エヴァンゲリオン特別企画:EVA AT WORK

2006年4月19日 カテゴリー: Top Page 10, おすすめ, イベント/展示会, グラフィック, 国内, 特集

エヴァンゲリオン特別企画:EVA AT WORK

主婦の寺島淳子さんによる驚きの「エヴァンゲリオン弁当」。左から、碇シンジ、惣流・アスカ・ラングレー、綾波レイ

世界中に熱狂的なファンを持ち、1990年代を代表するアニメーション作品として知られる「新世紀エヴァンゲリオン」。その存在は、単なるアニメーション作品の枠を超え、社会現象になったとまで言われている。そのエヴァンゲリオンが放映10周年を記念して、今年1月よりギャラリーPOINTのプロデュースのもと、毎月一人のクリエーターをフィーチャーし、初の特別コラボレーション企画「EVA AT WORK」をオンライン上で行っている。

作:チエミ

エヴァンゲリオンを全く知らない人のために、まずは簡単にストーリーをご紹介。…2000年9月に起きた大災害(セカンドインパクト)から復興を果たした人類。しかしやっとの思いで取り戻した平和な日々もつかの間、2015年には「使徒」と呼ばれる謎の生命体の襲撃によって人類は再び危機に陥っていた。そして「使徒」に対抗しうる唯一の武器として開発されたのが人造人間エヴァンゲリオン。その操縦をまかされたのは、まだ14才の少年少女達だった。セカンドインパクトの原因は何なのか、そして謎の「使徒」はどこからやって来たのか、沢山の謎に包まれながら、子供達は挫折を繰り返し成長してゆく…。

と、ここで初めて「そんなストーリーだったの?」と思う人は多いかもしれない。私も今回初めてエヴァンゲリオンのあらすじを知ったのだけれど、今更ながらどうもこれはただの「アニメ」ではなさそうだ。では、この企画のプロデュースを担当しているPOINTの古井さんにお話を聞いてみよう。

「ほぼ十年ぶりにDVDで全話を見直してみて思ったのは、その間に経験した仕事が自分の視点を大きく変えてしまったということ。エヴァンゲリオンは多面的な様相を持つ作品なので、仕事によって生まれる視点の違いを表現しようと思いました。POINTは私自身のデザインワークの一つとして運営していますが、今までに企画展示を行なった方にも参加してもらっています。12人のworkが揃ったら、その視点の違いを書籍や展覧会で表現できればと思っています。」

という訳で、「EVA AT WORK」の1月のコラボレーションに選ばれたのは、グラフィックデザイン事務所「ASS」主宰の戸取瑞樹(ととり・みずき)。彼はエヴァンゲリオンのストーリーの中でも重要な位置を占める謎の生命体「使徒」(=敵)をテーマに選び、「テキスタイル」を制作した。

使徒(敵)の詳細に注目して作られた戸取瑞樹氏による「敵スタイル」

「職業柄、あらゆるビジュアルの中にデザイン的見地を見いだそうとする癖があります。そもそも、今テーマに至ったのも、エヴァ・ビジュアル、特に「使徒」にデザインや美術に対する造詣の深さを感じ取ったからです。更に焦点を絞っていくと、そこには、デザイン史、美術史に対するオマージュ表現にとどまらず、グラフィックとして直感的に惹かれる形状が存在しました。そんなグラフィカルな記号の集合体である使徒に、ある種のスタイリッシュさをも感じました。「スタイリッシュな敵(のようなスタイル)」。それが空から連続して現れるイメージからテキスタイルを採用し“敵スタイル”となったのです。」(戸取氏)

そのテキスタイルから作られた“抱きまくら”。そのモチーフは通なら分かる「第十使徒サハクィエル」。ちなみに、このテキスタイル作品は反響次第でTシャツなどへの商品化なども検討中だとか。

2月は、造型家のBIGART特殊工作部をフィーチャー。CG全盛期の時代に「実物」にこだわり、「特殊造形」を行なう彼らは、なんとエヴァンゲリオンとのコラボに「食」というテーマを選んだ。

「エヴァンゲリオンは、”相手を自分に取り込む”、”敵をむさぼり喰う”、”一緒になる”、
といった「融合」を連想させるシーンやキーワードが印象的。それは我々の日常生活に置き換えれば「食事」という行為に通じているのかもしれない。毎日執り行われる「食事」という儀式を促す「食器」。そんな神聖とも言える日常的な道具に着眼した。」(BIG ART特殊工作部)

セカンドインパクトを引き起こしたとされる「使徒リリス」をかたどったプレート。制作までの過程は、こちらのサイトで見ることが出来る。

3月にフィーチャーされたのは、1980年生まれの日本画家、四宮義俊(シノミヤ・ヨシトシ)氏。中学生の頃にテレビ放映されていたエヴァンゲリオンと出会った彼は、その時の衝撃が現在でも創作活動に多大な影響を与えているという。そして、今回の企画の為に彼はエヴァンゲリオンを操縦する子供達が組み合う最も長い緊張と静寂のカットをモチーフに屏風絵を制作した。

「作品の洗練された無駄のない視線誘導やBOOK表現は視聴者に何らかの距離感を与えてしまう。また過度にシンボル化されたSF表現は、ある種の宗教観を抱かせていただろう。およそ現実的でない対象と当時視聴者だった自分にとっては今だに危うい距離感を残し続けている。そういった距離感を表現できればと思い、本作品を制作した。」(四宮氏)

1795年に建設された茨城県の「取手宿本陣」で撮影された四宮氏の屏風絵。

そして、4月にフィーチャーされたのは主婦の寺島淳子さん。しかし主婦と言っても、この方がただの主婦ではない。POINTの古井氏に励まされ参加したこの企画で寺島さんが作ったのは、なんとエヴァンゲリオン弁当。

「エヴァンゲリオンを見たことがなかったので、イラスト集とDVD全巻を古井様からお借りして勉強しました。近所のスタジオに持っていって撮影していただくのも初めての経験でした。」(寺島さん)

子供達のためにお弁当を作る寺島さん

本当に嬉しそうな子供達!

それもそのはず!こんなお弁当ですから。エヴァンゲリオン初号機

ペンギンのPENPEN。ちなみに、これらのお弁当にはハム、海苔、昆布佃煮、卵、パプリカ、人参、絹さや、赤ウインナ−などが入っているそう。

この企画は今年の12月までガイナックスのホームページで、また制作過程はEVA AT WORKブログで公開されているので、エヴァンゲリオン・ファンならずとも毎月チェックしてみて下さいね!

4 コメント

  1. [...] うさん臭く聞こえるかもしれないけれど、今日はセンスの領域にダイブしよう!「Food Creation」の主宰である諏訪綾子さんは、肉感的な食材の組み合わせで実験的な食の楽しみを生み出すだけでなく、視覚的にも感覚を楽しませてくれる達人。彼女は、ご主人である古井真也さんの経営する恵比寿のギャラリースペースPOINT(PingMagにも登場済み)で行われる展示会やレセプション・パーティー、お店のオープンイベントなどに、その文字通り味のあるアートを提供している。諏訪さんがこの活動を開始したのは3年前だが、正式にFood Creationと命名したのは去年のこと。本日は、そんな彼女の独特なフード・アートの秘訣を紹介しよう。 [...]

    Posted by: PingMag - 東京発 「デザイン&ものづくり」 マガジン » Archive » Food Creation:味のある意外性  @ 2月2日2007年

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