
Shin Tanakaは、紙製玩具のクリエーターだ。彼は学生時代に、欲しくても手が届かなかったスニーカーの精巧な実物大模型や型紙を作って、周囲の人々を驚かせた。その後、ShinのスニーカーはNIKEのデザイン・ライブラリーのガラスケースの中で展示され、Shin自身は今日までに80社を超えるブランド(Adidas、Ark United等)や様々なアーティスト達と共同で作業をしてきた。だが、Shinの作品で最も知名度を上げたのはスニーカーではなく、T-BOY-Shinがグラフィティ作品のリサーチ中に開発した、人気の紙製玩具モデルである。彼の玩具の詳細な型紙は、誰もが独自の改造を施した異なる顔を持つ自分だけのキャラクターを作れるようにと、Shinのウェブサイトからダウンロード出来るようになっている。PingMagはベルリンまで足を伸ばし、現在Shin Tanakaの「KAMI ZOO」展を開催しているギャラリーレスレインのラーシュ・エバールに、どういった経緯で彼らがShinとコラボするに至ったかを聞いてみた。
作:ウレシカ
訳:山根夏実

ラーシュさん、レスレインは実際にはウェブデザイン会社ですが、ベルリンに小さなお店とバーやギャラリーまで開いていますよね(それから、ついこの間レスレイン東京オフィスが開いた事も言っておくべきかしらね!よくやった!)。そんな中で、Shinとの関係はどういったものなのでしょうか?そもそも、何故彼がベルリンでの展示会に選ばれたのでしょうか?
私達は、うちのオンライングラフィティ・コミュニティ「Vandalsquad」用に、紙の模型やグラフィティについてインターネットでリサーチしていた時にShinを見つけて、彼の紙の模型やインターネット上で作品を配布するというアイディアに驚かされました。それで、彼にコラボレーションに興味はないかと持ち掛けたのです。


こちらは、とても赤いレスレイン「Gritty」の柄入りPDF。

前面カバーを付けたものと、横から見たフードなしの「Gritty」!このおちびさんも、あと一歩で怖い顔になれるかも?(笑)
実は、私達も彼と直接会った事はなくて、数回電話で話して、何度もメールでやり取りしただけなんですよね。
レスレインは、バーチャルな環境で合法的にスプレー出来る、オンライン用のハイレベルなグラフィティ・スプレーツールを開発しましたよね。「Vandalsquad」に投稿された2万点以上の作品がそのツールの人気を実証しています。そちらでは、オンライン・グラフィティとShinの紙製玩具をどのように関連付けたのでしょうか?
全体的なところでは、こちらで20人くらいのドイツ人アーティストにShinの紙製玩具のイラストレーターとフリーハンドのファイルをダウンロードして貰ったことと、「Vandalsquad」の秀逸なグラフィティ・アーティスト50人に「ウォール・マン」の玩具をデザインして貰ったことでしょうか(PDFダウンロード)。


この特定のキャラクターの部品は、「Vandalsquad」のグラフィティ・スタジオにダウンロードして、スプレーしてからPDFファイルとしてアップロードすることができます。これらのデザインは、誰でも「Vandalsquad」で鑑賞やダウンロードが可能です。
デザインが終わったPDFは、その後プリントアウトして紙製玩具として組み立てることができます(これが予想以上に手間も注意も愛情もかかるのだけど!)。展示会中は、沢山のハサミ、糊やペーパークラフトがそこら中に転がってますよ。
他にも、Shin Tanaka自身がデザインした玩具を30種類くらいと、他の日本人アーティストがデザインしたものを40種類展示しています。

日本生まれの「T-boy」達
私達は、今後この展示会を東京にも持っていって、もっと大勢の日本人デザイナーにコラボレーションを呼びかけたいと考えています。
Shinの作品の魅力の一つは、同じShinの作品でも自分だけのバージョンの「T-Boy」や「Gritty」、「Spike」といった紙製玩具を作れるから、誰もが楽しめるという点にあるのでしょうね(とは言え、誰かが無断でShinのPDFをインターネット・オークションのEbayに売りに出したおかげで、今はまずShinにメールをして、彼から直接PDFを送って貰わないといけないのだけど!)。貴方はShinの作品が折り紙の一種であるとは思いますか?ハサミと糊を使うわけですが…。

いえ、Shinの作品は折り紙とは違うと思いますね、むしろプラスチックのキャラクター玩具っぽいでしょうか。このアイディアが浮かんだ時、Shinはどちらかと言えば、自分のキャラクターを自分自身で、出来るだけ低コストで作る方法に打ち込んでいました。プラスチック製の玩具を製造して店頭で販売するということは、大変お金がかかる商業的なことです。その反面、紙製の玩具の制作と出版ならタダ同然です。それに、彼は他のアーティストが彼の玩具の為にデザインするという案に夢中ですし、他の方々もコラボレーションを楽しんでいるようですから、上手くできてるものだと思いますよ。Shinは今、新しい玩具の作業をしつつAdidasとのプロジェクトも進行中です。
そちらのギャラリー部分では、他にどのようなプロジェクトを考えているのでしょうか?
レスレインは現在、こういったインタラクティブな展示会が開ける、インターネット上でアーティスト同士を繋ぐ作品を作るアーティストを探しています。「KAMI ZOO」展は、日本の斬新なデザイン、イラストレーションやアイディアを欧州に紹介するシリーズの初回なのです。

どうもありがとうございました!ベルリン、ミッテ区のLinienstraße 154aにあるレスレインの地下ギャラリーは、月曜から金曜の12:00-19:00に開館しています。この展覧会は9月30日まで。もし立ち寄ることがあったら、Pingに代わって挨拶お願いしますね!
コメントを入れちゃう!
ウェブマガジン「PingMag」及び、姉妹サイト「PingMag MAKE」は、2008年12月31日をもって休刊いたしました。これまで応援して下さった世界中の皆様、またご協力頂いた皆様に、心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。
PingMagの姉妹版、日本のモノづくり情報を世界に発信中!
PingMagから大切なお知らせ
2008年12月31日
板谷龍一郎:色鮮やかでユーモア溢れる世界
2008年12月29日
マギボン:YouTube発のネットアイドル
2008年12月26日
ベネデッタ・ボッロメティ:たくさんの元気をくれる不思議な絵
2008年12月24日
中銀カプセルタワービル:未来の建築
2008年12月22日
花村えい子:キュートでポップな60年代の少女マンガ
2008年12月19日
日本のハイテクトイレ事情
2008年12月17日
アミューズメント:アートやファッションと融合するゲーム文化
2008年12月15日
HIROCOLEDGE:現代に溶け込む新たな伝統
2008年12月12日
瀬戸正人:ビンラン売りの甘い誘惑
2008年12月10日










