冬の晩には素敵なラベルの日本酒を

2007年1月31日 カテゴリー: グラフィック, プロダクト, 国内

冬の晩には素敵なラベルの日本酒を

昔のお酒のラベルデザイン。祝い酒なだけに鯛のイラストが描かれている。

波しぶきや力強い筆文字、それに金箔などが装飾された迫力ある日本酒のラベル・デザイン。普段私たちが見慣れている日本酒のラベルをよく見てみると、そのデザインは日本人ならではのセンスで、何か特別な感じがしてやまない。そんなものをPingMagで紹介しないなんて…!今回は皆さんに様々な日本酒のラベルデザイン、そして日本の書体のいくつかを紹介します!

作:リョウコ

簡単に手に入るアルファベットの書体に比べて、あまり種類が豊富ではない日本語の書体。(もし毎回、新しく書体を作らなければならないとしたら、少なくとも8000文字は制作しないといけないのでは?…そう考えると、なんて労力のいる作業だろう!)そんな数少ない日本語の書体なのだけれど、お酒のラベルにはそんな書体が大活躍。そして、背景に描かれたデザインも興味深いものが多い。


キンシ正宗の「大吟醸」

古いスタイルがカッコイイ!!!

1781年に京都の醸造所キンシ正宗で作られた、この古い大吟醸のお酒の瓶をまず観て頂きたい。その瓶には青、緑の異なった陰が出来ていて、突起状の蓋が付けられている。次に、ラベルに注目すると、白の家紋のようなイラストが下にあり、その上にお店の名前である「正宗」をモチーフにしたような文字がデザインされている。

その瓶の中央にあるこの美しい文字は、グラフィック・デザインとカリグラフィーを合わせた技術で表現されている。独特のひげ文字をベースにし、更に線が加えられている。


飲むと優しい気持ちになれそうな「加賀ノ月」

飲み過ぎると思わず…?「舞姫」

続いてご紹介するのは、「加賀ノ月」(左)。名前にあるように、大きな月が描かれているシンプルで美しいデザイン。そして日本のインクの独特な質感は、月が隠し持つ力、加賀という土地の持つ力強さを見事に表現している。また、その上品な黒で書かれた銘柄は、木版文字のようなミンゲル文字を思い出させる。

その隣のお酒は「舞姫」。そのラベルの文字は、女性が舞を舞う姿を彷彿させる。同時に、それとは対照的な花のイラストが加わっていることによって、荘厳さだけでなく可憐さをも感じさせる。

雪国、新潟県から「越後鶴亀」

こちらは雪国、新潟県の越後鶴亀。日本海の波の絵や大胆な文字使い、レトロな模様といったどれをとっても奇抜な要素が見事にマッチ!


こちらは広島から「賀茂鶴」

日本酒ではなく焼酎の「黒」

富士山と鶴をラベルのモチーフにした「賀茂鶴」(左)は、なぜか外国での販売を意識したようなデザインで、他の瓶のように日本語書体で書かれた文字が中央にない。また、右の焼酎「立山」は、左とは対照的に力強い書体で銘柄が書かれている。脇にある稲穂のイラストは、この日本酒が作られている立山の蔵が穀倉地帯にあり、良質の米に恵まれているからのようだ。


薄い紙に包まれた「雪の音」

「神亀(シンカメ)」というこのお酒にはひげ文字が使われている

名前も素敵な「雪の音」は、言葉の響やその文字のデザインから、寒い冬に雪がしんしんと降る様子を思い浮かばせる。

一方その隣の「神亀」は、手描きの文字や亀のイラストレーション、数種類のフォントを使った、ユニークで思考を凝らしたデザイン。余談だが、日本には古くからある「鶴は千年、亀は万年」という言葉通り、亀は鶴と共に長寿の象徴、夫婦円満の象徴とされている。

冷蔵庫で冷やされているお酒

ショー・ウィンドウに並ぶ色とりどりのお酒

下は1988年の清酒大関の一升瓶。大関製造270年を記念して、曾ての陶製の瓶を白ガラスで複製したもの。ラベルにではなくて、瓶そのもの自体にデザインが施されている。右は、製造者自身の大胆な家紋のラベル。西洋的なこの家紋は、実に神秘的!


高級そうな「大関」

まるでトランプのマークのようなラベルの「剣菱」

家紋!

続いてご紹介するのは浅草のお酒。浅草寺の雷門が描かれているラベルは、まさに浅草という土地そのものを象徴している。そのお隣のお酒の箱は、川の流動感表現されている雅びやかな金をベースにしたデザイン。フォントのスタイルがより一層日本的な美しいデザインにしている。


雷門のついた「浅草」

誘うようにギラギラと光る「奥秘峡」

最近では、プロのデザイナーによるアーティスティックなラベル・デザインも増えている。


月桂冠・awai 」デザイン:平野敬子

富久錦」デザイン:GRAPH。因みにこちらのウェブサイトを手掛けたのは、以前PingMagでご紹介したSemitrasparent Design

平野敬子によってデザインされた左の「月桂冠・awai」は、2003年の日経BPデザイン賞を受賞している。また、クリエイター集団GRAPHによってデザインされた「富久錦」は何種類もあるので、ぜひウェブサイトでチェックしてみて欲しい。

最後に、地方のユニークな酒瓶をいくつかご紹介!

色鮮やかな「ふり袖」(画像:向島酒造

表情が面白い「おかめ」(画像:木の村コレクション

飲み過ぎには注意!「ひょっとこ」(画像:木の村コレクション

置物…?「鬼ヶ島」(画像:木の村コレクション

本当に飲んでもいいのでしょうか?「大師泉」(画像:木の村コレクション

見た目も度数も強そうな「七賢」(画像:木の村コレクション

ひょうたん型の「大津絵金梨地瓢箪」(画像:木の村コレクション

「じょっぱり」は、意地を張るという意味だとか…。

今日は、お酒のラベル・デザインにある独特な雰囲気を感じ取ってもらえることができたでしょうか?次に日本酒を飲む時は、ぜひラベルのデザインにも注目してみて下さいね。

4 コメント

  1. 素敵な記事アリガトウゴザイマス。
    ちなみに、賀茂鶴は広島県のお酒では。

    Posted by: ヤーマン @ 2月1日2007年

  2. コメントありがとうございます。さっそく、調べ直しました。本当にすみません、賀茂鶴は広島のお酒でしたね。

    Posted by: ryoko @ 2月6日2007年

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    Posted by: presentation skill @ 11月9日2011年

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