ダン・ファンダーバーグによるパターン・デザイン

2006年7月31日 カテゴリー: イラストレーション, インターナショナル

ダン・ファンダーバーグによるパターン・デザイン

ダン・ファンダーバーグによるCuban Linx用のパターン

ダン・ファンダーバーグはパターンに夢中!インターネットで彼の作品をたまたま見かけた私はあの何とも言えない、本当の意味で何かが目に留まる時の幸せな瞬間を味わってしまった。そして彼に質問攻めのメールを送った後、返事から彼のパターンに対する深い理解と愛情をうっすら再確認した気がしたのだ。それではダンのバラエティに富んだ作品の数々と、素敵なパターンの作り方などを紹介しよう。

作:ウレシカ
訳:ミナコ

ダンさん、あなたにとってのパターン(模様)の魅力とは何でしょうか?そもそも、なぜパターンをデザインしようと思われたのでしょう?

最初は必要に迫られて始めました。洋服の会社で働いていた時に、複製ばかり作ることを覚えたんですよ。あまりクリエイティブではない会社だったものですから、僕が作ったパターンのほとんどはお蔵入りしましたね。だからそういったデザインは全て取っておいて、後々使いました。まあ、絶対ホームページに載せないようなひどいのもいくつかあるんですけどね・・・(笑)。

Ecko Unlimited用にデザインした「War&Piece(戦争とピース)」

その後、クリエイティブ・ディレクターのキモウ・メイヤー氏とピート・クリストファソン氏の暖かい励ましと指導によって、パターンとイラストのようなタイプに的を絞ったポートフォリオを作り上げたのです。

ダンさんが思う、良いパターンを作るのに必要なものって何でしょうか?

良質なコンセプトです。子供でも単純にいいパターンはいくらでも描けますが、素晴らしいアイディアに基づいているものの方が、僕にはもっと魅力的なんです。マリアン・ベンチェスが良質なものの良い例でしょう。

もう一つ僕が求めているのは、不完全さという要素です。特に“正確さ”と“繰り返し”ばかりの分野ですので、有機的な形や、手描きの人間らしいミスなんかは個性を出すのにとても重要です。パターンが全て手で描かれて、同じ形は一つとなく、そしてどの要素も互いに調和する為に一つ一つがユニークである、という状態が理想ですね。

中東の模様にインスピレーションを受けてデザインされたシルクスクリーンとスプレー塗料によるセラミックタイルの作品

僕個人の作品では、これが几帳面な繰り返しばかりというパターンから、規格化されている上でも装飾的、というものへと変えてくれました。トルコや中東の建築物にある、ムーア風のタイルワークのモザイク細工は、今まで見てきたものの中でも一番感銘を受けましたね。ブルックリンのリヴィエラ・ギャラリー用に、セラミックタイルの作品をシルクスクリーンとスプレー塗料を使って作ったんです。

ブルックリンのリヴィエラ・ギャラリー用にデザインされたタイルのインスタレーション作品。

中東にインスピレーションを受けたコンテンポラリー・タイルの細部

もっと複雑で非対称な模様を描かれる時には、何かコツのようなものはあるんですか?何ていうか、しばらくじっくり見ていないと、一見リピートしてるって分からないような模様があるでしょう。こういうのってどんな風にして作ってらっしゃるんですか?

これにはちょっとした幾何学が関係しているんです。それと、完全にフィットするまで部分部分を何度も変えたりすることを繰り返します。

色についてはどうです?やっているうちに色を楽しんで変えていったりするのか、それとも模様をデザインしている時に考えている、色に関する決まりのようなものがあったりするんですか?

色は最後に決めているんですけど、かなり重要なものですね。たまに色に頼りすぎてないかって心配になるんですよ。でも、嫌いなデザインがあっても色を変えることで結局好きになるっていうこともあります。

Hellz Bellz用にデザインされた「Death from Above(天上からの死)」

どういう方々が主にダンさんの描くパターンに興味をもたれるのでしょう。クライアントにはどういった方がいらっしゃるんですか?

クライアントには、PRPSUpper PlaygroundOM RecordsZoo York5Boro NycAKA 12oz Prophetなどがいます。あとは家賃を払うために、あまり面白みのない商業的なクライアント2社の仕事も受けています。

現在は主に、小さい洋服メーカーと小規模のギャラリーなどの仕事をしています。もっと本物の壁紙を受注で作ったりしたいんです。いい年したグラフィッティおたくで、壁に自分の印を残したいっていう本能的なクセが深く染み付いてるんですよ。今も本物の壁紙作りと販売を手伝ってくれるパートナーを募集中です。(ブルックリンの屋上でステンシルを使って作った作品は、コチラ

SAVED用にデザインされた伝統的な三枚仕立て、装飾帯と腰板付きの壁紙。ブルックリンにある洋服とジュエリーのブティックより。

ブルックリンのSAVEDという、洋服とジュエリーの店の内装をデザインしたんですよ。まだこれから取り付けるんですけど。店の美的価値観はイギリスのアーツアンドクラフツ運動によるところが大きくて。だから僕は装飾帯と腰板付きの伝統的な3枚仕立ての壁紙をクリストファー・ドレッサー風のスタイルで作りました。伝統的には動物や植物といった要素をモチーフにするものなんですが、僕は店にあるジュエリーや工業製品という要素とうまく共鳴し合うように作りました。そうすることで、店全体に現代的な雰囲気を与えたいと思ったので。

本来の動物と植物の要素と電球などの工業製品を組み合わせた壁紙のデッサン。

壁紙。完成デザイン。

最終的には、どのような商品になるのですか?

ほとんどアパレルとスケートボードの会社向けです。全体が柄になっているスウェットシャツは、僕がこれを書いている時点でまだアメリカで根強い人気があったんです。ありがとう、Nigoさん。

ダンがパターンを手がけたスケートボード

一つのパターンを作り上げるのには、通常どのくらいの時間がかかるんですか?

いい案は何週間もかかってやっと浮かんでくる時もあります。たまに昼寝をしてみるとうまくいく時もありますね。製作にかかるのは、よっぽど装飾的なものでないかぎり大体2日間です。これは若者と癌についての雑誌「Waiting Room」マガジン用の壁紙のスケッチと完成版です。


壁紙用にデザインされた蟹のスケッチ

Waiting Roomマガジン用の「Carcinogenic Wallpaper(蟹の壁紙)」

日本にあるパターンに目を向けられた事は?

もちろん!日本とアラブの模様にはかなり影響を受けていますよ。単色の着物の柄の本を持っているんですけど、いつも見ています。木版印刷がもつ質素さと自然な要素がすごい好きなんです。PRPS向けに最近、魚拓をベースにした迷彩模様を作りました。

魚拓をベースにしたPPRS向けの迷彩模様

ダンさん、どうもありがとうございました!私もいつか自分の壁紙のデザインをやってみたいな…!


Zoo Yorkの「Language Barrier Repeat(言葉の障害の反復)」

自身のスタジオにて。ご機嫌なダン。

7 コメント

  1. >壁紙用にデザインされた癌のスケッチ
    cancer?

    Posted by: es @ 7月31日2006年

  2. cancer違いでカニでした。すみません…。

    Posted by: chiemi @ 8月1日2006年

  3. パターン、紋様大好き!
    ダンの生み出すパターンにすごく刺激されました。自分でも遊んでみたくなりました。

    Posted by: YO-CO @ 8月5日2006年

  4. [...] ダン・ファンダーバーグは、自分の時間の多くを、パターン、壁紙、デコラティブ・アートの制作に費やすグラフィック・デザイナーだ。私は今だに、来年こそ、サンタクロースがダン・ファンダーバーグの壁紙でいっぱいのインテリアを空から私の元に運んで来てくれることを心から望んでいる。その日まで、2006年7月31日号のPingMagに掲載された彼の記事を読みながら、明るい新年を祝いましょう! [...]

    Posted by: PingMag - 東京発 「デザイン&ものづくり」 マガジン » Archive » イラスト・シリーズ#8:ダン・ファンダーバーグ @ 1月7日2007年

  5. I do not even know how I ended up here, but I thought this post was good. I don’t know who you are but certainly you are going to a famous blogger if you aren’t already ;) Cheers!

    Posted by: MonroeFullington @ 11月9日2011年

  6. Properly created post. Additionally, an organic health eating habits demands time and dedication to find the best final results.

    Posted by: Lemonade Diet @ 11月13日2011年

  7. Thanks for spending the time to discuss this, I feel strongly about it and love studying more on this topic. If attainable, as you change into an expert, would you mind updating your blog with more details?

    Posted by: home improvement harrisburg pa @ 11月22日2011年

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