ANNTIAN:ベルリン発のテープ・ファッション

2007年4月16日 カテゴリー: インターナショナル, ファッション, 特集

ANNTIAN:ベルリン発のテープ・ファッション

自らの作品に包まる、ベルリンを拠点にするファッション・レーベル「ANNTIAN」のアン・ヒルケンとクリスチャン・カート。

現在、ストリート・ファッション・エキシビションが開催されているベルリンはファッション・シーンにおいて、最も注目すべき街のひとつであることは言うまでもない。そんなベルリンを拠点に2006年の春に始まったファッション・レーベルANNTIAN(アンティアン)。現在6シーズン目のコレクションに入っているこのレーベルは、ふたりの(本人達曰く)”腰の低い”グラフィック・デザイナーとファッション・デザイナーから成っている。ANNTIANは、日常生活と非日常生活から、ベルリンという“破産した街”と呼ばれる場所を選んだ事実をポジティブに変換し、調和のある、ナチュラルで、着心地の良い、かつカラフルで楽しい、そんなスタイルの服を作っている。現在ANNTIANのコレクションはベルリン、コペンハーゲン、バルセロナ、東京、名古屋などのセレクトショップやショウルームで見つけることが出来る。今日はそんなANNTIANの創始者、クリスチャン・カートに彼らの作品について話を聞いてみた。

作:ワタナベアキコ


最新のサマーコレクション用のアンティアンのロゴ

ANNTIANはどのようにして始まったのでしょうか?レーベルの背景について聞かせて下さい。

ANNTIANは、グラフィック・デザイナーであり、デザイン・エージェンシー「ダブル・スタンダーズ」の一員でもあるアン・ヒルケンと、ファッション・デザイナーのクリスチャン・カートによって設立されました。当初は、特に確固とした大きなプランがあった訳ではなく、ただ小さな洋服のラインを作ろう、ということから始まりました。一番初めのコレクションは、“自然と技術”における会話、をテーマに制作しました。このコレクションで発表されたものは、自分たちでプリントしたトップスだけでした。

しかし、このコレクションによって、デザインにおける私達の目的、感覚、好み、視点等がとても近いことが分かり、ANNTIANを続けていくことにしたのです。現在は、Tシャツ、セーター、パンツ、タイツ、ジャケット、ドレス、スカーフ、バッグ、それからジュエリーまで、私達のコレクションは40から60アイテムに増えました。製造は、全てドイツ国内で行われています。60~80%は自分たちによるハンドメイド、残りはベルリン内とその周辺の小さな会社によって作られています。ちなみに全てのプリントはいつでも私達が行っています。

ANNTIAN独特のプリント技術は、コレクションをより一層印象づける:生地にプリントする前に、切ったテープでその洋服を修繕する。

人々が身にまとうものをデザインする、ということにおける目的は何でしょうか?

まず、私達は、誰かに何かを信じさせようとしたり、強制するような事はしたくありません。ちょうどあなたが見つけてくれたように、私達の世界を見つけてもらいたい、そう思っています。私達の作品と美意識に興味を見いだしてくれれば幸せですし、またそうでなくても、それはそれで構いません。これは卑屈になっている訳ではなく、自分達のポジティヴな考えによるものです。私達は自分たちのやりかたで、人生、そして周りの人々、彼らと過ごす時間を尊敬していて、これらの要素が私達が洋服をデザインする源となっているのです。私達は人生の持つ豊かさ、人々、自然、スタイルなどをリスペクトし、愛しています。自分たちは物事を深く見ていますし、都合主義、または自分勝手で表面的なのではなく、どちらかというと腰の低いタイプです。


スプレーのしぶきが散りばっているみたい!サマー・コレクション07「ストライプ・バック」より。

最新のサマー・コレクションより。

私が初めてANNTIANの作品を見たのは、3シーズン目のコレクション「XXXL-GARIN」でした。それは大きめの尺度の生地を使用し、それを着られるような形に転換、デザインされたもので、そこにまるでスプレーを吹きかけたかのような粒子のパターンが乗せられているものでした。ANNTIANのコレクションの基盤はどういったものなのでしょうか?

普段、私達はアートや自然、日常生活などの中にある、とても特別な部分からインスピレーションを受けます。フォーカスする主体が特別で、非日常的であればある程、個人的で新しい、または確実なものを出力する事が出来ると思います。

私達の作品から常に見受けられるのは、ひとつのビジュアル・テーマに沿ったプリントです。例えばAW07のコレクションは“傾斜”をテーマにプリントしましたが、これは自分達の人生に対する気持ちを基盤に、その視野と幅広さを詩的に捉え、それらの表面を分解したものです。”XXXL”のコレクションは、まったく普通の“日々の生活”がテーマでした。現実の生活から見つけた要素を、シンプルなTシャツを使って様々なデザインにアレンジしました。これら全ては平凡で一般的な日々の生活へのオマージュです。ここでは、こういった普遍的なテーマを掲げることによって、自分達の方法で物事を前進させたかったのです。またこれが自分達にとってのリアリズムの形なのです。

「テープ・アート」:ANNTIANの最初のコレクションより。グレーのセーターにランドスケープがプリントされている。

おふたりは、ベルリン出身なのですか?そうでなかったとしたら、何故ファッション・レーベルを始めるにあたってベルリンを選んだのでしょうか?

私達は二人とも、南西ドイツに位置する、牧歌的で、どちらかというと小さな街の出身です。ベルリンに移り住んで働くことに決めたのは、この街が他の街と比べてインスピレーション源が多く、自由でいることが出来るからです。ベルリンはワイドでオープンな街であり、特にアートやファッションなどのクリエイティブな分野では沢山の事が起こっています。街の構造も自分達に合っていますし、それから魅力的な物価も。

壁画にセーター!ANNTIANの「ストライプ・バック」より。

ベルリンからビジネスを発信することの難点は何でしょう?

時々、ベルリンにいると生活が、少し遅く、怠惰なように感じることがあります。これは良い部分として捉えることも出来ると思うのですが、やはりビジネスを考えると不利な点です。ニューヨークやパリ、ロンドンなどの街に比べれば、目まぐるしい忙しさは感じませんが、物事がなかなか効率的に運ばないというのも事実です。でも、このような事実があろうと、それでもベルリンは突出したユニークさと、独自の魅力と特性を持つ面白い場所です。


まぶしい!2007年のウィンター・コレクションより。

カラフルなプリント・テープはベルリンの空の色とは大違い!

洋服の端々にカラフルな色が施されている。

カジュアルなスタイル。ウィンター・コレクション07より。

ジュエリー:ハート型のチェーン。こちらもウィンター・コレクション07より。

デザイナーとして、ベルリンの今後をどう見ていますか?

現在、ここでは物を作る為に安くで借りることの出来るスペースがまだ沢山ありますが、同時に、そこからお金を作っていくことが難しいのも事実で、こういった部分が、結果的に物を作る人達の活動を止めてしまう場合もあります。

何がどうであれ、私達はベルリンの将来を、適切で、素晴らしいインパクトを持つ重要な場所として見ています。ベルリンという場所に住んで、働くことは確実に魅力的だからです。独特で、特別で、多様性があって…ベルリンの外から来た人も沢山住んでいますし、また今後ここに移り住みたい人が山ほどいるのも現実です。これらの人々は前進を望んでいると思いますし、この場所はそういった力に溢れています。 苦労している点は、ベルリンの人々の財布の紐が固さ、消費レベルの低さなどがありますが、それはここに居るのであれば現実として受け入れるべき事実です。私達は、自分達のレーベルを、もっと国際的な背景を持つものとして捉えています。

逆にベルリンに対して、ファッションレーベルとして、それから普通に生活する者として評価するべき点は?

まず、ファッションに関しては、製造する為の環境がとても良いという点です。クリエイティブな仕事をする者にとって、素晴らしい仕事の機会がまだまだ沢山あります。また先程の質問でも出ましたが、家賃の安い広々としたスペースがまだ沢山残っていることも挙げられます。それと、ベルリンには私達の愛する緑、自然がとても多いという点も忘れてはならないですね。

ベルリンから発信される物や事柄に対して、どいういった視点を持っていますか?また、どういったものが、ベルリンに対して未知な人達にも届くような、ベルリン独自のスタイルだと思いますか?

ベルリンでは、新鮮で、新しい精神を持ち合わせたレベルの高い独立性を見かけます。おそらく、独立性、というのはスタイルに関する事だけではなく、ベルリンのキーワードであると思います。


ANNTIANのアトリエは洋服でいっぱい!

ANNTIANの今後の予定は?

次のコレクションのコンセプトと表現法、それから2008年のSSコレクションのプランをたてること。このコレクションでは、単に洋服を見せるというより、インスタレーション、展覧会のような発表の方法を考えています。どうなることか、まだ自分達も分かりません。それから、新たな仕事場を見つけること。もっと大きなアトリエ、オフィスを。現在の仕事場は、まるで縫い目が割けてしまったような場所なので!新たな場所に移って、見習いを雇うこと、これが私達が、今とても楽しみにしていることです。

2 コメント

  1. ANNTIANすき!

    Posted by: 匿名 @ 3月2日2010年

  2. süper site buyrun

    Posted by: goruntulu sohbet @ 7月25日2011年

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