みんなのおもちゃ美術館

2007年4月18日 カテゴリー: プロダクト, 民芸・工芸

みんなのおもちゃ美術館

グッド・トイ推薦おもちゃ「にょきにょきの木」

東京・中野にある「おもちゃ美術館」には、江戸の伝承玩具やロシア人形、ドイツの鉄道模型など、世界中の珍しい玩具が勢揃い。しかし、この美術館では展示物だけでなく、玩具を貸し出す「おもちゃライブラリー」や牛乳パックや空き缶などのリサイクル品を使った「手作りおもちゃ教室」といった一風変わった活動も行われている。今回PingMagでは、この美術館がどういった目的でどんな活動をしているかをもっと詳しく知るために、このおもちゃ美術館のスタッフ、上野さんにお話を聞いてきた。

作:リョウコ

上野さん、この「おもちゃ美術館」はいつ開館したのでしょうか?

ここは元々、「芸術教育研究所」として始まり、主に図工や音楽の先生、幼稚園、保育園の先生が教育上で実施する絵の描き方や子供の指導の仕方などを研究していて、玩具はまだ扱っていませんでした。そこを遡るともう40年前以上前、1960年ぐらいの出来事です。「おもちゃ美術館」として開館したのは1984年。研究の過程でおもちゃに注目し始めるようになってからです。

おもちゃ美術館の外観。

何故おもちゃに注目するようになったのでしょうか?

研究所のスタッフがヨーロッパの幼稚園を訪れた際に、そこでスタッフが目にしたのは、その頃の日本のおもちゃとは全く違う、とても質の良いものでした。そのあまりの素晴らしさに、驚愕し、カルチャーショックを受けたそうです。おもちゃが子供にとって生活の一部であり、欠かす事のできない物であるという事実を知ったと同時に、ヨーロッパの大人達のおもちゃに対する意識や文化の違いなどを感じさせられて、研究所でももっと目を向けようということになりました。それから世界中の玩具を収集し、どんどん数が増える中で、これらを一般公開し、多くの人々にその玩具に触れてもらおうということになり、この美術館が設立されました。

ドイツ製の木の人形。

木製カラクリおもちゃ。動画はコチラから。

木製カラクリおもちゃ。動画はコチラから。

この美術館では興味深い活動を色々となさっているそうですが、具体的にどのようなことをなさっているのでしょう?

1階ではおもちゃを販売して、2階には子供達が自由に遊べるプレイルームがあります。また、NPO法人日本グッド・トイ委員会の選定玩具を中心にヨーロッパのおもちゃなど約200点を無料で貸し出す「おもちゃライブラリー」や、月に2、3回、白衣を装ったドクターが壊れた玩具を修理してくれる「おもちゃ病院」などもその部屋で公開しています。3階ではおもちゃ作りを体験できる「おもちゃ教室」が開かれています。

2階のプレイルーム。

「おもちゃ教室」はどのような人々によって行われているのでしょうか?

おもちゃ教室では、子供達や親子、時々お年寄りの方々が集まって空き缶や牛乳パックなどのリサイクル品を使って作る場所です。玩具を作りは、おもちゃコンサルタントが指導します。

「おもちゃ教室」:玩具作りの準備をする、おもちゃコンサルタントさん。

布製のおままごとセットは子供達にも安全な遊び道具。サンドイッチやハンバーガーでピクニック気分!

こちらは素敵な木製のガスコンロにお鍋。こちらもおままごと用。

おもちゃ作りを通して、子供達に何を伝えようとなさっているのでしょう?

今の子供達には、「物を作る」ということが少なくなってきましたよね。ですので、リサイクル品を使い、物を大切にするということを知って欲しい。また、作る喜びを感じて貰いたいという願いからこの教室は始まりました。


型をとって…

絵を描いて…(ドラキュラと恐竜の絵を描いているらしい…)

糊を塗って…

ガムテープの芯に貼付けて…

出来上がり!

「おもちゃ美術館」以外でもこのような活動はされているのでしょうか?

以前、病院で夏祭りが催された時に、そこでおもちゃ教室を開きました。その病院に入院していた子供に、思いつくものや好きな絵を描いて、とお願いしたら、私の知る子供達の描く絵には、動物やお花などといったものが多いのですが、その子はベッドで寝ていた子供が元気に起き上がった絵を描いたのです。その子にとって、その光景が日常なのだということを初めて痛感させられましたね。このような子供にも、他の喜びや楽しみを、遊びの中で見つけて欲しいのです。その他にも、入院中の子供が、注射を打たれた時の痛い経験を人形にそのまま再現している姿も目にしました。その姿を見て、子供達が自分の辛かった感情をおもちゃを通して表現しているということが分かりました。


ユニークなおもちゃ。

凧。鶏が空を飛ぶ!?かも知れない…。

太鼓や鈴などの楽器まで作っちゃう!!

餅つきウサギ。

おもちゃが人を元気にさせる道具として使われている場所は他にありますか?

例えば、高齢者施設などですね。お年寄りのリハビリで、20回腕をただ回すよりも、おもちゃのボーリングセットで遊んでもらうと、いつの間にかその遊びに夢中になり、リハビリ代わりになっていたりします。その他には、この美術館で子供とお年寄りの交流の場を開き、昔のコマやメンコなどの道具で遊ばせると、お年寄りは子供に話す事で生き生きとし、子供は遊び方を伝授するお年寄りに尊敬の念を抱く、といった良い関係が築かれます。


大きなコマ!

リンゴやミカンの小さなコマ。

4階には、世界中のおもちゃが展示してあります。最初に、日本人のおもちゃや遊びに対する意識の低さについて少しお話しましたよね。例えば、ある模型専門店を指して「あのおもちゃ屋」と言うと、その店主は「これはおもちゃではなく模型だ」と言う考えから、心外と感じてしまう。けれども、江戸時代に作られたおもちゃを見ると、見事な細工の施しように、当時の日本人のおもちゃへの見解は高かったのだなと、気づかされました。

赤ちゃんのおもちゃ、ガラガラ。

アメリカ製のレインコートを着た人形。

ポーランド製のお人形「ボア」。

中国製の人形。

日本のカラクリおもちゃ。動画はコチラから。

こちらもカラクリおもちゃ。シュールなカラクリをご覧あれ

色彩感覚が独特なミャンマーの操り人形。

では最後に、今後の目的やメッセージなどをお聞かせ下さい。

遊びの中で、おもちゃをエッセンスとしてもっと多くの人に取り入れてもらいたいと思っていますし、おもちゃは子供だけの物ではなく、大人も楽しめる物であることをもっと皆さんに知って頂きたいです。また、病院にも、心のメンテナンスとして、おもちゃをどんどん導入していって貰いたいですね。

芸術教育研究所・おもちゃ美術館のスタッフ、上野美由紀さん

上野さん、おもちゃ美術館の皆さん、ご協力して頂きありがとうございました!

最後はこちら!

3 コメント

  1. [...] PingMag - 東京発 「デザイン&ものづくり」 マガジン ? Archive ? みんなのおも… (tags: tokyo art toys museum) [...]

    Posted by: Daily Links » Zazie@Tokyo @ 4月20日2007年

  2. süper site buyrun

    Posted by: goruntulu sohbet @ 7月25日2011年

  3. みんなのおもちゃ美術館 good post1156

    Posted by: air multiplier @ 4月21日2012年

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