
「アイスランド」って聞いて、何を思い浮かべる?ビョーク?オーロラ?それともシシャモ?? この氷の国と名付けられた、人口約30万人の北大西洋に浮かぶ島国には、びっくりする程のクリエイティビティが詰まっていた!
作者:西田香織
3月4日~10日にかけて、渋谷ユーロスペースで開催された「bio 06アイスランド映画祭2006」。(bioはアイスランドで映画館という意味。)アイスランドから冷凍パックされて届いた映画の中には、14-5歳当時のビョークのライブ映像、シガー・ロスの最新アルバムからのPVや、アイスランドの息を呑む広大な風景を写したサイレントフィルム、そしてアイスランドで今注目の若手監督作品まで、日本では見られない作品が盛りだくさん!


若き日のビョーク!「ロック・イン・レイキャヴィーク」(1982)

「ナイスランド」(2004)
さらに!上映に加えて、音と映像を絡ませ「1本の映画」のようなライブで世界的に活躍するCINEMA dub MONKSのパフォーマンスや、日本をベースに活躍する新進フォトグラファー、ベッキー・イーによるアイスランドのランドスケープ写真展も開催。連日立ち見も出る程の人気で、遠い北の島アイスランド?なんてとんでもない!みんなこの国に興味深々の様子。今回初めてアイスランド映画祭を立ち上げたフェスティバル・ディレクターの濱治佳さんにいきさつを聞いてみた。

濱さん、「アイスランドの映画」って、そういえばあまり思いつきませんが、何で今「アイスランド」なんでしょうか?
山形国際ドキュメンタリー映画祭の仕事をしている時に、応募されてきたアイスランドの作品という作品が本当に面白いものばかりだったんです。これを集めたらぜったい楽しい!と思って。作品集めには全く苦労しませんでした。アイスランドで映画が本格的に製作されるようになったのは、ほんの20年くらい前からで、今でも1年に製作される劇場映画は4~5本。でも、アイスランド国民は、北欧諸国の中で、年間に見る映画の本数が一番高いんです。ほとんどの人がその年に作られた自国の映画はほぼ見てるくらい。この文化的教養の高さが作品完成度の高さにも関係しているのかもしれませんね。
そして!今回の映画祭にあわせて来日した、今アイスランドで最も注目されてる若手監督、ダーグル・カウリ監督を直撃インタビュー。映画祭のビジュアルにも起用されている、象も出演する作品「ダーク・ホース」を作った監督。アイスランドのクリエイティブ・シーンについて、教えてください!

観客からの質問に答えるダーグル・カウリ監督

「ダーク・ホース」(2005) 注意:合成じゃありません!
アイスランドは小さな国だからね。クリエイティブなコミュニティーも小さいんだ。たとえば、僕も今映画製作の傍ら音楽活動をしてるけど、同じ人が4つのバンドで活動してるってこともめずらしくないくらい。でも、みんなすごく作るって事に対しては熱いよ。ほとんどが13歳くらいから何かしらの活動を始める事もあって、皆お金をかけずに何かを創り出す、(make things happen !)する事に慣れてる。

「ダーク・ホース」(2005)

「ダーク・ホース」(2005)
僕の上映作品「ダーク・ホース」では、本物の象を3匹使ったんだけど、こーゆう一番クレイジーなアイディアが最も簡単に実現されるんだよ。電話一本で、翌日男がほんとうに象を3匹引き連れて現れたからね(笑)。でも苦労もあって、今回の撮影場所だったコペンハーゲンでは、街中100ヶ所以上でロケをした。しかも運の悪いことに、天気がくるくる変わるんだよ。コペンハーゲンでは非常に珍しいことにね!

「101レイキャヴィーク」(2000)

「イキングット」(2000)
もう一人、アイスランド出身で今の映画界を代表する女性映画編集者、ヴァルディース・オスカルスドッティルさんをぜひご紹介したい。最近ではミシェル・ゴンドリー監督「エターナル・サンシャイン」(2004)で英国アカデミー賞において編集賞を受賞。その他にもハーモニー・コリン監督「ジュリアン」(1999)、ガス・ヴァン・サント監督「小説家を見つけたら」(2000)など、名だたる監督達の作品を手掛けるすごい女性なのだ。そんなバリバリのキャリアとは裏腹に、静かに、にこやかに語る彼女に、成功の秘密を尋ねてみた。

ミシェル・ゴンドリー監督と仕事をして感じたのは、彼にはイマジネーションを確実にフィルムに落とし込んでいくすばらしい才能があるという事。反対に彼が私と仕事をして学んだのは、世の中には自分に対して「NO!」という編集者がいる、ということでしょうね(笑)。

「エターナル・サンシャイン」(2004)

ヴァルディースさん編集、上映作品「ソドマ」(1992)
私はもともとカメラマンやラジオの仕事をしていましたが、その後フィルム・スクールに行きました。みんな監督かプロデューサーを目指していましたね。でも初めて編集をした時、「なんて面白いんだろう!」と、これから残りの人生私は編集をしていく事を決めました。この仕事をするには本当にタフでなければやっていけません。いくら涙を流してでも這い上がっていくガッツ、そして自分の人生のほとんどを捧げる覚悟がないと編集はできない。これに男女の違いはありません。長編映画の編集は通常9~10ヶ月、長いものでは2年、という時間をかけます。その間、毎日映画で頭がいっぱい。この編集イケてるっ!と思ったら夢の中だった、なんで事もしょっちゅう。1本の映画編集を終えるといつも、もう一生コンピュータも監督の顔も見たくない!と思うんですが、2~3ヶ月もするとうずうずしてきて、また編集室に戻ってしまうんですよ。

上映会場ユーロスペースのロビーには、アイスランドの壮大な自然の写真が展示されていた。これは日本を拠点に活動するフォトグラファー、ベッキー・イーによるもの。元気なパワーいっぱい!の彼女が重い機材とブーツを担いで行った、アイスランド撮影のエピソードを聞いてみた。

アイスランドはすばらしい!フォトグラファーにとっての「マジカルタイム」、夕暮時のトワイライトがまる2時間も続くの。しかもこの写真にもあるとおり、本当に風景がショッキングピンクとパープルとグリーン色してるんだってば!事実撮影時に色を調整するためのフィルターは使ってない。アイスランドで美しくない写真を撮るのは難しいくらい。

© becky yee photography, all rights reserved

© becky yee photography, all rights reserved
でも撮影は過酷だった。私ともう一人、ちっちゃなアジア人の女の子二人で、腰まである雪の中を機材しょって山を登っていった。しかも撮影はもっと大変で、あまりの強風で三脚ごとブルブル震えちゃうし、しかも風で表面の氷が溶けるから、斜面で撮影してるとちょっとずつ滑ってスライドする始末。それも含めて、今回の撮影ではアイスランドの大自然のパワフルなエネルギーを感じたな。そのものすごくワイルドなエネルギーを写真におさめたい一心で、シャッターを切り続けた。

さて、今回の映画祭では、アイスランドと日本のコラボレーションライブも実現。実験映画で名高いピーター・ハットン監督が撮ったアイスランドの幻想的なランドスケープ・ドキュメンタリー「スカーガフョルズル」。このサイレントフィルムに、音と映像を使ったライブで海外でも人気の沖縄出身ユニットCINEMA dub MONKSがライブで音を付けた。会場は超満員。上映が始まると、咳ひとつ聞こえなくなった会場で、ライブが始まった。

沖縄にいる時に「アイスランド映画祭やるけど、演奏しない?」っ電話がきて、さあ困ったアイスランドってどんな国なんだー?と、図書館にいっていろいろ調べました。ずーっとアイスランドの大きな風景の映像が続くわけですが、音を考えるにあたって、アイスランドに暮らすってどんな感じなんだろうって思って、それをひとつの物語にしてみたんですね。とある男の人が日々ああいう風景をみて生活して、でもその中にもやっぱり日常はあって、また反対に風景を見ながらいろいろと今日あった出来事を思い出してるかもしれないし。沖縄で僕が食器洗ってる時の生活音や、ガンジーのコントラバスの男っぽい音で、その人が一日の中で考え事をしてたり、考えきれなかったりする、そんな部分を音にしました。


演奏後のんびり片付けながら丁寧に答えてくれた曽我さん

テープがたくさん!食器を洗う音、散歩の音、咳する音、都会の道路の音、などなど。
広大な谷に家が一件だけあったり、見渡す限り鳥しかいなかったり、アイスランドに暮らすって壮絶だろうなぁと思ったし。夕日の映像も出てくるんですが、そんな日々を過ごしながら1日の終わりに見る夕日を見る人のキラキラした回想をウクレレの音にしてみました。練習は・・・映像見ながら3回くらいしたかな?
遠近感が狂うほど空気がきれいだというアイスランド。そこで育ったクリエイティビティは、東京でもキラキラ光ってた!
「bio 06アイスランド映画祭2006」は、このあと3月18日~20日、神戸アートビレッジセンターにて開催。
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行きたかったな。
異空間の世界を染み込ませたかった。
Posted by: cococoaki @ 4月3日2008年
bu kalp sneı unuturmu
Posted by: goruntulu sohbet @ 7月22日2011年
アイスランド映画祭:アイスランドが今熱い! good post965
Posted by: air multiplier @ 4月21日2012年