最新写真事情 in チャイナ

2007年3月30日 カテゴリー: インターナショナル, インターネット, フォトグラフィー, 特集

最新写真事情 in チャイナ

リン・ジー・ペン a.k.a 223 / 林志鹏:「僕のアパートのパーティーでのイワンとウィウィ」(2006)、編集:ジョン・ミリチャップ、「3030:ニュー・フォトグラフィー・イン・チャイナ」より (© 3030 Press)

中国のフォトブロギングについて、皆さんはどのくらいご存知だろうか。それは、写真集「3030:ニュー・フォトグラフィー・イン・チャイナ」の表紙(白い網タイツを履いた、ピンクの足。口からは何か白い液体のようなものを地面に吐き出しているよう…)で見られるように、確実に若く、新しく、そしてワイルドだ。ブログによれば、これは、中国人版テリー・リチャードソンのようなリン・チー・ペン、別名223の作品である。今回PingMagは、生き生きとした現代中国の写真アートシーンについて、「3030」編集者であるジョン・ミリチャップに話を聞いた。そして、後半では、この写真集の関係者である223と、ウェン・リン、通称ジーボーイの話を紹介しよう。

作:ベレーナ
訳:ジュンコ


「3030: ニュー・フォトグラフィー・イン・チャイナ」のブックカバー、編集:ジョン・ミリチャップ(© 3030 Press)

ジョン、前に聞いた話では、もうかなり長いこと中国に住んでるという事でしたよね…。

10年近くジャーナリストとして香港で働いてるうちに、中国のアートシーンにハマッちゃったんだよ。それから北京で1年過ごして、2年前に上海に移ったんだ。

香港のアートシーンを一言で言うと、どんな感じでしょう?

巨大な本土とは全く違った特徴で、規模はずっと小さく感じる。…香港と言えども中国本土の豊かさやバラエティーには敵わないね。でも、ギャラリーのネットワークや美術館など、非常によく組織化されたインフラストラクチャを持っているよ。

上海と北京はどうですか?

1949年以来、北京は中国の文化の中心のように思われてるけど、僕としては、上海の方が遥かに見通しが良くて、新しいアイデアに対して受容的であるように感じる。沢山の人がアーティストになるために北京に行くけど、僕の印象だと、上海では、それほど分類されないと思うんだ。上海では、多くのクリエイティビティが、ファッションやメディアのような産業へ吸収されていて、それから、グラフィックデザイン、ファッション、写真、絵をミックスする沢山の若者たちがいる。僕は、みんなが今後8~10年の間に、100のギャラリーを建てたがっているって聞いたことがあるよ。

リゥ・レン / 刘韧:「We」(2006)、(© 3030 Press)

「3030:ニュー・フォトグラフィー・イン・チャイナ」は、どんな風に展開されたんですか?ただそのためだけに、「3030プレス」という出版社の設立までしましたよね…。

僕らは、2006年くらいに色々なアイデアを持ってスタートしたんだけど、写真集は、実行するのが最も簡単に思えた。ちょうどその頃、香港の沢山の写真家が上海に来始めていたし、僕は既に彼らの何人かを知ってたしね。

「3030」というタイトルは、30才未満の30人の写真家による作品という、本のコンセプトも表してるんですよね?この若い世代の特徴ってどんなことでしょう?

全体として、アーティスト自体が変化してきてるよね。芸術的な経験も違うし、アーティストとしての自身に対する意識なんかも。イメージとアイデアの操作という点においては、若い世代って、より洗練されているように思うな。多分その理由は、単に彼らはより多くの考えに露出されている分、前の世代からよりも外国の影響を強く受けているって事があるんじゃないかと思うけどね。

鳥の頭 / 鸟头:「2004-2005シリーズ(Print 262)」(© 3030 Press)

アーティストはどうやって見つけたんですか?

ユニタグっていう、本をデザインしてくれた集団が、上海、北京、広州の固いクリエイティブ・ネットワークに通じてたんだ。彼らが皆を紹介してくれた。それから、本に記事を寄稿してくれたオゥ・ニンとグ・ゼンは、その世界ではかなり顔が広い人物だったしね。

アーティストを選択する基準は何だったんですか?


ワン・イフェイ / 王一飞:「アンタイトル・ポートレイト」(2006)、(© 3030 Press)

作成段階で、既に僕らにはいくつかの制限があったんだ。スポンサーなしの自力で製作したから、コストの面でページ数は制限された。にも関わらず、僕らは、上海、広州、北京から、可能な限りたくさんの人達の作品を入れようとしたんだ。全体的な傾向を見るならば、そこには地域差があると思うから。広州や上海のような場所では、メディアがアーティストに対して、より強い影響力を持っているように思えるんだ。そこでは、アーティストの作品は、雑誌への仕事といった、より文書的なスタイルの傾向があるし。一方北京では、アーティストという地位を、より真剣に受け止めるかもしれないし、彼らの作品は、自身をアーティストとして捕らえた考えを反映しているかもしれないよね。

それから僕らは、作品に異なった影響を与える、色んなアイデアを探りたかったんだ。優れた芸術関係の人たち、メディア界の人、それに、ブログをするアーティストたち…。彼らはまだ余り多くの展示会に関わった事がない、かなりアマチュア的なサイトを持っているブロガーたちだけど、中国ではとても人気なんだよ。

3030Pressのサイトから、アーティストのブログをチェック!


グォ・ハン / 郭航: 「祖父、ファミリー・シリーズ」(2005)、(© 3030 Press)

ヒュアン・クィ / 黄奎: 「男は恥知らずではない」(2006)、(© 3030 Press)

海外でよく目にする中国のアートと異なって、「3030」では、中国のポップカルチャーを紹介し、毛沢東やプロレタリア文化大革命に関するような、既に知られたアートに関しては余り興味が無いようですね。

正にそれこそが、僕らがリン・ジー・ペン、通称223の作品を「3030」の表紙に選んだ理由さ。パンクのような攻撃的なイメージは、まさかそれが中国の写真アートに関するものだっていう印象を全く与えないよね。よくある大革命を表すイメージも、龍や書道も、中国人の顔さえ見えてないんだからね。

僕らは、中国のアートに対する先入観と離れた何かが欲しいと思った。西洋で成功している中国の現代芸術は、ある特別なキーワードを押さなければならないものであって、ある意味プロレタリア文化大革命毛沢東のような決まり文句の上で成り立ってるものだよね。西洋の聴衆、またはコレクターがアクセスしやすいと感じるのは、特定の時代、特定の種類の芸術なんだ。だから、それらは多くの政治上の大衆や、シニカルなリアリズムが別の用語として存在する傾向があるんだよ。

ツァオ・ヤォ / 赵要: 「右手02」(2006)、(© 3030 Press)

でも、「3030」のベースとなる前提は、門戸開放政策(90年代始め新しい政策の実施と経済の自由化)の後に、中国が大きく変わったという事なんだ。 ここで紹介しているのは、この新プログラムの下で成熟した若年層の第一世代だよ。だから、彼らの経験する中国は、彼らの両親とは確実に違ったものであり、彼らの母国に対するイメージは、急速に成長している経済ととても国際的な場所というものなのさ。当然、彼らの作品は全く異なってくるよね。20代半ば、もしくは後半の彼らは、アーティストとしても熟してきてる。でも、彼らの作品は、まだほんとに最近、多分ここ数年、国内の2・3の展示会で紹介され始めたばかりなんだ。

「3030プレス」を通じて、今後もっと他の作品も紹介していく予定なんでしょうか?

僕らの次の本は、中国のグラフィックデザインに関するものになる予定だよ。それから、「3030」写真セレクションのフォローアップがあると思う。あと、「17」という写真集を予定してるけど、これもまた17歳から19歳の間の若い写真家のコラボレーション・プロジェクトなんだ。もう一度、変わっていくジェネレーションを捕らえてみたいって思ってる。

チェン・ウェイ / 陈维:「カウントレス・アンプリディクタブル・スタンド」(2006)、(© 3030 Press)

ジョン、面白い写真のセレクションをありがとうございました!

次に、リン・ジー・ペン別名223と、ウェン・リン別名ジーボーイという2人の本の関係者から、彼らが感じる中国のアートシーンの話を聞いてみた。

現在、223は、ライフスタイル/文化/服飾の雑誌の編集長として、広州に暮らしている。ジーボーイは、最近、北京から米国に居を移したばかり。彼は「photoblogchina.com」という、中国のフォトブログのディレクトリ・リストの創設者であり、最近プロジェクトの1つとして、彼はFlickrを通じ、中国のフォトブログ展示会をまとめている。

カオ・フェイ / 曹斐:「ア・フートン・ワー」(2006)、(© 3030 Press)

ジーボーイ、今のあなたのお気に入りのフォトブログはどんなものですか?

ジーボーイ:マイケル・ザンハンカバッタリオンですね。

223、あなたの言う「ネイチャー・グラフィー・ソサイエティ」とは一体どんなものでしょう?

223:友人のアレックス・ソウ(広州市出身の若い写真家)と2人で、2004年に設立したものです。「ネイチャー・グラフィー」では、スナップショットのように自然なイメージスタイルに焦点を置いていて、以前は、喫茶店で展示会やスナップショット活動、写真スクリーンショーなんかをよく計画していました。でも、最近は忙し過ぎて、そういったイベントをやる事が難しいんですよね。

ウェン・リン(ジー・ボーイ) / 温凌: 「2003.10.19」(© 3030 Press)

今日の中国をどういう風に見ていますか?…アートを生んでいく若い人たちに対して…。

223:もしそれを気に入ったなら、やってみて。

ジーボーイ:どんどん良くなっていると思う。特に、中国のアート市場は活気があるから、若いアーティストがどんどんアートで生活出来るようになるよ。社会も、新しい芸術コミュニティに対して、より理解的になっているし。

ここ数年で状況はどう変わったんでしょう?

223:ここ2年間だけでも、どんどん多くの展示会とクリエイティブな活動がありましたよ。「ゲット・イット・ラウダー」展や、若い人達が手作りの作品やデザインを売ることが出来るクリエイティブなマーケット、iMARTみたいにね。

ジーボーイ:以前は、中国のアート市場は制限がきつくて、ほんの数人の最高のアーティストしか、芸術で生計を立てることが出来なかったよね。とはいえ、未だに、アートに関わる若い世代の多くは、まだ彼らの生活は守られていないと感じているけどね。

ツァン・ジュンガン / 张君钢:「ツァ・ロング」(2006)(© 3030 Press)

若い中国のアートは、メディアでも人気ですか?

223:一部の雑誌は、若者のライフスタイルに焦点を当ててるけど、でもメディアの大部分は、やっぱりまだ主流の芸術に関してリポートするのが好きですね。

オンラインウェブサイトとは別に、人々がそういった新しいアートを見られるような、展示会やギャラリーといった十分なプラットフォームはあるんでしょうか?

223:もちろん。例えば、ゲット・イット・ラウダー展示会。中国の主な都市には、若者たち向けに展示会やショーをやるコンセプトショップがどんどん増えていますよ。

ジーボーイ:アーティストにとって、一般的に、より多くのギャラリーを持つのは良いことだよ。でも、毎月いくつもオープンして、今、北京ではアートギャラリーが多すぎる。僕は、美術館のような、目的がお金に関するものではない施設が、これからどんどん増えることを願っているんだ。


アレックス・ソー / 苏焊光:「同じサングラス、違う人生」(© 3030 Press)

チ・ペン / 遲鵬: 「アイ・ファック・ミー、バスルーム」(2005)(© 3030 Press)

最後にもう一つ!中国に、ストリート・アートやグラフィティ文化はありますか?

223:はい。広州は、中国で最初にグラフィティ社会が出来た場所だと思いますよ。

ジーボーイ:政府は凄く厳しいから、グラフィティを許容しないんだ。だから、北京ではほんの少しのロケーションでだけそれを見れるんだよ。

223、ジーボーイ、ありがとうございました。若い中国のアートシーンについて知ることができて、楽しかったです!

3 コメント

  1. Well, it looks very nice, very like. Do you like?

    Posted by: christian louboutin @ 6月8日2011年

  2. porn sitesi :)

    Posted by: goruntulu sohbet @ 7月22日2011年

  3. 最新写真事情 in チャイナ good post1147

    Posted by: air multiplier @ 4月21日2012年

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