
自然を満喫する旅や、観光スポットを巡る旅…。そんな旅もいいけれど、東京で遊び慣れた人達ならもっと違った刺激のある旅を望むことも多いだろう。昨年末に配布され始めたフリーマガジン「Tipstarr>vol.2 THAILAND」の誌面では、グラマラスなタイ人モデルがバイクに股がり、人々が高層ビルの屋外レストランで食事を楽しみ、数ヶ月前にオープンしたばかりのデザインホテルがタイの新しいカルチャーを発信している。今日は、プロデューサーであるCreative Projectの畠山浩行氏に、ゴージャスな旅の情報を提供する雑誌「Tipstarr」について話を伺った。
作:チエミ
畠山さん、まずは「Tipstarr」という名前の由来、そして「Tipstarr」がどんな雑誌であるかを説明して頂けますか?
タイトルの「Tipstarr」は、アジアで星(Star)のように散らばる情報(Tip)を探しにゆく、という意味から来ています。
これは、毎回アジアの航空会社一社とタイアップして、年に1回、計4回の企画で進むプロジェクトで、一昨年に配布され始めた1号目がベトナム特集、昨年末に完成した2号目がタイ特集、3号目がバリ、4号目がマレーシア特集の予定です。機内誌を目標としていて、実際に機内誌としての許可取りの真っ最中です。現在の配布先は、現地のデザインホテル、成田空港の発着便の搭乗口などに重点をおき、日本では美容院をはじめ、ラウンジ、都内のセレクトショップ、クラブ(womb)、高級レストランなどですね。
また、毎回現地取材には日本のトップフォトグラファーを連れて行き、そこで撮った作品を原宿のEx’realmで2週間展示しています。

「Tipstarr>vol.1 VIETNAM」第1号目のテーマはベトナム。

昨年の11月から配布され始めた「Tipstarr>vol.2 THAILAND」表紙を飾るのはタイ人モデルのKanyanutとNiwattra。
どのような経緯で、この雑誌を作ることになったのでしょうか?
元々、僕自身が旅行をする機会が多くて、そのほとんどは3泊4日程度の非常に短期間なものでした。そんな中で、例えば「地球の歩き方」のような分厚いガイドブックを持っていっても、読みきれないですよね。だったら、機内でさっと読めるような物があったらいいな、と思ったのがきっかけです。その後、アジアのマーケットでも業績を上げているヤマハ発動機さんが、そのアイディアに興味を持ってサポートしてくれることになりました。
第1号目のテーマにベトナムを選ばれた理由は何でしょうか?
第1号は、日本とは正反対の社会主義国をテーマにしたいと思っていました。また、ベトナムは自分が訪れたことのない国だったので、「そこにはどんな物があって、どんな人達がいるんだろう」という好奇心もありましたね。
実は、初めてTipstarrを拝見したのは、1号目ではなく2号目だったんですが、それが「機内誌を目標にしている雑誌」と聞いた時には、かなり驚きました。既存の機内誌とは内容だけでなく、ビジュアルも非常に異なりますね。

タイのハイファッション・マガジン「2(Two)」の最新号
ベトナムでは、現地の情報重視で制作しましたが、2号目のタイでは少しランクを上げてハイクオリティなつくりを目指しました。
ここでの新しい試みは、タイで人気のあるハイファッション・マガジン「2」の編集長に巻頭4ページを担当してもらったことです。現地のトップモデルにタイのブランドの服を着させて、ファッション・シューティングしたんですよ。

ターゲットとする読者層もかなり絞られているようですね。
ターゲット層は、トレンドセッターと呼ばれている人達ですね。でも年齢は少し高めで、20代後半から30代半ばってところでしょうか。僕達が目標としているのは、マス誌じゃなくて、クオリティ誌なんです。機内誌で建物の情報ばっかりとか、飽きちゃいますし。ですから、しっかり遊んで旅を楽しみたいという、夢に惜しみなくお金を費やせる人達をターゲットにしています。でも、それが必ずしもお金持ちかというと、そうではないと思います。
掲載されている情報はどのように集めたのですか?
日本国内でリサーチしてから、現地の人間にもリサーチをお願いしました。でも、建築家のDavid Hodkinsonは、アラブの王様の家を設計したことがある人だという話をヨーロッパ滞在中に聞いて、そこから人づてに連絡していきました。あと、フォトグラファーのHans Kempは、書店で彼の写真集を見てコンタクトしました。また、NYにある「Dream」というデザイン・ホテルの2号店は、現地での取材中にたまたま見つけてオープニング・パーティーに行ったんです。そこでさらに色々な人に出会って、彼らを紹介することになりました。

今回紹介しているのは、タイの木村カエラのようなPalmy、様々な広告賞を総ナメにしてるBBDOバンコクのクリエイティブ・ディレクター、タイのヒップホップ・グループ、そしてアイドルのGolf Mike。日本の雑誌「Cawaii!」のタイ語版の読者モデルなども紹介しています。レストラン、クラブ、ホテルなども掲載していて、全体的にバランスは取れていると思っています。ほかにも、伊藤桂司さんがディレクションするアートワークのページもあります。


内容をまとめてゆく上で、注意している点などありますか?
現地の人々のカルチャーに特化していて、旅を通してその国の現状がうまく分かるようにしています。
今後、他の大陸をテーマに企画を広げる予定は?
それは分かりません。現実的に考えて、例えばアフリカをやりたいって言った時に、長時間のフライトに耐えてアフリカに行く人なんて、そうはいないですよね。なので、Tipstarrではアジアをひとつのマーケットとして考えたいと思っています。
では、Tipstarrとしての今後の予定は?
現在は日本語版だけが入手可能なのですが、英語版の制作も進行しています。
2号目に関しては、Tipstarrのツアーが始まります。今年から企画が動き始めるのでまだ仮なんですが、「ドリーム・トラベル」という名前のバンコク・ツアーで、ROH(Royal Orchid Holidays)というタイ航空のツアー会社と組む予定です。Tipstarrが一日のスケジュールを考えて、例えば昼はこのスパに行き、夕食にはこのレストランへ行って、夜はこのクラブに行って、このDJプレイを聞く…という感じで。でもそれがスタンダードな形で、最終的にはコンシェルジュのようなサービスをしたいと思っています。


また、パスポートケース、旅行バッグ、機内用の枕などの機内のアメニティの企画・制作・販売や、機内で音楽が聞ける「Tipstarrチャンネル」の構想はあります。でも、そこまで広げる前にアジアを十分に理解して、地に足を着かせて、ブランディングも確立させたいですね。展開してゆくのはそこからです。裏には戦略とか計算もありますけど、一番大切なのは良いものを作りたいっていう気持ちですよね。そうすれば、結果がついて来ると思うんですよ。
これからこの雑誌を手にしてアジアの国々を訪れる人達に、何かメッセージはありますか?
とにかく、旅を楽しんで来てください!ってことです(笑)。
アジアって本当に面白いし、楽しんで遊べば何かが見つかる場所だと思うんです。でも、真剣に遊ばないとダメですよね。
次のお休みには、アジアを旅してみたくなってきました…!今日は有難うございました!
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Posted by: ZeroMemory Bookmarks » PingMag - 東京発 「デザイン&ものづくり」 マガジン » Archive » Tipstarr:ゴージャス&グラマスに、アジアで遊べ! @ 3月27日2007年