
150年以上続いた産業化の間、都市には一定した成長があり、そのうち一部は巨大なスプロール現象へと繋がった。しかし最近では、経済的な衰退とその他の様々な要素によって、都市が再び「縮まり」ほとんど消え失せてしまいそうだという事実をご存知だろうか?世界的に見ると約4分の1の人口が減り、例えばマンチェスターのような都市では、20年の間に既に半分の人口を失っている。これは人類の危機なのだろうか?…実際、我々は身近な店が閉店していることに気づいてさえいないのではないだろうか?学際ドイツ芸術プロジェクトである縮小する都市展(Shrinking Cities)は、2004年、主要な人口縮小都市である4つの都市に焦点を合わせた展示会を行い、この現象を人々に示した。また、昨年末には、この活動のコンセプトを提示するフォローアップの活動を行っている。
今回の展示会は、東京大学の大野秀敏教授による、2050年の東京を描いたファイバー・シティ・プロジェクトと共に、今週日曜日から秋葉原のアキバスクエアで開催される(詳細は最後に)。都市の縮小という世界的な問題と我々の認識に関して、縮小する都市展のドイツ人発案者であるベルリンのフィリップ・オズワルドに話を聞いた。
作:ベレーナ
訳:ジュンコ


縮小する都市プロジェクト発案者のベルリンのフィリップ・オズワルド
まず第一に、縮小する都市という言葉にとても興味を引かれました。「縮小」という言葉は、企業のリストラによって多くの人が職を失う「ダウンサイジング」のような、経済的な用語とよく似ていますよね。なぜこのような言葉を選んだんでしょう?
我々の社会は、一定した成長という概念によって、ある大きな範囲まで形作られていきます。僕は、だからこそ何の着色も脚色もない用語が欲しかったのです。多くの人が、この言葉を否定的過ぎると拒絶しました。でも、なぜでしょう?もし、都市が全体の人口の半分を失うとしたら、それを他に何と呼んだら良いのでしょう?実際、これは政治上のレベルでもタブーなように思えますが、通常の言葉遣いでさえ、今のところそれを特別に命名しないようにしているようです。破壊現場だって、「より高いレベルの都市再構築がある領域」と呼ばれるんですから。それに対して、サブカルチャーなどでは「縮小」を一種のスタイルとして使ったりして、もっと肯定的に捉えていますよ。例えばヒップホップの歌詞が、ゲットーとそこから抜け出すことの厳しさを強調する傾向があるようにね。これって本当に不条理ですよ。


「縮小する都市」プロジェクトについて詳しく教えて下さい。開始当初のアイデアはどんなものでしたか?
90年代の終わりまでに、ドイツの東西統一のもたらす経済成長が期待したほどではないという事実が目に見えて現れてきました。結果的に、残ったのは20パーセントの失業率と100万戸の空室アパート。そして、そういった事実は当初隠されていたのです。2000年以降も状況はより悪化し、連邦政府は破壊プランなるものを発案しました。そういった背景から、僕はこの問題に取り組み始めたんです。街の破壊が文化に介入して大きな変化を運ぶ可能性が高まるにつれ、僕はそんな状況に関して論議を起こしたかったんですよ。何しろ、これは何十年もかけて現れているグローバルな展開なんだし、プロジェクトを通して、他の国々や文化が、良くも悪くもどうそれに対処しているのかを見たかったんですよね。第一段階では、ロシアのイヴァノボ、英国のマンチェスターとリヴァプール、米国デトロイト、そしてドイツのライプチヒ/ハレの4つのエリアに焦点をおきました。最初は、「縮小する都市展」は、ベニスのArchitectural Biennale 2002のドイツパビリオンでの開催を意図されたものでした。でも、選考に漏れてしまったため、ドイツの連邦政府の文化財団Federal Cultural Foundationが引き継いで、それに融資してくれたんですよ。

デトロイトの減退している繁華街:1950年の中央(黒)から、2000年には、郊外(灰色)の成長へ © Shrinking Cities

「計画された破壊 destruction と失敗した計画」1950年(黒)のビクトリア風の家々から、混沌の破壊と再建設(再建築)の後には、マンチェスター/リバプールのHolme地区の構造は完全に細かく裂かれたように見える(灰色)。© Shrinking Cities
2004年、「縮小する都市」は、第一回世界芸術調査を提示し、現状を伝えましたね。そして、今あなたは活動に関する具体的なコンセプトと共にフォローアップを行っています。それについて説明して頂けますか?
ここ150年間以上、我々は経済的都市成長にどのように対処するかといった、都市計画の方法を行って来ました。それに反して、もうこれ以上街の芝刈りをする一定の方法を思いつかなくなりました。すなわち、都市に影響を及ぼす事柄が、通常の都市計画の規則をはるかに超えているからです。都市の「縮小」は、経済的、技術的な開発に由来するものであり、明らかに意図されたものではありません。アンソニー・ギデンズやUlrich Beck(ウルリッヒベック)のような社会学者からは、縮小は現代性の再帰の一部として起こっているのだとする声もあります。自説の中で彼らは、今日我々は、様々な因果関係から成るモダニズムの副作用と対処していく必要があるのだと強調しています。というのは、それぞれ異なった決定的要因については、さらに大きく異なったレベルにおける活動を必要としているということなのです。

ローカルレベルで言えば、例えば、ベルリン基盤のプロジェクト「ノイランド」では、競売で使用されていない土地を市場に開放する事を求めています。「クレイミング・ランド」というプロジェクトでは、放棄されている土地を無料で分け与えることを求めています。ただ、そういったことは土地の所有権などの重要な事に関わってくる問題なので、国家的なプロジェクトの一例といえるかもしれませんね。僕個人としては、ブラジル首都のポルトアレグレで実行されたドイツの芸術プロジェクト「Sonderwohlfahrtszone」の、より基本的なアプローチを気に入っていますよ。人気のない領域の再構築がそんなに問題ならば、市民自身が、公的資金をどう使ってホームタウンの資金援助するかを決めるのはどうなんだろう?ってものなんですけど。…でも、通常、どんな資金的なサポートも、単にシンボリックな介入であること意外はそれほど大きな影響力が無いという事も事実ですね。



それが、建築家、映画製作者、ジャーナリスト、芸術家、および文化学者、社会学者が共同で動いた、都市の衰退に関する最初のプロジェクトなんでしょうか?
いいえ。それでも、この類の学際の仕事は、まだそれほど一般的ではないんですよ。特に、芸術か、それとも文書で証明するような内容のどちらかに分類しようとする展示会場所に関することになるとね。「縮小する都市」は、非常に異なった側面から問題に取り組む作品を特集しています。調査に基づいた事実を大切にする冷静な科学的アプローチから、非常に特定な状況を見つめる芸術的アプローチに基づく作品までね。

建物の空き状況は、新たな芸術的な傾向と開発に役立つかもしれませんよね?
うーん、そうですね。近年ドイツでは、芸術家に一時的な芸術空間として、空いている店を使用させる傾向があります。 僕はこれをやや批判的に見ていますが。なぜかというと、2~3週間起こって消えてしまうような、永久的な効果が無いほんの一時的な都会を作るからです。間違いなく、これは重要だし、刺激にはなりますよ。ただ、全体的な問題を芸術家が全て解決してくれる事を期待するのは違うんじゃないかということなんですよね。例えばロバート・スミスソンのランド・アートは、スペースに関する考えを表し、それは、「縮小する都市」プロジェクトで伝えたいことと非常によく似ています。

「縮小する都市」の世界地図
展示会以外に、アウトプットとしては「縮小する都市」:世界地図があります。新鮮なデザイン でありながら、且つ真剣にその件に取り組んでいる、何百ものインフォメーショングラフィックスに驚かされました…。
これは2人のスイス人のデザイナーと共同で作られたものです。我々は、都市の実際のケーススタディによって、これら全ての相対的な抽象的インフォメーショングラフィックスに矛盾的に挑戦しようとしたんです。これはまた、物語でもあるんですけど。例えば、1つの実際のロケーションのケーススタディに反するエイズのレートに関した表を提示したりとか。


ありがとうございました。今回の話で、この問題に対して我々の読者の認識を高めることを願います。 展示会でお会い出来るのを楽しみにしています!
展覧会情報:「縮小する都市展」と ファイバー・シティ
会場:秋葉原Akiba Square2Fの秋葉原UDX
日程:1月28日~2月18日
入場:無料(トークショースケジュール詳細はコチラから)
3 コメント
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いれちゃった
Posted by: i @ 4月12日2007年
いれちゃってみる!
いれちゃってみる?
いれちゃってみる!!
Posted by: i @ 4月12日2007年
縮小する都市展 good post1118
Posted by: air multiplier @ 4月21日2012年