ザーラ・ウッド a.k.a ウッディー:ダンボールのファンタジー

2007年5月21日 カテゴリー: イベント/展示会, イラストレーション, インターナショナル

ザーラ・ウッド a.k.a ウッディー:ダンボールのファンタジー

ダンボールへの素晴らしいこだわり!作品の為に最高のダンボールを探し求めるザーラ・ウッド a.k.a ウッディーの旅は、決して終わることはない…

ロンドンを拠点とするザーラ・ウッドa.k.aウッディーのダンボールで出来たキャラクター達の大きな瞳は、見る者を魅了する。彼女のとても小さな友達は、至るところでミットシ、ルル、マグマまたはブルーディームーニーと呼ばれている。ウッディーのイラストは、雑誌の片隅や、本やCDのカバー、ステューシーのTシャツ、枕カバー、または窓のディスプレイまで、様々な物を美しくする。ザーラは最近、ぺちゃくちゃないとのオーディエンスを驚かせる為に東京へやって来た。今日は、PingMagが彼女にダンボールの魔法を見せてもらう良い機会になりそうだ。

作:ウレシカ&ベレーナ
訳:アンドリュー・ガレット&ミカ・ユウジ

こちらは、オーストラリアの雑誌「フランキー」の為に描かれた可愛らしい男の子のイラスト。

ウッディー、まずは私たちの読者へ簡単な自己紹介をお願いできますか?

ザーラ・ウッドです。皆は私のことをウッディーって呼ぶんです。元々はファインアートを専攻していて、2001年にイラストを始めました。それから広告、雑誌関係、ファッションの仕事のためにロンドンとメルボルンを行き来し、2005年にはフルタイムのイラストレーターになりました。

ウッディーのグリーティングカード・シリーズより。

あなたの作品の多くがダンボールと密接に関係していますよね。あなたはダンボールのプロとも言えますが、どのダンボールがお気に入りですか?

2層になったダンボールですね。2層は最高なんです!でも、中にはベースとして最高のダンボールでも、ペンのインクがにじんでしまうものもあるんです。コーティングされてないコンピューターの箱は強度に優れています。果物の箱は、組み立て方が素晴らしい。特に、シルクスクリーンで印刷された黒いものは最高です。メルボルンの「ワークス・オン・カードボード・ショー」で作品の暗雲や棚を作った時は、黒い果物箱をリサイクルしたんですよ。

グリーティング・カードにはイラストと一緒に、このようなテキストが添えらることがある。「テレンスは、一体後どれくらい、英語が話せないフリをしなければならないのかなぁと考えた。」

制作過程についてはどうですか?例えば、すぐに走り描きして切り抜きますか?また、スペシャル3Dアートについてはどうでしょう?

作品には私の心の中で明確に出来上がっているものもあるので、スケッチせずにすぐに描き始めることもあります。サード・ドローワー・ダウン・ギャラリーで行われたダンボールの展示会で、私の3Dカードボード・ジオラマ「MOUNTAIN」では、ちょっとしたことをこだわりました。それは本当のダンボールの技術を必要とするもので、まずしっかりしたベースを作って、ギャラリーや人の家にどのようにディスプレーされるかを考える。私は普通1度限りのように思われがちな包装紙などの材料を使っているんですが、詳細にこだわった長持ちする作品を作りたいんです。


こちらは3Dのダンボール!ウッディーのダンボール展「マウンテン・ジオラマ」より

こちらは、昨年暮れに開かれたメルボルンのザ・サード・ドローワー・ダウン・ギャラリーからの作品。

こうやって見ていくと、作品には毎回ダンボールが使用されていますから、本当にダンボールにこだわりがあるんですね。ダンボールのすごく好きなところはどこですか?


「私はスケッチをするというよりは、すぐに直接描いてしまいます。」(ウッディー)

そうですね、確かに私はダンボールが大好きです。大きい展示会の作品の材料としては、特に好きです。ダンボールの色や質感には私を元気づける何かがあって、それは何も描かれていないキャンバスほど威圧感はないんですよね。私は新しい仕事を始める時に、大まかな構図を創造するとワクワクするんですが、リサイクルのダンボールやリサイクル製品で作品を作ることは、私から最初の心配を取り除いてくれる。ダンボールはいつも私のそばにあって、それを何か別の姿に変えるのは冒険なんですよ。

いつダンボールとの関係がスタートしたか覚えていますか?

去年、ロンドンのICAでトークをした時に、私は「ポテト・ボックス・ルック」って家族に名付けられた写真の思い出にふけったんです。それはダンボール箱に座る私自身を1年以上おさめた写真のコレクションで、驚きの表情から罪悪感、そして生意気な表情などをしているんです。その写真は、ロンドンのアパートで祖母が撮ってくれたものでした。祖母はよくシンクの下のダンボール箱にジャガイモを保存していたから、その写真にそんな名前を付けたんです。その箱に入る小さな子供にとって、それはまるでトンネルに感じられたんです。

このコは、フランスの香りが漂う「ルル」。

子供時代の深い影響みたいなものですか?素敵ですね。今日のアートのためにそれをどう取り込んでいるのですか?

私は潜在意識下でダンボールを探しているんです。路地か家や店の外、私は人々から私がよからぬことを企んでいるかのような変な目で見られるんです。私はいつも「心配しないで、私は熱心なリサイクル業者なだけです。このダンボールは全部、アートになるんです!」と言いたい気持ちになるんです。初めてロンドンで大きいアート作品を始めた時、ダンボールを運ぶのはとても簡単だったんですよ。でも一度、少し強い風がダンボールの下に吹き付けた時に吹き飛ばされそうになって、もう少しでロンドンのウェストエンドの周りを飛ぶところでした。


さらに、デザインし直されたコーポレート・アイデンティティー。ウッディーは羽布団と枕カバーのデザインを手がけた。

こちらは、ベッドリネン会社のトゥルー・ラブ・オールウェーズ。この会社のウェブサイトをチェックすると、ウッディーの作品が見られる!

以前にダンボールを集めた時の話を沢山してくれましたよね。例えば夜中に家の周りを探し回ったり、スーパーから盗んだり…。友達がダンボールを持ってきてくれたけど、質が良くなかったので処分しようとしたことなど。その中でもっと気に入っているエピソードはありますか?

それは本当の話なんですよ。私の友達は皆、私のダンボールへの執念を知っているので、よく私に切れ端を持ってきたり、私のために箱をためてくれたりするんです。去年、友達の1人がものすごい量のダンボールを持ってきたけど、良くない物もあったので運搬やリサイクルにそれを使いました。少なくとも捨てはしなかったのですが、気分は最悪でした。もし私の友達がこれを読んでいるなら、どうかがっかりしないでね…。今でもダンボールを寄付してくれることは大歓迎です。そのうち、良いダンボールを見つける為のセミナーを開こうかと思ってます。

「ウッディー・ボックス」から「トラフィック・ジャム」秘密めいたアヤシい人の物語のカード・シリーズ…

すごいですね!もう少しその秘話を話して貰えますか?

私達がオーストラリアに住んでいた時、私の彼が「ワーク・オン・カードボード・ショー」の作品「マウンテン」に使う果物の箱を探すという緊急任務を任されていたんです。それはちょうどクリスマスの後で、私達のいつも使うマーケットは閉店していました。全ての売店にカバーが掛かっていたんですが、そこに売店の店主がいらなくなった箱を置くリサイクルエリアの表示があったので、彼はそこへ入っていき、ダンボール箱を集め始めたんです。ところが、CCTVカメラが彼を追っていることに気付いて、上を見上げると2階のバルコニーに警備員がいたんですよ。その警備員は明らかに彼が製品を盗んでいると思って、トランシーバーを片手に素早く階段へ向かい始めました。私の彼はマーケットの外へ飛び出して、なんとか逃げることが出来たんですけど…。ここでの警告は、ダンボールハンターの人生は決して簡単ではないってことですね。

こちらは音楽バンド「ウィンターキッズ」のロゴとイラスト。(資料提供:ディス・イズ・レタル

本当ですか!でもあなたの道で拾われたダンボールは、かなり成功していますよね?なぜ可愛いダンボールの犬達がロンドンのサーチ&サーチのオフィスの窓に飾られることになったのですか?


ウッディーのグリーティング・カード・シリーズから、さらにもう一つのキュートなキャラクター。

以前、「ゴーン・トゥ・ザ・ドックス」というイラスト展のキュレーションと展示を行ったのですが、その時の受付の場所はとても殺風景で、つまらなかったんです。それで、その空間に何か人間味のあるものを置こうと決めたんです。例えば、あるイラストレーターが大きな紙で暖炉を作り、私は4フィートのチワワのミットシと彼女の友達、ポメラニアンを作ったんです。残念な事に、そのどちらの犬もトイレのトレーニングがされていなかったので、そこにはそのコ達の排泄物も置かれていたんですよ。そのコ達は、今はニューヨークのアートコレクターの元にいるんです。去年の10月にそこへ訪ねてみたんですが、彼女達はうまくやってるみたいでした。


ウッディーが2002年から手がけている、オーストラリア・ステューシーのためのデザインT−シャツ。

去年の夏、オーストラリアで最も良く売れた、彼女のレデース・T−シャツ「ブライト・アイズ」。

ロンドンで行われた展覧会を思い出しますね。あのことについても少し話して貰えますか?


イタリア人の小説家イラリア・ベルナルディーニの「ノン・エ・ニェンテ」のブックカバー。

マーマレード紙とのコラボで行った展示会、「ザ・ストリーツ・オブ・ロンドン」の事でしょうか?あの時は、色々なアーティストが招待されて、各自の持つ社会的メッセージをポスターに反映させたんですよね。私が思いついたのは「リサイクリング・ロックス」。イースト・ロンドンでバスに乗っていて、自分でデザインしたポスターを目にした時はさすがに感動したましたよ!

実は、ブックショップのマグマで開いた展示会「キャン・ユー・シー・ザ・ウッド・フォー・ザ・ツリーズ」の方がロンドンで私がデビューした頃のものなんです。アートやデザイン関係の書籍ならマグマに勝るところはまずないですよ。あの時は、お手製のビニールで作った文字をお店のガラスドアに飾ったんですが、今もそのままにしてあるんですよ!


ブリストルのソーマ・ギャラリーで行われている「インスパイアード」展より「ビビアン」。

今後、ウッディーから他に何か新しいことは起きますか?

新しいウッディー製品を製作しています。それと、私のキャラクターの世界がアニメになることもあるかもしれないですよ。でも今はまだそのことについて話せないんですけどね。

残念!その話についてもっとお聞きしたかったです。あなたの作品は私をいつも絶えず微笑ませてくれます!素晴らしいダンボールの世界で、私達の心を豊かにしてくれて本当にありがとう!

耳より情報:必見!ウッディー全作品をこちらのブログ上で紹介。
展覧会情報:イギリス・ブリストルのソーマ・ギャラリーにて公開中の「インスパイアード」は6月17日終了。メルボルンに寄る予定があるなら、ぜひFAT GPOショップに足を運んでみてくださいね!

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