
PingMag読者の皆さん、お待たせいたしました!本日より、PingMagは通常営業に戻ります。今年もどうぞ宜しくお願い致します!…さて。お正月になると、私の祖父母の家に親戚が集まり開かれる毎年恒例の「カルタ大会」。優勝者には金一封が与えられるこの大会は、皆が最も楽しみにしている行事のひとつ。ちょっと賭博的なこの遊びに、子供だけでなく、大人達までもが夢中になる姿が面白い。祖母がカルタの歌を読み上げると同時に、皆が一斉にその歌の頭文字とイラストがついたカルタを探す。残りのカルタの数が減るにつれ、皆の勢いは増し、カルタを取るのにダイブする者すら現れる始末…。そんな楽しいお正月の思い出から、私はカルタについて少し調べてみたくなった。
作:リョウコ
今回訪れたのは、大正時代から営まれている東京・神保町の「奥野かるた店」。このお店には、歴史ある古いものから最近作られたものまで、様々な種類のカルタが揃っている。

ウィキペディアによると、「カルタ」という名前は、ポルトガル語で「カードゲーム」を意味する「carta」が由来なのだとか。しかし日本はカードゲームと言っても、トランプのような数を使った遊びではなく、絵や歌を主とした独自のものを作り上げた。
一般的に、日本のカルタは“歌”(和歌や諺)とその歌の内容を表した“絵”の二種類で構成されている。皆さんもご存知のように、その遊び方は、一人が読み札(歌のカルタ)を読み上げて、何人かが床にバラ撒かれた絵札(絵のカルタ)を競い合って探すというもの。それでは早速、奥野かるた店で見つけた様々なカルタを紹介しよう。
百人一首
日本のカルタで最も古くからある「百人一首」。百人一首には、日本の昔の大名や姫などの選ばれた百人の歌人たちの歌と、その歌人たち自身の絵が描かれている。

こちらは江戸後期に作られた百人一首。この時代、印刷技術などは勿論発達していなかった為、全ての札は墨刷りで彩色も手で施されている。その独特で奥ゆかしい色使いは、日本の静かな趣や神秘的な空気感を漂わせ、また、達筆で繊細な筆文字は、その美しさをより一層際立たせている。
現代の花札

次は、日本の伝統的なカルタのひとつ、「花札」。昔、花札は「花かるた」とも呼ばれていた。花札には百人一首のような歌はなく、主役となるのは色鮮やかに描かれた12ヶ月折々の花や動物のイラスト。その一枚を手に取れば、思わず見入ってしまう程に美しい。昔は、賭博の遊びを中心に、各家庭でも頻繁に楽しまれていた花札だが、最近ではゲームやインターネットの普及で、その人気は確実に衰退している。
任天堂の花札

任天堂と言えば、今では世界的に有名な家庭用ゲーム機の会社。けれど、任天堂が最初に手掛けた事業が「花札」だったのは、ご存知だろうか?こちらはその当初の任天堂製カルタの主要商標。
明治の花カルタ

まんまるお月様

白鶴

雷雨の中を駆けてゆく人

梅の木に止まるうぐいす
賭博に使用されていたカルタが製造を禁じられ、その代わりとして作られた「明治の花カルタ」。先程の現代の花札と比べてみると、全く対照的なこの花カルタの絵は、水彩画のような淡い色で描かれた手書き感に溢れている。
小花カルタ

一般的なカルタのサイズも十分に小さいけれど、こちらは更に小さな小花カルタ。こんなことが出来るのは、手先が器用な日本人だからこそ!
妖怪花カルタ

不気味な妖怪…

舌がのび〜る!

楽しげな妖怪達

目玉親父!
こちらはかの有名な、妖怪漫画家・水木しげる氏の「妖怪花カルタ」。不思議なことに何の違和感もないくらい、ユニークな妖怪達が花札にマッチしている。お決まりのイラストの上に描かれた妖怪達の無邪気さが魅力的。
花カルタ・敷島

版画家・伊藤卓美氏による版画のカルタ。このカルタは、版画を使って描かれた色鮮やかな花をモチーフに、日本の情緒ある美しさを表現している。伊藤氏の作品には、日本の田舎の風景や石仏などもあり、そのどれもが優しい色使いで、見ているものを温かく、懐かしい気持ちにさせてくれる。
次に紹介するのは「いろはカルタ」。いろはカルタとは、日本の旧仮名づかい(い・ろ・は・に・ほ・へ・と)から作られた諺の古典的なカルタのことを指す。
宮沢賢治カルタ

宮沢賢治の童話をカルタにした作品は、同じく伊藤氏が手掛けたもの。このカルタを制作した理由は、伊藤氏が宮沢賢治の作品にとても感銘を受け、その作品を自分の手で何か形として残したかったからなのだとか。
江戸いろは&切り紙いろは

木版手摺り江戸いろはカルタ

切り紙江戸いろはカルタ
こちらは、木版のいろはカルタと、画家・安野光雅氏によって切り紙で作られたカルタ。どちらもシンプルでありながら、その絵に力強さがみなぎっている。
一茶カルタ

毬で遊ぶ娘さん

蛙の親子
こちらは、歌人・小林一茶の歌から作られた切り絵カルタ。
豆一六

こちらは「豆一六」という関西地方のカルタ。見て予想がつくように、賭博用として使用されていた。白・黒・赤の配色のシンプルな配色に、粋な江戸文字!
道才カルタ

「道才カルタ」は、諺が書かれた専用の札を使った遊びで、元々は子供の為のカルタだったが、そのうち大人用の賭博道具となった。「これに懲りよ道才坊」という意味深な札が、このカルタの名前の由来らしい。
江戸妖怪カルタ

こちらの「江戸妖怪カルタ」は、江戸後期に作られたカルタの復刻版。江戸時代ならではの見応えのある妖怪達が印象的。
うんすんカルタ

主に賭博に使われていた「うんすんカルタ」は、江戸時代にオランダから伝わったものを参考に日本人が作り上げたもの。 何故か熊本県人吉市だけに伝わっているそうで、今では遊び方を知っている人は50人を切るだろうという貴重なカルタ。ちなみに、その名前は「うんともすんとも言わない」の「うんすん」が語源だそう。

啄木カルタ

痛々しいほどの純粋な…

…乙女の表情。
こちらは、昭和14年の雑誌「少女の友」で評判になった付録を復刻した「石川啄木カルタ」。このカルタは、歌人・石川啄木の詩とイラストレーター・中原淳一の絵を組み合わせたもの。純粋で叙情的な詩と、乙女チックなイラストが見事にマッチ!
最後に…
人生の教訓を教えてくれる「お料理いろはカルタ」。見た目よりも料理が出来る女が一番、ということらしい!

お嫁さん

料理上手になろう!
今日は様々なカルタを紹介しました。奥のかるた店の皆さん、ご協力ありがとうございました!
3 コメント
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かるた、素敵です!
実はハワイに行ったときに、向こうでハワイ花札というのを売っていたので買ってきました。
世界にも普及しているのでしょうか…
Posted by: naoko @ 1月10日2007年
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