プシェメック・ソボッツキー:ファッション・イラスト物語

2006年4月17日 カテゴリー: イラストレーション, インターナショナル, ファッション

プシェメック・ソボッツキー:ファッション・イラスト物語

プシェメック・ソボッツキーによる「タッチ」

ロンドンを拠点に活動するプシェメック・ソボッツキーが、代官山のギャラリー・スピーク・フォーでの展覧会の為に東京にやって来た。しかし、東京に到着したプシェメックは、時間の経過と供に不思議な感情を覚えていた。そして、PingMagのインタビュー中に彼がしたある重大な決心…。それは、「僕はここに住む」だった!

作:ウレシカ
訳:チエミ

プシェメック、あなたは劇場のセット・デザインや衣装デザインを含めたインテリア・デザイナーとしてキャリアをスタートさせたそうですね。でも初めてプロとして描いたファッション・イラストレーションの「タッチ」が沢山の雑誌に取り上げられて、V&Aイラストレーション賞を獲得したんですよね。すごいですね!

「タッチ」詳細を見ればコラージュだということが分かる

まず、その作品「タッチ」について話していただけますか?

あれは、「ふたりのベロニカ」っていう映画の中で、主人公のベロニカが家に帰って来て、木に触れるシーンにインスパイアされたものなんだ。でもどういう訳か、僕はあのシーン、あの感覚をはっきり覚えている。以前に、僕自身が何かに触れていないと、消えてしまいそうな感覚にとらわれたことがあるんだ。それを自分のイラストで表現しようと思ったんだよ。

「タッチ2」

最近ファッション・イラストレーションを始めたばかりなわりには、あなたのポートフォリオには沢山作品がありますよね。ヘルムート・ラングミュウ・ミュウフィリップ・トレイシー、Izabela Gkagkanis、それからアディダスNIKE


代官山の美容室「COME&PEACE」へのイラスト

「LOVE」125マガジンへのイラスト(2004)

「WIND02」イラストレーション

アディダス展へのイラストレーション。 Richio Suzuki、RUN DMCとのコラボ

どんなタイプの人があなたに仕事を依頼するのですか?また、彼らはどうやってあなたのことを見つけるのでしょう?

僕はいつもあるテーマに沿ったストーリーものや、シリーズものを作るんだ。それから自分で雑誌社に行って、自分の作ったシリーズを見せる。これは一例だけどね。ほとんどの場合は、僕の作品を見ると特集をやりたがってくれて、次号を作る段階になって連絡してくれるんだ。125マガジン(まるでギャラリーのような素敵な雑誌)は、2回も連絡をくれた。何もしなくても連絡が来ることもあるし、状況はいろいろだね。まだ人脈を広げている途中なんだ。

あなたはすでに日本でもうまくやっていけているようですね。2年前にも代官山で展覧会をしたり、代官山の美容室COME&PEACEの内装のグラフィックを手がけたり…。

代官山の美容室

イラストは全部手書きなんですか??

いつも仕上げにはコンピューターを使うんだけど、本当は手描きだけにしたいと思ってるんだ。手作りがベストだよ。

「背後からの光」これもコラージュ

あなたは作品に面白いタイトルをつけて、作品の意味合いをひねりますよね。そういう部分がすごく気に入ってるんです。「私のビビアン・ウエストウッド、最後の日!」や「コム・デ・ギャルソンはもう着ない!」のシリーズは一体何を表しているのでしょうか?


「コム・デ・ギャルソンはもう着ない!」

「サヨウナラ私のプラダ!あなたは私を傷つけすぎる!」

あれは、ファションおたくの“新年の抱負”みたいなものなんだ。すごく皮肉を込めた意味でね。だから、そうだなぁ…私はあんなものには夢中にならないって自分に約束した!でも実際は、無理だった。ほら、このコ達はみんな死んでるんだ。窓から飛び降りたり、プラダのブローチが刺さっていたり、結構ダークなんだよ(笑)。それが、ファッション・ストーリーっぽいだろう?

作品がストーリーボードのようになっているところを見ると、映画に影響を受けているんじゃないですか?特にこの「冬物語り」!イラストの狭間に、見る人の想像力を掻き立てる余地を与えていますよね。この尖った人参のついた雪だるまは、最後に女の子に人参を食べられちゃったんですよね。面白い!


「冬物語り」雪だるまを見つけた…

「冬物語り」鼻で遊ぶ…

「冬物語り」向かい合い…

「冬物語り」鼻がなくなる…

アニメーションや映画の世界に移行したいという気持ちはないのですか?

「冬物語り」では自然とそっちの方向に行ったから、次のKrash Japanで倉敷の女の子のアニメーション・シリーズを作ってみたんだけど、そっちの方がなんとも…


フリーマガジン「Krash Japan」のアニメーション

フリーマガジン「Krash Japan」のアニメーション

60年代の映画でクリス・マーカーの「La Jetée」っていう作品があるんだけど、「12モンキーズ」のベースになってると言われているんだ。モノクロの静止画で、28分間。何人かの俳優と、声、列車のアナウンス…とても力強い作品なんだよ!そのストーリーにものすごくインスパイアされたんだ。映画らしい映画を作るよりも、そんなシンプルな作品をやる方が僕も好きなんだよね。そうすれば、ひとつのイメージや登場人物達に焦点を当てられるからね。

「ソビエトのスプートニック」125マガジン用の50年代をテーマにしたイラストレーション・ストーリー(2005)。全体的にファッション・シューティングのようになっている。40代になった子供もいないジャーナリストが、DIORを着て、ナイロンのタイツを履く。

「50年代の家とソビエトのスプートニック」125マガジン用の50年代をテーマにしたイラストレーション・ストーリー。

「ソビエトのスプートニック」125マガジン用の50年代をテーマにしたイラストレーション・ストーリー。夏のロシアにたたずむ夫もなく、子供もなく、母親の服を着る20代の女生徒。

あなたのHINTマガジンアンダーカバー・シリーズのアニメーションも大好きなんです。イメージを混ぜ合わせて、着てるものをどんどん変えていくというものですが、よく出来てきますよね。彼らがあなたに仕事を依頼して来たのですか?

「クラウス」

「クラウス」

いいや。自分の為に作った作品だよ。日本にいるうちに彼らにコンタクトして、気に入るかどうか知りたいね。そこから何かが起こるかもしれないだろ?

幸運を祈るってます!で、日本に住む決断はつきましたか?

東京での2週間はとにかくクレイジーだった!信じられないよ!ロンドンよりもものすごいスピードでいろんな事が起こっていて、僕は大好きだね!自分のストレスがコントロールできる限りは、大丈夫さ。人脈はむこうからやって来る…ここにいられて本当に嬉しいし、挑戦してみるつもりだよ。でも、ものすごくドキドキだけど(笑)!

展覧会で話しをするプシェメック

じゃあ、本当の意味で「東京へようこそ」ですね。また連絡をくれるのを楽しみにしています!

3 コメント

  1. [...] ポーランド出身のプシェメック・ソボッツキーは、去年の4月に日本に移り住んだ直後にPingMagでも紹介されたファッション・イラストレーター。あれから少し時間を置いた今、その後の彼の生活の様子を見に行きながら、私達PingMagの為に特別な年賀状を描いてもらえないだろうかと、お願いしてみた。 [...]

    Posted by: PingMag - 東京発 「デザイン&ものづくり」 マガジン » Archive » イラスト・シリーズ #6:プシェメック・ソボッツキー @ 12月27日2006年

  2. この方の絵素敵ですね!

    Posted by: masamico @ 12月28日2006年

  3. プシェメック・ソボッツキー:ファッション・イラスト物語 good post988

    Posted by: air multiplier @ 4月21日2012年

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