先日友人からのメールに、「久々に気持ちのいい展示会を見た」との言葉を見つけた。「なに〜、気持ちのいい展示会?」それなら行ってぜひ見なければ!と勢い込んで行ってきました、代々木上原のMDSギャラリー。
ポスタルコ(POSTALCO)デザイナーのマイク・エーブルソン(Mike Abelson)さんが、長年興味を持って来たという、人間の体と「ものを運ぶ」という行為についての膨大なリサーチが、惜しげもなく公開されていた本展示会場。マイクさんがもともと「ものを運ぶ」という行為に興味を持ったのは、バッグのデザインをはじめた8年前の事だと言う。
生きている限り人間は、意識する、しないに関わらず、日々色んなモノを持ち運んでいる。まず、カバン。そして中には財布に手帳にケータイ。最近はラップトップやコーヒーを片手に歩いている人もよく見かける。電車の中ではサラリーマンが新聞を小脇に抱え、電車を降りれば車掌さんがマイクを片手に立っている。(かくいう私も、カバンが重い事には自信がある。そういえば、小学校入学以来、手ぶらで外出する事って、全くなくなったかもしれない・・・。)
その一つ一つの行為を、つぶさに観察してきたマイクさん。直接ご本人が街にでて撮影した写真やスケッチ、古今東西の文献などから得た資料など、いかに人間がものを運んで来たか、また、それを実現する人間の体の仕組みについての考察などが、壁一面に貼り出されている。中には、「もしかすると、人間にとって最初の荷物は赤ん坊だった?」という言葉とともに、赤ん坊を運ぶいろんなスタイル—背負ったり、抱えたり、肩車したり、カゴにいれたり—が紹介されていたりして、思わずニヤっと笑ってしまった。
また嬉しい事に、この展示は、「マイクさんの研究室」を訪れたかのような気分にさせてくれる仕掛けがいっぱいで、彼が集めた新聞記事の切り抜きなどものぞき見する事ができる。このスクラップブック、彼がどのような視点で集めたのかを考えながら見るととても楽しい。「ハンドル・テーブル(Handle Tabel)」と名付けられたテーブルには、いろんな取っ手(Handle)が並べられており、そこには「どうぞさわって下さい」の張り紙が。エッ、いいの〜!早速握ってみると、普段何気なく掴んでいるカバンの取っ手や、タンスの取っ手も、よくデザインされているんだなぁ、と実感。
展示会場は、決して大きくはないのだけれど、普段の何気ない行為をコツコツ観察した丁寧なリサーチと、心地よいスペースに出会えて大満足!久々に、何度も足を運びたくなる展示会だった。
10/29(土)には、マイクさんを招いての、ギャラリー・トークもあるそうです。
Mike Abelson, Carrying Research
「Carrying—マイク・エーブルソンのデザインリサーチ」
2005年9月30日(金) - 11月3日(木)
会場:MDSギャラリー
住所:東京都渋谷区大山町36-18
お問い合わせ:Tel 03-3481-6465
主催:財団法人三宅一生デザイン財団

© Mike Abelson Photo:Yukio Shimizu

展覧会風景© Mike Abelson
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Posted by: Swing lyrics @ 5月15日2011年