
デザイナーの創造過程を突き動かすのは何かおぼろげなイメージか、それとも完成までの一直線なアプローチか。この疑問を抱いた人はきっと少なくないだろう。私はこの点について更に詳しく知るべく、自身のブログ「メニー・スタッフ」で、「何かをデザインをする時、構造の観点と創作過程の観点のどちらから考える?制作には、明確な最終イメージを持って取り組むものか、それとも長く苦しい創作過程の末に最終イメージが出来るのか?」というオンライン調査を実施した。その結果、ジェフ・マクフェトリッジやPleix、ジュヌヴィエーヴ・ゴクレール、カールソン・ウィルカー、ウィ・ワーク・フォー・ゼムなどの現在活躍中のデザイナーが、快く自身の絵やその他の作品を添えて答えてくれた。本日は、オンライン調査「アバウト・ザ・プロセス」を通して、デザインのプロセスについて考えてみよう。
作:シャーロット・チータム
訳:山根夏実

なにかについて瞑想し、更にどうやってについて瞑想するとき、すべてがこの後者にかかっている。このなにかは感覚の領域に残るが、どうやってこそが案となる。
ルドルフ・シュタイナー(ドイツ人哲学家、1861-1925)

「私の場合、最終イメージの見通しはろくにないままにやっていますが、それでいいと思っています。そうでなければ退屈になってしまいますから」そう話すのは、ジュヌヴィエーヴ・ゴクレール。これが彼女のデザインの仕方。
序文
今日では多くの書籍がイメージについて提議しているものの、創作の正確な過程について述べている本には滅多にお目にかかれない。「ABOUT THE PROCESS」では、創作がどのようにして行われているのかを知るべく、現代のグラフィック作品の作業過程における即時的な描写を試みた。そしてそれが成功した際には、より現代のデザイナーの作業方法と思考過程の概要的な内容にしていきたいと思っている。
取り掛かり
知り合いのグラフィック・アーティスト2人と作業の仕方やプロジェクトへの取り組み方について会話していた際に、彼らが作業を全く異なる角度から見ていることに気付いた。ピエール・ヴァンニは、形を作る前に、まずプロジェクトの課題や選択肢を明らかにするが、ダミアン・ヴィニョーは図式的な思考過程と実験から入りたがる。

ダミアン・ヴィニョーがここで見せているのは、自身の作品ではなくその制作過程。彼は構造と創作過程のどちらのアプローチも使っていると主張する。
そこからさらに一歩進んだ理由
その点が気になった私は、「彼らが仕事を依頼された場合はどのように対応するのか」を自問してみた。この質問は、グラフィック・デザイナーとアート・マネージャーのどちらにとっても興味深いものだと思う。なぜなら、ウェブ・デザイナーは新しい世代のロックスターだという人がいるが、それなら彼らはアナログのデザインをする時は異なる作業の仕方をするのだろうか、もしそうであれば、どのようにデザインするのか?彼らは構造の観点から入るのか、それとも創作過程という観点から作業をするのか?明確な最終イメージを持っているのか、むしろ制作過程の末に最終イメージが出来上がるのか?
そこで私は、37人のグラフィック・デザイナーに質問してみることにした。人によって、有名な人とそこまで有名ではない人のまちまちであり、取り掛かりのアプローチが違ったとしても、当初の企画(依頼)と最終結果の一致の模索と作品が最終的には理にかなっているという点に関しては、全員の意見が一致している。
調査結果の分析
「アバウト・ザ・プロセス」からは、いくつかの結論を導き出すことが出来る。まず、参加者の過半数は明確な最終的アイディアを持たずに作業に着手し、大抵はわざわざ最終イメージを思い浮かべることはしない。例えば、フランスの人気デザイナー、ジュヌヴィエーヴ・ゴクレールは、「最終イメージの見通しはろくにないままにやっていますが、それでいいと思っています。そうでなければ退屈になってしまいますから。」と述べており、クレイグ・ウォードは「プロジェクトの完成形が予想できることは極めて稀で、私にとってはそれが醍醐味なのです」とも言っている。
自分で楽しみを見つけよう!
仕事を楽しくすることは、多くのデザイナーのアプローチの中で繰り返し取り上げられている中心思想だ。フィリップ・モリスが「自分自身をびっくりさせよう!」と発言しているが、自発性はまさに決め手といえるだろう…。
道具について
しかし、アーティストは実際に何を使って心の中で想像したり思い描いたものを実現しているのか?選択肢は色鉛筆からコンピュータまで、数多く存在している。しかし、使用する道具に関わらず、プロジェクトを完成段階まで見通すということは実験、試み、拒絶と調整の連続で、それは確かに実験的なアプローチだといえるだろう。サム・ボールドウィンも、「…最も適した解決策を実験を繰り返すことによって発見していく」といっている。そしてズッカー・オンドゥ・プレファーのデニー・バックハウスは、「私のしてきたほぼすべてのことは、実験や創作過程、物事を試し、見つめ、他の新しいものを試すことからきています…」と説明している。仕事の楽しみが驚き、研究と経験にあることは疑いようがないだろう。

難問に取り組む:チームワーク
しかし、その過程にあるのは楽しみだけではない。もちろん問題もある。数学の難題に直面した学生のように、グラフィック・デザイナーも依頼された問題への最も適切な対応を求められる。それに対してサム・ボールドウィンが提案する方法は、「完成した作品こそが問題への解決法」という主張。グループとして活動している人にとっては、問題の解決は集団的な思考過程、アイディアの比較、ディスカッションと共同作業の末にある。
マダム・パリにとっては、「創作過程は足し算…二つの頭が同時に考えたコンセプト…四本の手で作るコンセプト」。事実、創作過程とは時に難しさを伴うチームワークでもある。
「更に面白いことは、他の人々、写真家やスタイリストなどが創案を独自に解釈できる余地を与えること。それによって、作品を予想だにしない境地にまで持っていけるし、原案の限界を広げることができる。」そう説明するのは、ヨハン・プラグ。
その反面で一人の作業を好む者もおり、自身の創作過程のために途切れることのない形や色、アイディアを取り込むことによって、イメージそのものをインプットとして使っている。それはまさに、フローレンス・テティエが「絵の世界は自分にとっては最も刺激的で、それに没頭することが好き」と話していることと同じなのだろう。
…以上、「アバウト・ザ・プロセス」の完全版はこちらから!
2 コメント
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Posted by: goruntulu sohbet @ 7月25日2011年
good thought!
Posted by: 匿名 @ 10月10日2011年