
嫉妬する額縁?感情を持ったマシン?ひじ掛け椅子でゆったり安らぎながら行う抗議活動?…まさしく!!ロンドンをベースにしたトロイカは、テクノロジー、芸術、そしてデザインがどうなり得るかという我々の認識に関して4年間取り組んできた芸術・デザイン集団。南ロンドンにある彼らの小さなスタジオで、コニー、エバ、セバスチャンの3人は、デザインを取り上げて芸術にし、デザインを通してコミュニケートし、そしてコミュニケーションから芸術を作り出す。…なんだか訳が分からない?その通り!それこそが、今回PingMagがトロイカまで出かけた理由なのである。
作:マット・ハッセー
訳:ジュンコ

まず始めに、トロイカを始めたきっかけを教えて下さい。
セバスチャン: 凄く自然にだよ!
エバ:私たちはロイヤル・カレッジ・オブ・アート(国立芸術大学)の同期でね、それぞれの興味が合わせたプロジェクトを一緒にやったの。
セバスチャン:それはとても有機的なものだったよ。僕らは、ただ座っててトロイカを作ったんじゃないからね。元々僕自身は一人でやることも考えてたんだけど、実際僕らはそれぞれが取り組んでる異なった事において、たくさんの意見を共有してたんだ。だから、徐々に一緒に仕事をすることになったってわけ。
エバ:私たちが取り組んだ製品のすべてには、3人全員で作り上げた、本当の物語があるの。まず物語の断片を作って、それから皆でアイデアを完成するためにそれぞれの方向性を持ち寄るのよ。だから、そのシステムを公式にするということは、とても自然な成り行きに思えたわ!

SMSゲリラ・プロジェクター

…便利な形式!

トロイカの本質って何だと思いますか?あなた方が伝えようとしている事への、明確な思考の道筋がありますか?
セバスチャン:僕としては、全体的に見ると、僕らの目的は主観的な挑発なんじゃないかと思う。僕らは、転換したり、物事が知覚される方法に挑戦するのが好きなんだよ。それに、製品から失われてしまったんじゃないかって僕らが感じてるものを作ろうとしてる。…主観性と物語、そう、箱の中に1万曲を入れてしまうこと(ipodのこと!?)を超えるような概念。うん、確かにそれも面白いよね。でもそれは挑戦では無いと思うんだよ。
我々は、技術の進歩の中で感情の面を見失いつつあると思いますか?物事が機能的になり過ぎました?
セバスチャン:ある意味、そうだよね。でも、感情の含まれないテクノロジーが悪いものであると言っているわけじゃないんだ。そのようなものを作るのは、信じられないほど効率が悪いだろうからね。でも、その失われたものが、かつて存在してた事は確かだよ。
トロイカは、現在持っている技術に関して、効率という点を取り出し、それをかつて持っていたはずの創造性と魔法と結合しようとすると思っているんだ。

あなた方の作品には、たくさんのリサイクルと、デザインに関する伝統的な考えがあるように思えます。例えば、「SCHIZOPOROTICA」という作品は、19世紀からパンチカード型のオルゴールを取り上げ現代化したものですよね。それはどういう理由からなんですか?
セバスチャン:技術って常に前方を見ていてさ、決して後ろを振り向かないでしょ?すごく直線的な思考。僕らは自分たちにこう尋ねるんだ。なぜそうなの?って。芸術においては、過去の作品を見て、自分の持つ現代の主観性でそれを解釈しようとするよね。でもそれは技術においては起こらないんだよ。人は、物が以前にどのように作られたかを決して考えない。携帯電話を見てよ。出回り始めた頃、将来どんな進歩が見られるか割と簡単に予想出来たんじゃないかな。その理由は、考えの全てが、とにかくより効率的でより多くの特徴、それにそれに…っていう事に関する事だから。ある意味、それは素晴らしいよ。でも、それって何を意味するんだろうね? …機能性以外の点ではさ。

奇妙なメロディーを作り出すrippedカード
芸術家が商業に従事するべきでないと考える人は少なくないよ。マーケティング担当者は、芸術家は利益を監督したり測定したりすることが出来ないと言うしね。でも、人って、何が機能的かということだけでなくて、色々と異なった道に従事することが必要なんじゃないかって僕らは思う。
エバ:人々は、主流のチャンネルや、それがどうやって人々に届くかっていう流れに疲れてきてる。特に広告では、特定のタイプの広告で、確実に特定のグループを掴むことができるし。でも、その他の多くの人々の事を完全に忘れてるのよね。でも実際そういうその他の人たちは自身のフィルタを開発しているから、ターゲットとされている事を認めてさえいないんだけど。
企業は、どのように人々に近づくかという事ばかり考えて、思考が狭くなっているということですか?
エバ:過去はそうかもしれない。でも、現在ではマーケティングの方法として転覆法を使用する多くの会社があるの。例えば、MTV。彼らは巨大な会社だけど、コペンハーゲンのMTV ヨーロッパ・ミュージック・アワードのための広告キャンペーンでは、私たちに完璧なデザインの自由を与えてくれたわよ。



MTVヨーロッパ・ミュージック・アワード2006

MTVヨーロッパ・ミュージック・アワード2006
セバスチャン:僕らは、アワードに行かないよう、街の役所の外で抗議をしたんだ!バッジ、バナー、ポスターに、賞が「やらせ」だと書いたよ。それからメインポイントとして、机上活動家のためのツールも使った。…メガフォンを街灯柱に取り付けたんだけど、そこには離れた場所からテキストメッセージを送ることが出来て、メガフォンがそれをコンピューター化された言語で読み上げるというものなんだよ。
その装置は、その後も色んな目的で使ってもらったよ。例えばある市場の露店では、ソーセージの宣伝用に使われていたし!他のある人は、街で人に声をかけるのにそれを使用していたね。
つまり、MTVのキャンペーンでは「アワードに行くように」とは直接言わなかったんだ。もっと破壊的で異なったテクニックだよね。それは、テクノロジーと広告において、クリエイティビティと転換の統合という方向へのシフトが存在してるって事を示したプロジェクトだったな。

テクノロジーと言えば、TVプレデター等、あなた方の作品の多くは自身を攻撃するテクノロジーを備えています。…ひょっとして、未来ってこんな感じなんでしょうかね?
セバスチャン:僕はこの作品がとても好きだよ!テレビばかりが注目を浴びるのに嫉妬する額縁。それで、額縁はテレビを攻撃するんだ。チャンネルを変えたり、音をいじくったり、スイッチが消されると逆につけたり…。それは、より人間の特色を表すテクノロジーさ。今後テクノロジーはもっと貪欲になるよ、ヤキモチも焼くだろうし… 他にも、人間が持つ全てのネガティブな特色を表すようになるんじゃないかって思うよ。
テクノロジーは、もっと人間らしくなっていくということ?
セバスチャン:その通り。…ほら、「ターミネーターの世界」!何かを印刷できなかった時、自分のせいではないと主張するプリンタ。彼(彼女?笑)は代わりにコンピュータを非難するだろうけど、そうするとコンピュータがケーブルを非難するんだ…。そもそも人は、こういった「神のごとく創造者になる」という妄想を既に持っているんだからね。そして僕らは、そういう世界こそ多くのテクノロジーが向かっている所なんじゃないかって感じているんだよ。

ということは、あなた方は、私たち人間を“幸せ”にする技術を作り出すという一般的な概念というよりは、むしろ自分自身に問いかけるマシン作ることに力を入れていて、そのためにテクノロジーをもっと理解しようとしているということなんですね。
セバスチャン:1つの要素としては、そうだね。世の中は、より効率的、より強力、それからもっともっと…という風にものを作ることに焦点を置きすぎているように思うんだ。僕らは自分たちがやっていることを楽しんでいるし、遊び感覚や物を面白くすることが好きだよ。でも、人々に、もっと実際に頭を使って考えて欲しいと思っているんだ。

楽しいテクノロジーのお話をありがとうございました! トロイカは現在ロンドンの科学博物館にて展覧会を行っています。それから、9月には、超シークレットの大きなインスタレーションがロンドンにお目見えする予定ですので、どうぞお楽しみに!
2 コメント
ウェブマガジン「PingMag」及び、姉妹サイト「PingMag MAKE」は、2008年12月31日をもって休刊いたしました。これまで応援して下さった世界中の皆様、またご協力頂いた皆様に、心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。
PingMagの姉妹版、日本のモノづくり情報を世界に発信中!
PingMagから大切なお知らせ
2008年12月31日
板谷龍一郎:色鮮やかでユーモア溢れる世界
2008年12月29日
マギボン:YouTube発のネットアイドル
2008年12月26日
ベネデッタ・ボッロメティ:たくさんの元気をくれる不思議な絵
2008年12月24日
中銀カプセルタワービル:未来の建築
2008年12月22日
花村えい子:キュートでポップな60年代の少女マンガ
2008年12月19日
日本のハイテクトイレ事情
2008年12月17日
アミューズメント:アートやファッションと融合するゲーム文化
2008年12月15日
HIROCOLEDGE:現代に溶け込む新たな伝統
2008年12月12日
瀬戸正人:ビンラン売りの甘い誘惑
2008年12月10日










SMSゲリラ・プロジェクター欲しい!
商品化してください!!!
Posted by: Tricot Maeda @ 3月11日2007年
sikişmek
Posted by: goruntulu sohbet @ 7月22日2011年