秋祭りの賑わい

2006年10月5日 カテゴリー: イベント/展示会, 国内

秋祭りの賑わい

秋祭りの季節がやってきた。私も小さい頃はハッピを羽織らされ、はち巻きを巻かれて町内のお祭りに参加していた。まだ小さかったせいか、その時は御神輿の綱を引っ張る勢いの強さに手が痛んだことや、太鼓のドンドンという音がやけに心臓に響いていたことを覚えている。それにしても、思い返せば蘇る思い出とはかけがえのないものだ。断片的にでも、こうしてちゃんと記憶として頭の中に残っているのだから。

作:リョウコ

月の夜はすっかり秋の気配に包まれている。家までの帰り道をぶらぶらと歩いていたら、はいからな色とりどりの提灯に目を奪われた。世田谷通り沿いにある大吉寺の前には「9月17日、世田谷東町会祭礼」という張り紙が飾られていて、お祭りに興味をもった私は翌日になると早速そこへと出かけていった。


筆で書かれた貼り紙

大吉寺の入り口

色とりどりの提灯は、お祭りの代表的な風景のひとつ

まずは、お祭りの起源について少し説明しよう。ウィキペディアによると太古の昔、まだ儒教仏教が伝来していない時期に日本の人々は神、つまり神道を信仰していた。当時の人々は、人物ではなく気象、地理地形におけるあらゆる事象に「神」の存在を認めていた。例えば、嵐や地震などが起きたとき、人々はそれらの自然現象を「神がお怒りだ」と捉えていた。そして、そのようなことが起きないように人々は神を祭り始めたのだ。ちなみに「御神輿」とは、神を祭る際、神霊を神社から別の場所へと移動する時に、一時的に鎮めておく場所なのだとか。


キラキラと輝く立派な御神輿には、小さな神殿をかたどったものが多い

お酒やお菓子などが祭壇に飾られている

太鼓の模様にも歴史がありそう…

世田谷東町会祭礼は、世田谷八幡宮の雨の神様を奉る、世田谷区の東町会の一大行事。参加者は、大吉寺を起点として御神輿を担いで町内を練り歩く。言葉にしてしまえば簡単だけれど、重たくて麗しい御神輿を担ぐということは、もちろん多くの人々の協力なしでは成立しない。この催しは神様を祭るだけではなく、人々の協調性や繋がりを深めて、地域を活性化させるということをも目的とされている。

子供たちのお祭ファッションスタイル


少年が持っているのはかき氷!

大きなはち巻にブカブカの法被!

優しいお母さんと眠そうな子供。赤のはち巻、黒の法被がとても似合っている

ちょっとビックリしている様子の可愛い女の子

大吉寺に着いた時にはもうすでに沢山の人だかりで盛り上がっていた。ここに集まっているのはこの町内の人々、御神輿を担ぐヘルプの方々、そして私のような見学者。その中でも家族連れがよく目についた。どの人も、どの家族にとっても待ちに待ったお祭り。みんなこのお祭りが大好きなのだ。

こだわりの一枚


自前の羽織。いかにも日本の伝統色といった感じ

水色に、真っ青の法被

足元も…


きれいな純白の足袋

こちらは濃紺の足袋にわらじ。粋ですね

御神輿を担ぐ人々の長蛇の列。お囃子の雅びな音色。「ドンドン」と響く太古の低くて重圧な音。そして人々の「わっしょい!わっしょい!」という掛け声がこの町を活気づけてゆく。

緑に映える金色の御神輿

太鼓も轟く

小さな子供神輿

美しい音色を奏でるお囃子。紅白幕におかめさん↑の絵を発見!髪をアップにする女性が多いのもお祭りの特徴。

御神輿を支える裏方の人たち

左の写真のお父さんはなんと72歳!生まれてからこの土地を離れたことがないそうだ。そんなこの土地を愛してやまないお父さんが、懸念することがひとつある。それは、大手スーパーの台頭や通信販売市場の拡大による商店街の衰退。すでに、いくつかの商店は閉業してしまい、このままではこのお祭りがいずれなくなってしまうのではないか、と心配しているのだとか。


素敵な笑顔のお父さんはみんなの護衛役。伝統的なハッピとライトセーバーのようなライトの不思議な組み合わせ。

ゴミ収集を怠らない町内の人々

そういえばこの前「ガイアの夜明け」というテレビ番組で“出張商店街”の特集を放映していた。衰退する商店街で、時代の流れを読み取り、なんとか独自の知恵を打ち出し活動を続ける商店を取り上げた内容だった。あらゆる商品の注文を電話で受け、商店街で調達した後、依頼主(ターゲットは病院や老人介護施設)に配達するシステム。お年寄りのニーズに合ったとてもよいアイディアであるのは解るが、その一方、商店の現状がどれほど厳しいのかがそこからよく見えてきた。

雨の中のクライマックス。お父さん頑張っています。↑

後半から天気は崩れだし、雨の中でのお祭りとなった。この町内の人の話によると、このお祭りでは雨になる確率が高いと云う。何故なら、世田谷八幡宮の神様は“雨の神”だからだそう。そして、雨の中でもお祭りはさらに盛大になり、人々の掛け声とともに輝きを増していき、素晴らしい終わりを迎えた。


商店の入り口にもお祭りの提灯

彼岸花。秋ですね

私たちの時代は人との触れ合いが非常に乏しい。そんな世の中だからこそ、人との密接なコミュニケーションを手掛ける商店と、そしてこの町を賑わすお祭りにはこれからも活動し続けていってほしいと願う。

東町内会のみなさん、ご協力ありがとうございました!

2 コメント

  1. 心のこもった良い記事ですね!

    Posted by: momo @ 10月6日2006年

  2. 甘イカ太郎は、おいしいですよねぇ

    Posted by: 山本 @ 3月22日2011年

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