
ロンドンを拠点に活動するプシェメック・ソボッツキーが、代官山のギャラリー・スピーク・フォーでの展覧会の為に東京にやって来た。しかし、東京に到着したプシェメックは、時間の経過と供に不思議な感情を覚えていた。そして、PingMagのインタビュー中に彼がしたある重大な決心…。それは、「僕はここに住む」だった!
作:ウレシカ
訳:チエミ
プシェメック、あなたは劇場のセット・デザインや衣装デザインを含めたインテリア・デザイナーとしてキャリアをスタートさせたそうですね。でも初めてプロとして描いたファッション・イラストレーションの「タッチ」が沢山の雑誌に取り上げられて、V&Aイラストレーション賞を獲得したんですよね。すごいですね!

まず、その作品「タッチ」について話していただけますか?
あれは、「ふたりのベロニカ」っていう映画の中で、主人公のベロニカが家に帰って来て、木に触れるシーンにインスパイアされたものなんだ。でもどういう訳か、僕はあのシーン、あの感覚をはっきり覚えている。以前に、僕自身が何かに触れていないと、消えてしまいそうな感覚にとらわれたことがあるんだ。それを自分のイラストで表現しようと思ったんだよ。

最近ファッション・イラストレーションを始めたばかりなわりには、あなたのポートフォリオには沢山作品がありますよね。ヘルムート・ラング、ミュウ・ミュウ、フィリップ・トレイシー、Izabela Gkagkanis、それからアディダスにNIKE…

代官山の美容室「COME&PEACE」へのイラスト

「LOVE」125マガジンへのイラスト(2004)

「WIND02」イラストレーション

アディダス展へのイラストレーション。 Richio Suzuki、RUN DMCとのコラボ
どんなタイプの人があなたに仕事を依頼するのですか?また、彼らはどうやってあなたのことを見つけるのでしょう?
僕はいつもあるテーマに沿ったストーリーものや、シリーズものを作るんだ。それから自分で雑誌社に行って、自分の作ったシリーズを見せる。これは一例だけどね。ほとんどの場合は、僕の作品を見ると特集をやりたがってくれて、次号を作る段階になって連絡してくれるんだ。125マガジン(まるでギャラリーのような素敵な雑誌)は、2回も連絡をくれた。何もしなくても連絡が来ることもあるし、状況はいろいろだね。まだ人脈を広げている途中なんだ。
あなたはすでに日本でもうまくやっていけているようですね。2年前にも代官山で展覧会をしたり、代官山の美容室COME&PEACEの内装のグラフィックを手がけたり…。

イラストは全部手書きなんですか??
いつも仕上げにはコンピューターを使うんだけど、本当は手描きだけにしたいと思ってるんだ。手作りがベストだよ。

あなたは作品に面白いタイトルをつけて、作品の意味合いをひねりますよね。そういう部分がすごく気に入ってるんです。「私のビビアン・ウエストウッド、最後の日!」や「コム・デ・ギャルソンはもう着ない!」のシリーズは一体何を表しているのでしょうか?

「コム・デ・ギャルソンはもう着ない!」

「サヨウナラ私のプラダ!あなたは私を傷つけすぎる!」
あれは、ファションおたくの“新年の抱負”みたいなものなんだ。すごく皮肉を込めた意味でね。だから、そうだなぁ…私はあんなものには夢中にならないって自分に約束した!でも実際は、無理だった。ほら、このコ達はみんな死んでるんだ。窓から飛び降りたり、プラダのブローチが刺さっていたり、結構ダークなんだよ(笑)。それが、ファッション・ストーリーっぽいだろう?
作品がストーリーボードのようになっているところを見ると、映画に影響を受けているんじゃないですか?特にこの「冬物語り」!イラストの狭間に、見る人の想像力を掻き立てる余地を与えていますよね。この尖った人参のついた雪だるまは、最後に女の子に人参を食べられちゃったんですよね。面白い!

「冬物語り」雪だるまを見つけた…

「冬物語り」鼻で遊ぶ…

「冬物語り」向かい合い…

「冬物語り」鼻がなくなる…
アニメーションや映画の世界に移行したいという気持ちはないのですか?
「冬物語り」では自然とそっちの方向に行ったから、次のKrash Japanで倉敷の女の子のアニメーション・シリーズを作ってみたんだけど、そっちの方がなんとも…

フリーマガジン「Krash Japan」のアニメーション

フリーマガジン「Krash Japan」のアニメーション
60年代の映画でクリス・マーカーの「La Jetée」っていう作品があるんだけど、「12モンキーズ」のベースになってると言われているんだ。モノクロの静止画で、28分間。何人かの俳優と、声、列車のアナウンス…とても力強い作品なんだよ!そのストーリーにものすごくインスパイアされたんだ。映画らしい映画を作るよりも、そんなシンプルな作品をやる方が僕も好きなんだよね。そうすれば、ひとつのイメージや登場人物達に焦点を当てられるからね。



あなたのHINTマガジンのアンダーカバー・シリーズのアニメーションも大好きなんです。イメージを混ぜ合わせて、着てるものをどんどん変えていくというものですが、よく出来てきますよね。彼らがあなたに仕事を依頼して来たのですか?


いいや。自分の為に作った作品だよ。日本にいるうちに彼らにコンタクトして、気に入るかどうか知りたいね。そこから何かが起こるかもしれないだろ?
幸運を祈るってます!で、日本に住む決断はつきましたか?
東京での2週間はとにかくクレイジーだった!信じられないよ!ロンドンよりもものすごいスピードでいろんな事が起こっていて、僕は大好きだね!自分のストレスがコントロールできる限りは、大丈夫さ。人脈はむこうからやって来る…ここにいられて本当に嬉しいし、挑戦してみるつもりだよ。でも、ものすごくドキドキだけど(笑)!

じゃあ、本当の意味で「東京へようこそ」ですね。また連絡をくれるのを楽しみにしています!
2 コメント
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[...] ポーランド出身のプシェメック・ソボッツキーは、去年の4月に日本に移り住んだ直後にPingMagでも紹介されたファッション・イラストレーター。あれから少し時間を置いた今、その後の彼の生活の様子を見に行きながら、私達PingMagの為に特別な年賀状を描いてもらえないだろうかと、お願いしてみた。 [...]
Posted by: PingMag - 東京発 「デザイン&ものづくり」 マガジン » Archive » イラスト・シリーズ #6:プシェメック・ソボッツキー @ 12月27日2006年
この方の絵素敵ですね!
Posted by: masamico @ 12月28日2006年