
モバイルビジネスについて考えを巡らすと、当然のことではあるけれど、ほとんどのコンテンツが営利目的のものだ。しかしどんなビジネスにもニッチ産業はつきもので、携帯プラットフォームが単なるマーケティングやコンテンツ販売にとどまらない使われ方をされる場合がある。例えば、日本では簡単にNHKの番組を携帯で見ることができる。しかし携帯電話がデザイナーや、イラストレーター、そしてアニメーターにとってクリエイティブなプレイグラウンド、サイズは小さいながらも視覚的に表現するプラットフォームになることが想像できただろうか?これまでは自分の携帯カメラで撮影した写真を壁紙にするのが当たり前だった。しかし、FlashLite(多くの日本製機器で標準対応の動画編集ソフトウェア)のお陰で、アーティスト達はこの小さなスクリーンを利用し、独自の動画壁紙や、待受画像、それにカレンダー等を製作し始めた。また、彼らはメニューのデザインも手がけ、携帯画面をカスタマイズする新しい道を見つけ出すことにも挑んでいる。例えば、こんな風に…。
作:ベレーナ
訳:ヤスエ

携帯で見た「現代芸術博覧会」のウェブサイト
他国と比較して、日本における携帯エンターテーメント市場は明らかに規模が大きい。その意味は、携帯を情報収集やビジネス用として使うことだけでなく、新しいデザインの壁紙等に継続的な需要があるからだ。
「日本の平均的な女子高生が1ヵ月に費やす携帯電話のコンテンツ料金は、15000円にもなるそうなんです」東京に活動拠点を置く坂口真生(さかぐち・まお)氏は言う。それほど需要があるのなら、携帯画面用にアートを制作し、ただ楽しいだけではなく、さらに良質なものをユーザーに提供しない手はない、と彼は考えた。そして、コンテンツ・プロバイダーであるジグノシステムジャパンを6ヶ月もかけて説得した後、この4月から坂口氏の新プロジェクト「現代芸術博覧会」は、小さな動画を手がける日本のイラストレーター、グラフィックデザイナー、ストリート・アーティスト、キャクター・デザイナーを集め始めた。

それでは実際に「現代芸術博覧会」のウェブサイトと、現在登録されている20アーティストの作品を見てみることにしよう。坂口氏はその中のほとんどのアーティストを自身の展示スペースBBS TOKYOストアを通して見つけた。BBS TOKYOストアは、フランスのデザイナーズ・ブランド「HP France」とニューヨークのドラムンベースのレコード・ショップ「Breakbeat Science」によって運営されている。アーティストの多くはイラストやストリート・アート出身でありながら、FlashLiteにも果敢に取り組んでくれた。しかし、この動画作成ソフトウェアの扱いに慣れていない“アナログ”なアーティスト達はまだまだ存在し、そんな彼らに坂口氏は携帯動画の世界にぜひとも挑戦して欲しいと思っている。

坂口氏「私はトラディショナルなドローイングやペインティング・アーティストと、フラッシュを手がける人たちとのコラボレーションをさらに進めていきたいと思っています。現在、私たちはMIXIを利用して、異なるジャンルのアーティスト達のプライベート・ソーシャルネットワーク作りや、デザインの向上のために、互いのアートを交換できる場を提供しています。」
坂口氏が、コレクションの中から素晴らしい携帯アートの数々を紹介してくれた。
札幌に活動拠点を置く前田麦(まえだ・ばく)によるミニマル・グラフィック。イラストレーターでありキャラクター・デザイナーでもある彼は、小さくて愛らしいジャンケンポン!の待受画面や、キュートな幾何学模様をデザインする一方で、ギザギザなスクリーンメニューのデザインを手がけたりするなど、その作品はバラエティに富んでいる。

前田麦による作品
黒田潔は商業的なデザインとアートの両方を手がけるイラストレーター。彼は最近、Design Tideでライブ・ペインティングを行った。12月2日より渋谷のNANZUKA UNDERGROUNDで開催される彼の個展に足を運べば、デリケート・オーナメントを描く彼の姿を見ることができるだろう。


Ogi Graphics

マツダケンジ
次に紹介するのは、女性をモチーフにした作品。アメリカ留学から帰国したOgi Graphics は、グラフィティと、コラージュっぽいクールな女性のドローイングを組み合わせた携帯アートを手がけた。

JYNX
また、小さいスクリーンを優雅にデザインするアーティスト、マツダケンジの写真、グラフィック、イラストが巧みにミックスされた作品は、シンプルなペイントの飛沫にとてもマッチする。上図の花で飾られた少女のイラストのように、黒や白、そして黄色のような強い色を使用するのが彼の作品の特徴だ。
JYNXもまた、ストリートアートを待受動画のようなカラフルなペインティングへと痛快に転換させるグラフィティアーティストの一人。
次は、先ほども紹介した前田麦によるユーモア溢れるインターフェース・デザイン。平凡な形のあなたの携帯メニューオプションを、キュートなボックスに変えてみたくならないだろうか?

前田麦のメニューデザイン

彼末俊介のインターフェース
The 7th Brotherとしても知られる彼末俊介(かのすえ・しゅんすけ)は、アニメーションディレクターであり、モーショングラフィック・アーティストでもある。携帯画面デザインの新しい道を探求し続ける彼にとっては、携帯のメニューは単なるユーザー・インターフェースではない。全体的に黒と緑の色合いの強いカラーで構成された草むらからは、ウサギになったメニューオプションが飛び出してくる。

彼末俊介の他のメニュー

カモフラージュ by 彼末俊介
グリッド上に配置するような一般的なメニューの構成以外にも、出来ることは沢山ある。単純に順番に配置することを放棄し、もっと直感的なデザイン、フリースタイルで挑んではいかがだろう。また、ある機能を選んでクリックした時、それがどのように飛び出して開くのかというのも重要な要素だ。左上の作品では、バックに樹木があり、鹿が動いている。彼末俊介がこの動画でどのくらい自由にメニューオプションを配置しているか見てみよう。
他にも彼末俊介の作品には、カモフラージュ模様の表面に、ポインターを移動させるとオプションが現れるメニューがある。彼のウェブサイトで実際に動く様がチェックできるので、興味のある方はぜひ。

MHAK!!
ご覧の通り、MHAK!!はグラフィックデザイナーだ。彼はグラフィティの観点に立ったライブ・ペインティングも多く手がけている。この動画壁紙は「秋」をテーマにした、枯葉がデリケートに舞い落ちてくる作品。これは最近なかなか人気なのだと坂口氏が教えてくれた。はかなげな花模様に鉛筆やインクで描かれたダイナミックなグラフィック文字が添えられたこの作品は、オーナメントのデコレーションのように愛らしい。人気があるののも当然だろう。
レインボーカラーや、大きなアフロヘアの人々のイラストで知られるGEWGAWは、ストリートアート出身のアーティスト。彼らの作品(左下)は、広大なインダストリアル地帯で時間を表示するこの待受画面のように、ミニマリスティックな色で表現したグラフィックだ。

GEWGAW

高野桂太
高野桂太はスクリーンを見ることに退屈しない、小さな欲張りモンスターのようにカラフルなものが好きだ。
他にも、Kanako Anamachy、Ryo Onoなど、ケータイ画面をリッチなものへと変貌させる素晴らしいストリート・アーティスト達の作品も一見の価値がある。
坂口さん、今日は携帯フラッシュアートで何が出来るかを教えてくれて本当に有り難うございました!
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[...] Read about Mobile Flash Art (English/Japanese) … not particularly news for those in the Flash Lite community, but I thought some desktop designers might be interested in reading about mobile art as it applies to keitai culture in Japan. [...]
Posted by: Scott Janousek » Blog Archive » Mobile Flash Art: cell phone as artistic platform @ 12月2日2006年
[...] (via Bill Perry) - a link to an article from Japan (English version or Japanese version) about artists who are designing visually stunning wallpapers, screensavers and menus using Flash Lite. It’s a good news to know that even designers and “pure” illustrators are seeing in Flash Lite a useful expressing tool.. In linked post you can find a lot of cool contents. If you think of the mobile business - in terms of content most of it is - well - commercial, of course. But as with any business there is always a niche that finds its way and manages to avoid using it as a mere platform for marketing and selling content. One thing you might know for example is that in Japan you can easily watch NHK (national TV) on your mobile. [...]
Posted by: .byte-sm’s blog - Leonardo Risuleo » Cell phone as artistic platform @ 1月6日2007年
[...] なんと、彼は世界のデザインを紹介するブログ、PingMagに紹介されたほどの実力の持ち主。マツダケンジさんのウェブサイト、アジャマニアのアートギャラーもぜひ見に行ってください。 [...]
Posted by: sada104.com » Blog Archive » 104 x マツダケンジ: featured artist vol. 1 @ 11月17日2007年