心も弾むポップアップ絵本

2006年11月27日 カテゴリー: イラストレーション, インターナショナル, 民芸・工芸, 特集

心も弾むポップアップ絵本

飛び出す絵本「不思議の国のアリス」(ロバート・サブダ)では、夥しい数のトランプが宙を舞う

絵本を開くと、そこから登場人物達が飛び出してくる。まるで絵本の中の世界が現実になったかのよう。ポップアップ、飛び出す絵本。その名の通り、この絵本は私を驚かせ、不思議な世界へと導いてくれる。子供の頃に味わった、胸がドキドキするようなあの感じ。無限のイメージが、幻想が頭の中で広がってゆく。今回はそんな素敵なポップアップワールドへ皆さんをご招待します!

作:リョウコ

ポップアップ絵本のルーツを辿ってゆくと、かなり昔まで遡る。仕掛け絵本が登場したのは14世紀のこと。それは、羊皮革製の手書きの占星術本だった。子供向けの仕掛け絵本が出版され始めたのは、18世紀以降。1765年にイギリスの出版社の道化絵本が始まりだと言われている。その頃は、挿絵に付けてある“めくり”(フラップ)を上げ下げすることによって情景が変化する仕掛けが使われていた。19世紀になると、絵が飛び出したり、タブを引くと絵が変わる趣向を凝らした様々な仕掛け絵本が作られ、これらの絵本は西欧でたちまち大人気となった。


1.「POP-UP SHAPES」こちらが“めくり”を使った仕掛け絵本。扉を開くと…

2. アライグマが中に隠れていた!

1.「ペネロペまきばへいく」こちらはタブを使った仕掛け。矢印をひっぱると…

2.あっかんべーっと舌をだす。

その中でも「動く絵本の最高傑作」と言われるのは、以前PingMagでも紹介した、ドイツの名匠ローター・メッゲンドルファーの絵本「Lustiges Automaten Theatre」。この絵本は、リメイク版も作られて、今でも多くの人々に感動と喜びを与え続けている。


「PAPER FOLDING for Pop-Up」は、ポップアップの作り方を紹介している。

鳥のくちばし

まるで葉っぱのようだ

魚のしっぽ?

「ポップアップ」という言葉が世に広まったのは、1900年代初頭。アメリカの出版社がその言葉を作ったのだとか。今ではポップアップ絵本は、世界中の人々に愛読されている。

絵が変わるところが見られます!


1. とても優しいイラストの 「くまのプーさん」。紐をくるっとまわすと…

2. 絵が変わった!

ペーパーエンジニア

あまり聞き慣れないこの名前。ペーパーエンジニアとは飛び出す絵本やパッケージ製作、ペーパークラフトなどを作り出す人のこと。切り絵師や紙彫刻師とは違い、ペーパーエンジニアには作家的な知識、技術、センスが要される。ポップアップの素晴らしさは絵が立体的になっているだけではなく、その複雑で、巧妙に作られた絵がとても綺麗に、尚かつスムーズに折り畳めるところにもある。その立体的な絵は、正確な角度や長さによる緻密な技術によって構成されている。


この本では、簡単なポップアップの作り方や歴史などが解説されている

世界を代表するポップアップ・アーティスト

次に紹介するのは、世界を代表するポップアップ・アーティストのロバート・サブダマシュー・ラインハート。彼らは、ポップアップの可能性をどんどん広げてゆく巨匠達。その卓越した技術と限りなく自由な発想は、老若男女問わず、世界中の人々を惹き付けてやまない。「ポップアップの革命」ともいわれる作品を次々と生み出し、世界的なベストセラーとなっている本も多い。

アリスが困っているところが見られます!

不思議の国のアリス

ルイス・キャロルの有名な「不思議の国のアリス」。ロバート・ザブダは、この物語の挿絵を手掛けたジョン・テニエルのイラストを使い、ポップアップ絵本を作り上げた。この絵本では、今まで見た事のない素晴らしい世界が繰り広げられている。アリスが瓶に入っている飲み物を飲んでしまい、大きくなってしまう場面や、トランプが空に舞い上がる場面、また、アリスが不思議の国への穴に落ちていく場面も、ダイナミックに、そして華麗に表現されている。


180度開いてみると…

アリスの首が伸びる!!!

アリスが穴に落ちてゆくところが見られます!

赤ん坊が子豚に変わるところが見られます!

次に紹介するのは、同じくロバート・ザブダの「Winter’s Tale」。幻想的でキラキラとした冬の世界で生きるフクロウや狐、熊など、動物たちの情感のある温かな暮らしが、白を基調とした色使いで神秘的に表現されている。

雪のお家が見られます!

こっそり姿を現す動物たち

寄り添い合う狐たち

人参泥棒

サブダとラインハートの共作「Dinosaurs」は、35体の恐竜の情報を盛り込んだ、初の立体恐竜百科事典。この本が作られたきっかけは、どの恐竜百科事典を見てもただ絵が載っているだけで、面白くなかったからだそう。


恐竜の化石

大きな大きな首長竜。こんな生き物が、本当に地球に生存していたのだろうか…!?

肉食で性質の荒々しい大形の鳥、猛禽(もうきん)

トリケラトプス

太古の海の生き物たちが、独創的な見事なポップ・アップで蘇る。大きくて勇ましい海獣の百科事典。

クロノサウルスの骨

ジョーズ!

おぅっっっ!!!

恐竜が飛び出して来ます!


先史時代の海鳥

相撲をとっているみたい!?

海の首長竜は強暴だ!

人はどんどん面白いものや美しいものを創作する。私が小さかった頃には、このような迫力のあるポップアップ絵本は存在しなかった。大人になった今でも、これほどまでに感じるものがあるならば、子供の頃の私には一体どのように見えたのだろうか?

【お知らせ】なんと!ロバート・サブダ&マシュー・ラインハートが12月14日(木)に日本に来日します!!!トークショーやサイン会などが開かれるので、気になる人はこちらをチェックしてね。

4 コメント

  1. まだサイトの全体を把握していないのですが、こうした面白いサイトがあったのですね!

    私もこつこつとポップアップカードを作っています。サブダさんのように創造がつかないような面白い作品をいつか造ってみたいと思っています^^

    Posted by: 里奈 @ 5月30日2007年

  2. 面白い!ぜひうちの子供と恐竜のやつ楽しみたいと思います♪また特集してください!

    Posted by: 樋口悟 @ 8月15日2007年

  3. 毎年POP UP式年賀状を作って友人に送るのを発表の場としていました。PC買って初めて検索したサイトが、こちらでした。最高です!まだまだアナログ人間ではありますが、こんなに楽しい”場”
    が世の中にあるなんて初めて知り、感動してます。ページを開くたびどんな世界が飛び出すんだろうっていう、あのワクワクドキドキ感を自分も楽しみながらこのサイト期待していきますね。

    Posted by: まゆみ @ 12月19日2007年

  4. 飛び出す絵本を見るたびに人の想像力と創造力の素晴らしさを感じます。

    サブダさんとラインハートさんがこれからどんなポップアップを見せてくれるのか楽しみです。

    Posted by: なお @ 1月10日2008年

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