
今年3月のある寒い夜、友人の緊急メールが届く。「今夜スーパーデラックスに最高のバンドが出演します。僕も「道路標識」役でパフォーマンスに参加予定するので、来れたら絶対来て下さい!」こういう妙なメッセージにはつい反応してしまう。残念ながら「一方通行」と「通行禁止」のラブロマンスは“演じられなかった”ものの、以来私は「ブラック・ライト・オーケストラ」の熱烈なファンになってしまった。ネガティブなハーモニーの奥深さを追求するこのベルギー人パフォーマーたちは、人生を祝福する全ての要素を持っている。可笑しくて、感傷的で、騒々しくて、デリケートで、オリジナルで、狂おしくて、そして何より、変!そんな彼らが1ヶ月の日本ツアーの最後に再び東京に戻って来る。今週木曜日、全国各地から会場へ直行!
作:ウレシカ
訳:橋爪美恵
“ミスター・ダイアゴナル(対角線氏)”(作曲、ピアノ、ボーカル担当)率いる5人組のメンバーは、“クエンティン・マンフロイ”(フルート担当)、“グレゴアール・ティルティオー”(バリトン/アルト・サックス及び傘担当)、“エリック・ブリボシア”(アップタウン・ピアニストにしてダウンタウン・オルガニスト)そして“ヤニック・デュポン”(ヴィブラホン、グロッケンシュピール、ドラムス及びカラス担当)だ。

ミスター・ダイアゴナルは、もの悲しいメロディ、滑稽な歌詞、不敵な面構えで場を盛り上げる。

ブラック・ライト・バタフライの前でキーボードに向かうエリック。大阪での最終公演で。
彼らの音楽を説明しろなんてナンセンス。銀河系グラムロック・サウンドトラックと胸を打つ子守歌の融合なんてありえないでしょ?そう、「ザ・ブラック・ライト・オーケストラ」こそが、ベルギー発の超現実主義ポップ & ホリデープロパガンダ・ミュージックだ。彼らのメッセージは、「レッド・ラビット」の崇拝!
ダニエル: 実際は、崇拝というよりはむしろ…量子物理学って感じかな!
ウレシカ: では、レッド・ラビットとは一体何のことですか?
ダニエル: 僕のこと!
グレゴアール: 僕のこと!
ダニエル: お前じゃないよ!
グレゴアール: いや、僕だ!
…

バンドの各メンバーが、それぞれ本数冊分のストーリーを演じる。さらに彼らは、キャラクターからキャラクターへと変貌してゆく!

グレゴアールだけでも、見たこともない巨大交通標識から、無垢な表情のサックス吹き、そしてちょっと目を離した隙に、身長2メートル7センチの「恐怖のミッキー」へと変異した。(変異の模様はコチラ)。スゴイ…。

サックス吹きを装うグレゴアール

でも彼の本当の魂は、ミッキーの心の闇なのだ!
ブラック・ライト・オーケストラはこの1ヶ月の日本ツアー中、ほとんど毎晩演奏してきた。会場は、裏通りにある名も知れぬ地下ホールから、豪華な舞台装置の大阪BRIDGEまで様々だ。


2、3日前(10/19)のアップリンク・ファクトリーのように、観客がまばらな夜でも、彼らのモチベーションが下がる様子はいささかもなかった。ブラック・ライト・オーケストラは全力投球だ。(ショーの後には未熟なミュージシャンたちにレッスンさえサービス。)


さらに驚かされるのは、観客を自分の作曲に巻き込むミスター・ダイアゴナルの技の巧みなこと。これは彼が深い森で作曲した歌を説明するシーンの録音だが、彼の見事な日本語と言ったら!
ブラック・ライト・オーケストラは、元々たった1人のバンドとしてスタートした。ミスター・ダイアゴナルは詩、ダンス、一風変わった「現代音楽」に尽きる事のない才能を発揮していた。これは目黒のジャズ・クラブ音の箱で演奏された「The Elephant」で、こちらがこの少し前に原宿ラ・フォーレのブライアン・イーノの展覧会で演奏した「Sad Carrot」。

最新情報は彼らのウェブサイトからどうぞ。(あなたの町でも演奏する日が来るかもしれないし!)今週木曜日にスーパー・デラックスに来られるようなら、彼らの手作りCDを入手することも忘れずに!
4 コメント
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非常に惹かれます。
Posted by: お米粒 @ 10月23日2006年
とても伝わりやすい記事だったので、勝手ながら自分のブログからリンクを貼らせていただきました。ライヴが楽しみです。
Posted by: 井上ヤスミチ @ 10月26日2006年
きみたち、最高でした〜。
クエンティ好き!
Posted by: yuko @ 10月27日2006年
ブラック・ライト・オーケストラ、アンダーグラウンドを制す good post1069
Posted by: air multiplier @ 4月21日2012年