
冗談でも何でもなく、本日のPingMagはスキンケアの分野に進出。化粧品には全く興味のない人でもこれを見ればびっくりするはず!ウスル・エアラインズは、ウォーターベースカラーで肌を変身させる、エアブラシを使ったユニークなメイクアップ・システム。このかなり特殊なメイクの可能性のほんの一部をご紹介しよう。まず、たったの2分で健康的な日焼けを演出できる。更に、顔に幻想的な装飾を入れたり、ステンシルを使ってスプレーした模様で肌を引き立てることもできる。これが全て微風のような微かなエアブラシによってできるのだ。そこで、PingMagもウスル・エアラインズの日本上陸のためにベルリンから来日した創立者のフェリデ・ウスルさんと、東京のメイクアップ・アーティストのカオリ・カッソさんを招いて、進出記念パーティー後に繊細なエアスプレーを施してもらいながら、エアブラシによるスキンアートについてのお話を伺ってきた。
作:ベレーナ
訳:山根夏実
興味深いことに、エアブラシによるメイクアップはスキンアートとして分類できるものの、しっくりくるとは言い難い。ついでに肌を題材としたもう一つの芸術分野であり、あらゆる類いの面白い結果を残すボディ・ペインティングと混同されるべきでもない。ある意味、エアブラシを使ったメイクはファッション的な見地から、単なるアクセサリーとして見られるべきなのかもしれない。そして忘れてはならないのが、それが全てストリートアートと同様にエアスプレーに由来するという事実。

(Photo By Uli Holz)

「ベリナレネン」。自信に満ち溢れたイスラム教徒の若い女性と、彼女たちの独自のスカーフの巻き方。(Photo By Uli Holz)

(Photo By Uli Holz)
フェリデさん、カオリさん、お二人が出会われた経緯は何だったのでしょうか?
カオリ:私は日本で紡織デザイナーの下で働いていました…。
フェリデ:…それで、私があなたのエアブラシで描いたTシャツを見つけたのがきっかけよね。その後ニューヨークで一緒に仕事をして、あなたは私のアシスタントで、そこから意気投合しました。それが9年前のことです…。
フェリデさんは、Vogue、Glamour、i-D、Marie Claire、Harper’s Bazaarなどの大手の雑誌のメイクを主にやってこられたと伺いましたが、その他にも何か手掛けていらっしゃるのでしょうか?
フェリデ:先日、5月に発売されるビヨークの新しいアルバムのカバーの仕事をやったばかりですが…基本的に、私が関わっていた雑誌の仕事は少し前のものです。最近では、私はほとんどの時間をウスル・エアラインズに注ぎ込んでいて、年間に数件の仕事を引き受けるのみにしています。今は自分自身の仕事をしたいので。

同じシリーズより。ウスル・エアラインズのエアブラシセットで装飾された犬。(写真:石坂直樹)
メイクアップ・アーティストとして、これまでにも勿論エアブラシを使用されてきたのですよね…?
フェリデ:ええ、最初の頃は雑誌の仕事のクレイジーな外観にだけ使っていました。私が最初にエアブラシを使った記事の時は、見つけられる一番小さなコンプレッサーがトースターと拳銃のサイズでした。その後、ハリウッド映画のメイクにはエアブラシが日常的に使われていることから、化粧用の彩色を販売するロサンゼルスの会社を見つけました。
それでは、いつ頃からウスル・エアラインズとしての独自のエラブラシ・システムを作り始めたのでしょうか?
フェリデ:私がフリーランスで仕事をしていた時は、「新しいメイクのブランドが増えたところで、誰も振り向いてはくれないだろう」と思っていました。ですが、それまでのエアブラシを使ったメイクの仕上がりは従来のものに比べてずっと綺麗である反面で、常に色にむらが出てしまう難点がありました。崩れてしまうから触れないか、圧力が高すぎるかのどちらかだったので、これを私たちの長所にできればと思ったのです。それで2000年に研究開発に着手して、2003年に発売されて今に至っています。

そこでは、多くの人々が更に摩訶不思議な格好に大変身!

フェリデさんの手のアップ。これが彼女のスプレーガンの使い方。

ウスルのロゴを顔中に入れてもらう女性。すごい!
ちなみに、ウスル・エアラインズと命名された理由は何なのでしょう?
フェリデ:ウスルというのは、私のトルコの旧姓で「礼儀正しい」という意味があります。エアライン、つまり航空会社のコンセプトは、それぞれの商品名が国際空港のコード名からとられていることからも分かるように、ブランド全体に一貫しています。

引き続き記念パーティーの写真と…

…豊かな色彩!
では、この特殊なメイク用のスプレーガンのような道具はどのように集めて、選りすぐったのでしょうか?
フェリデ:それは全て私のパートナーであり夫でもあるヤン・ミンがやってくれました。必要なリサーチは彼が全てインターネット調べてくれたのです、ありがたいことです。思うに、10年前であれば道具を整えるのも10倍長くかかったでしょうね。構成部品、道具の部品は全て私たちのためだけに製造されたもので、私たち自身で組み立てています。充電式の電池はアジア、ポンプはスイス、小型のスイッチは特別仕様と部品は世界中で作られているものです。私たちがこのエアブラシを発明したというよりは、単にユーザーに使いやすいようにしたという感じですね。

こちらもカオリ・カッソとリッキー・カッソがウスル・エアラインズのセットを使用して制作したもの。
そして、スプレーガンで使うこの色も特別仕様なのですよね?
フェリデ:この色の製法を作るのに2年半かかり、そこからそれを製造できる研究室を探すのに更に9ヶ月かかりました。ですが、それがどこなのかは明かせません、製法の特許を取ることすらしていないので。ノズルの通りが良くなるように独特の濃度を持たせたウォーターベースの色は、他のどこでも手に入れることはできないと断言できます。

(Photo by Gabriel Eid)
肌に乗せるのはどうするのでしょうか?それから落とす時は?
フェリデ:そもそも、吹き付ける色は全て肌の上に乗せるだけで、毛穴には一切入りません。エアブラシによるメイクは、たとえ何層重ねたとしても現在ある中で最も薄い製法です。今回の記念パーティーでもご覧になったように、よりナチュラルな仕上がりに使うこともできますし、これを使ってもっとクリエイティブなこともできます。一旦乾いてしまえば、あとはもう崩れません。ですが水溶性なだけに、洗い落とすのも簡単です。例えば、たとえそれがその人の自然の肌のトーンよりも濃い色でも、色の白い人の肌にも2分あればナチュラルな日焼けを作れます。そこからレイヤーを重ねていきます。各レイヤーは、肌の10%しかカバーしません。驚くべきことに、このスプレーはあまりにも薄いので、肉眼では見えません。かなりのアップで写真を撮っても、見えないくらいなんですよ。
それは興味深いですね。有名人の中にもこちらのエアブラシ・メイクアップシステムを使っている方がいらっしゃるのでしょうか?
フェリデ:男性ミュージシャンでもステージ上でウスル・エアラインズを使っている方が何人もいるんですよ。奥様方が使用するような、ブラシやスポンジなどを使った化粧品を使いたくない男性陣にとっては理想的なようです。そういったロッカーが誰なのかはここで明かすことはできないのですが…それでも、例えば、ビヨーク、ビヨンセ・ノウルズやブリトニー・スピアーズが使っていることはお話しできます。先日ポーラ・アブドゥルから電話があって、移動中にスーツケースを紛失してしまったとかで、すぐにうちの新しいセットを送ってほしいと必死な様子でした…。

ボヤン・ファイフリッツがアムステルダムのライクスアカデミーのために制作したインスタレーション。外のマイクがこの布張りの物体に内蔵されたスピーカーに接続されている。(写真:ボヤン・ファイフリッツ)

このスピーカーの震動が上部に設置されたパウダーを空間全体に噴霧させる。(写真:ドント・デーネンス美術館)
それでは芸能界にはもう進出済みなのですね!ちなみに、これはアートの道具としても使用されていますよね?あなたのアート・プロジェクトである「ベリナレネン(ベルリン女性)」について聞かせてください。
フェリデ:私はベルリン在住のトルコ人ですが、ニューヨークで11年を過ごしました。2年前にベルリンに戻った時には、イスラム教の若い女性と彼女らのスカーフの巻き方による新鮮な運動に本当に驚かされました。彼女たちには、従来のイメージである従順で控え目な雰囲気は全くなく、イスラム教徒の象徴であるスカーフを身に着けた姿は自信に満ち溢れていて、本当にお洒落でした。要するに、私はそこに家庭で抑圧されているイスラムの女性像以外の、敬意を払うべき世界を見たのです。それが私が彼女たちを見せようと思ったきっかけです。シリーズ自体に関して言えば、彼女たちにはそれぞれ個別にスカーフを巻いてもらって、独自のスタイルを出してもらいました。

ベルリン在住のウスルエアラインズの創立者、フェリデ・ウスルさん。よく見ると、ハンドバッグとして身に着けているのは自社製のコンパクト・エアブラシセット。とってもキュート!

ウスル・エアラインズの日本責任者であるメイクアップ・アーティスト、カオリ・カッソさん。
こちらのクッションのようなオブジェは何なのでしょうか?
フェリデ:私たちが親しくさせていただいている芸術家のボヤン・ファイフリッツがアムステルダムのライクスアカデミーのために制作したもので、このインスタレーションには私たちのパウダーが使用されています。外部のマイクがこの布張りのオブジェに内蔵されたスピーカーに接続されていて、スピーカーの震動がこの彫刻の上部に設置されたパウダーを徐々に噴霧させていくと、一週間後には表面がまるで肌のようになっていました。
それは面白いですね!フェリデさん、カオリさん、ウスル・エアラインズの魔法のような人々の顔の塗り方を見せてくださってありがとうございました!そして、その他の綺麗な商品も…。フェリデさんはまた東京にいらしてくださいね!
2 コメント
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カオリ・カッソのスプレーアートが気に入りました!!
Posted by: allen @ 5月2日2007年
アメリカ撤退したじゃん。
Posted by: 匿名 @ 9月4日2007年