一度、万華鏡を愛して止まない石原さんから、もの作りをする皆さんにメッセージを頂いた。

私達は、アート的な部分を持って万華鏡作りや販売をしているので、もの作りをする人達に刺激を与えたいという気持ちは常にあります。万華鏡の色や形、イメージには、自分の今までの経験や好みが全て反映されるんですよ。ですから、自分を表現する一つの手段として、万華鏡があってもいいんじゃないかなと思います。各自が持つ技術を活かせれば、玩具のようなものではなく、きっとクオリティの高いものを表現できるのではないでしょうか。」(石原さん)

クリスマスをテーマにした万華鏡。本当にキレイ!

沢山の人々を魅了する万華鏡のお話、いかがでしたか?他にも色々な種類の万華鏡がこちらのお店あるので、皆さんもぜひ足を運んでみて下さい。そして、機会があればぜひ万華鏡作りにも挑戦してみてくださいね。

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